阪神タイガース観戦記

このブログは阪神タイガースの試合を私見で振り返るものである。

第68戦 vs楽天1回戦【2019.6.18】

倉敷マスカットスタジアム
楽天 010 020 020 5
阪神 101 100 000 3
本 近本6号 ウィーラー13号
○ハーマン4勝2敗 ●守屋2勝1敗 S松井1勝2敗22S
楽天 塩見、青山、ハーマン、ブセニッツ、松井
阪神 メッセンジャー、守屋、島本、能見

引き分けを挟んで4連敗となった。
ここが交流戦のこらえどころ。なんとか踏ん張って交流戦を5割で終えたい。
その為にはこれからの5連戦を4勝1敗で終えなくてはならない。
うーむ。厳しい数字だな。。頑張ろう。。。

先発のメッセンジャー。悪くはなかったが、イニングごとに安定感が変わる。
まだ、本来の盤石のピッチングが取り戻せていないように感じる。
2表の失点は北條の悪送球が最低だったが、元はと言えば先頭のブラッシュを四球で歩かせたことが起因している。

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北條ヘッポコ、木浪疲れた、となれば鳥谷の出番か?

5表にウィーラーに浴びた2ランも痛恨だった。
一発病は元々持病に近いものがあるが、今季は特に多い。
ウィーラーは通算100本目の記念弾だった。ハクション大魔王やミスターポテドヘッドに似ている風貌で話題先行のキャラ物助っ人だと思っていたが、もう5年目でしっかりチームに貢献している。楽天球団史に残る優良助っ人だろう。

8表に守屋&島本が2点を勝ち越されてしまいジ・エンド。
守屋はいきなり2連打されたのがキツかった。
一死2、3塁でウィーラーを迎え、ライトファールフライが犠牲フライとなり勝ち越された。ラインギリギリのところに飛んだフライ。ベンチの指示は「ファールなら捕るな」だったらしいが、際どい当たりがゆえに糸井はキャッチした。まあ、難しい判断だったのだろう。仕方ない。
ここで踏みとどまれれば良かったが、替わった島本が辰巳にタイムリーを浴びて2点差をつけられてしまった。
島本は続く山下に頭部死球で危険球退場。
ちなみにこの日はファームでも齋藤がカープの中村奨に頭部死球しており、上でも下でも危険球退場を出すという珍しい日になってしまった。

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疲労骨折明け初戦の中村奨に当ててしまった齋藤…

流れは完全に楽天に傾き、8裏は防御率0点台のブセニッツ、9裏は松井に三者三振でゲームセット。
フォアボールからエラーで失点をする。こういう野球ではなかなか勝ちはついてこない。打てるチームではないので、守り勝つ野球をしていかなければならないのだが、失策数はリーグダントツトップ。高代、久慈、平田と守備の名手たちが教えてきているはずなのに、なぜ実を結ばないのだろう。不思議。

一方で良いこともあった。
近本が23打席ぶりにヒット。しかもホームラン。
週初めに気持ちを切り替えられる当たりが出たのは喜ばしい。
近本が出れば球場の雰囲気が変わる。
明日からは甲子園。本拠地の空気がさらに近本を後押ししてくれることを願う。

第67戦 vsオリックス3回戦【2019.6.16】

京セラドーム大阪
阪神 000 000 302 000 5
オリ 000 140 000 000 5
阪神 ガルシア、小野、島本、守屋、能見、ドリス、藤川、浜地
オリ 田嶋、ディクソン、海田、増井、近藤、山崎福、比嘉

オリックスに3連敗を喰らう。
ここまでパの球団とそれなりに戦えてきただけに、そんな想定外の悪夢を覚悟したが、土俵際でこらえた。

ガルシアは悪くなかった。
直球も変化球も低めに集まっていたし、ランナーこそ出していたが試合を作っていた。
それだけに3裏に二死から大城なんぞに打たれたタイムリーは痛かった。本人も悔しかろう。
4裏の4失点は95%北條史也のエラーに責任を負わせていい。
二死1、3塁で吉田正に初球を狙い打たれたのは、昨日までの傾向を考えれば防げた気もするが、この失点はまだ許せる。
なおも1、2塁でロメロ。何でもないショートゴロ。北條はこれをエラー。多少強い当たりではあったが、正面の打球。言い訳のしようのないプレーだった。
3アウトチェンジから一転、満塁になり、更なる追加点を許した。後続を抑えられなかったガルシアにも責任はあるが、「あのエラーが無ければ」の思いは拭えない。
出番のない日もベンチでは大きな声を出し続け、ムードメーカーとしても一生懸命頑張っている姿を見てはいるが、肝心のプレーでこのミスはいただけない。
思えば4月の巨人戦でも1イニングで2失策し、その試合以降スタメンを外されている。厳しいことを言うようだが、その反省が生かされていない。
昨季こそバッティングで貢献したが、今季は奮わない。そうなれば、一つ一つのプレーの堅実さが首脳陣の信頼を勝ち取る唯一の道だが、それすらできないのであれば一軍ベンチに居場所はなくなる。
ここで提案だが、疲れの見えている木浪、攻守に奮わない北條に代わって鳥谷をスタメン起用することを選択肢に加えてもらいたい。今まで連続出場してきた鳥谷に代打はタイプ的に合わないのではないか。4打席立ってこそ結果の出る選手だと思うのだが。

試合は何とか引き分けで粘った。
田嶋に6回までノーヒットピッチングされたことを考えれば、上出来だろう。
7表に3点返せたことで、流れが傾いた。
9表。
二死1、2塁からセンターフェンス直撃の同点タイムリーを放った代打福留に最大級の賛辞を贈りたい。
その後はリリーフ陣が頑張った。特に11裏の球児はピンチを招きながらも、小島相手に抜群の内角ストレートを投げ込み窮地を切り抜けた。
いまだ衰え知らずの球威、ここ一番のコントロールに脱帽。

オリックスに勝てないという結末は考えていなかったので、かなりショッキングな3連戦だった。
明後日からはなぜか好調を維持し続けている楽天
勝ち越してほしい。

第66戦 vsオリックス2回戦【2019.6.15】

京セラドーム大阪
阪神 000 101 000 2
オリ 100 000 002 3
○エップラー2勝2敗 ●ドリス3勝2敗13S
阪神 岩田、守屋、能見、島本、藤川、ドリス
オリ 山岡、エップラー

サヨナラ負けでオリックスに連敗。正直、オリックスの戦力を下に見ているので、この連敗は精神的に良くない。しかも、いずれも終盤での逆転負け。
この憤懣やるかたない気持ちをどう処理してくれよう。
だが一方で、負けるべくして負けた展開でもあり、仕方ないという冷めた自分もいる。

9裏。
1点差を守るべく我らが守護神ドリスがマウンドに上がったが、先頭の代打小島にど真ん中のストレートをライト前に運ばれた。
小島脩平。オリックスで万年パッとしない選手。これに打たれた。この時点でかなり嫌な予感。
ソフトバンク戦では無死3塁から奇跡的な投球でしのいだが、そんなこと続くわけない。
それを確信させたのが、次打者の福田。送りバント処理をドリスは1塁へ悪送球。
無死1、3塁。
自分から処理しに行っての悪送球なので目も当てられない。
同点はおろかサヨナラのランナーを差し出すことになった。
続く小田こそサードゴロに打ち取ったが、ここからは3、4番。
3番吉田正。初球を狙いすましたかのようにセンター前へ運び同点。
4番ロメロ。2球目をレフトへ高々とフライを打ち上げ、サヨナラ犠牲フライ。
終戦
バント処理さえ誤っていなければ、おそらく同点止まりだっただろう。
まあ、こんなことを言っても仕方ない。
こんな場面は去年たくさん観たじゃないか。
今季はここまでたまたま盤石のリリーフ陣だっただけ。
こんなものなのだ。多くを期待してはいけない。
オリックスに連敗する程度のチームなのだ。
ちょっと強くなったと思っていた自分を厳しく戒めたい。

疲れのせいなのか、まったくヒットを打てなくなった近本の状態も気にかかるが、それは新人選手が必ずぶつかる壁。乗り越えてもらうしかない。
我慢。
と、ここまで書いてネット記事を見やると、矢野監督が大山の走塁に激怒したとのこと。
矢野監督「論外…」流れ暗転招いた大山の走塁に苦言 - プロ野球 : 日刊スポーツ
確かに、なんでスライディングしなかったんだろう、とは観ていて思った。
桧山の見解も載せておこう。
阪神大山“走塁ミス”は意識で防げる/桧山進次郎 - 評論家コラム - 野球コラム : 日刊スポーツ

二人ともドリスの悪送球に寛容なのが謎だが、要は積極的なミスは責めないということなのだろう。
来日当初からの悪癖を改善できていないのはいかがなものかとも思うが…

さ、明日はガルシア。
どうせ7点取られる、そのくらいの気持ちで観ていれば、よほどのことがあってもショックは受けない。

第65戦 vsオリックス1回戦【2019.6.14】

京セラドーム大阪
阪神 020 000 200 4
オリ 200 000 04X 6
本 ロメロ8号
○エップラー1勝2敗 ●西3勝6敗 S増井1勝1敗18S
阪神 西、藤川
オリ 成瀬、比嘉、海田、エップラー、増井

勝つと思っていた試合に負けると、なかなかどうして気分を切り替えるのが難しい。
ここは敢えて何がいけなかったのかを振り返り、就寝前に余計イライラし、モヤモヤを増幅させそのエネルギーを明日への活力にしたい。

まず初回。
西はツーアウトから吉田正にヒットを打たれ、続くロメロに先制の2ランを浴びた。
これは5/24のDeNA戦と同じパターン。この時もツーアウトから3番にヒットされ、4番にホームランを打たれている。
相手チームのスコアラーから何か癖のようなものを研究されているのかもしれない。
試合中に修正できる力を持ってはいるが、出来ることなら修正する必要のないところまで状態を持ってきてから投げてほしい。厳しいことを言うようだが、西にはそれくらいの高いレベルでの活躍を求めている。

8表。
無死1、2塁のチャンスを作りながら4番大山がゲッツー。絶好の得点機を4番が併殺打では士気を上げようにも上げられない。これで、試合の流れはオリックスに傾いた。大山は守備でもエラーしており(強い当たりだったがエラーはエラー)、この試合ではマイナスポイントだらけ。
ミスタータイガースになれる器と思って大山を見ている。ゆえに、残念なプレーは厳しく断罪したい。そして、それを乗り越えて大きくなってほしい。

8裏。ここは書いてもしょうがないが敢えて「たられば」を書く。
西が小田、後藤に連打され無死1、2塁。
ここで投手交代ではなかったか。PJがいれば、そうしていたかもしれない。
だが、いない。
で、続投して福田にタイムリーを浴びる。4-3。1点差。
オリックスは鈴木昂に送りバントをさせて、一死2、3塁。
ここで交代。ピッチャーは球児。
ここでPJならば、、、の思いは拭えない、
球児はコントロールに難がある。ランナーを背負った状態では不安が残る。
案の定、吉田正にフォアボールで満塁。ロメロこそ三振で抑えたが、西野のところでワイルドピッチ。同点。さらにタイムリーを浴びて2点を勝ち越された。
終戦
まあ、球児が打たれる姿は何度も観ている。こういうこともあろう。
左の吉田正のところで島本でも良かったのでは、、、
一人一殺くらいの継投をしても良かったのでは、、、
そもそも8回から球児で良かったのでは、、、
いろいろな思いが去来するが、結果は変わらない。
矢野監督も
俺が一個遅れたぐらいかな。継投が遅れたかな、というのは俺の反省の中ではあるけど
と悔やむ一戦になった。

PJは18日に戻ってくるらしい。
去年のマテオのように、休養明けたら別人のように打たれる。なんてことがないことを祈りたい。

第64戦 vsソフトバンク3回戦【2019.6.13】

ヤフオクドーム
阪神 000 000 000 0
ソフ 000 000 30X 3
本 グラシアル14号
○大竹4勝2敗 ●高橋遥1勝1敗 S森2勝3敗18S
阪神 高橋遥、浜地
ソフ 大竹、森

高橋遥と大竹は同い年。ともに2年目の左腕。
お互いに意識するところもあっただろう。
その負けたくないという気持ちが、双方の好投につながったか。
高橋遥は7回まで投げたが6回まで塚田への内野安打1本に抑えた。
大竹も8回を2安打ピッチング。
素晴らしい投手戦だった。
この息詰まる投げ合いのケリをつけたのはジュリスベル・グラシアル。
7裏、高橋遥から今宮、内川が連打でチャンスを作る。デスパイネは三振に倒れたが、グラシアルがレフトスタンドへ3ラン。
決して甘いボールじゃなかった。内角低めのストレート。本人も「投げ切れたボールだった」という納得のいく球を投げたのに、グラシアルはそれを捉えてスタンドにまで運んだ。
これで万事休す。
大竹にもしっかりやられたが、グラシアルに完敗した試合だった。

グラシアル。
昨年、春季キャンプ中に入団したキューバ人。野球王国からいきなり助っ人がやってくるのが凄い。豊富な資金力と多角的な球団経営でさながらメジャー球団を思わせるソフトバンクだからこそなせる業なのだろう。
昨季はケガもあって出場試合は54試合にとどまったが、.292、9本と潜在能力の高さを予感させる成績を残した。
そして今季。日本野球に完全に順応したのか、打ちまくっている。
要はホンモノのキューバ人だった。
絶好調の高橋遥でもかなう相手ではなかったのだ。ちょっとレベルの違う打ち方をされた。この悔しい経験を糧に高橋遥がさらに成長することを期待したい。
そのグラシアル。7月にペルーで行われる国際大会に出場するためにチームを離脱するのである(最長で1ヶ月らしい)。契約に入っている条件だそう。もう交流戦で対戦することはないのでタイガースには関係ないが、懐の深いソフトバンクの契約事情に感心するばかりである。

結果、強いソフトバンクと1勝1敗1分。
初戦はほぼ勝ち試合だったので、互角以上の戦いをした。という甘い評価をしよう。
この戦績を自信にして、今後もパ・リーグを恐れることなく戦ってほしい。

第63戦 vsソフトバンク2回戦【2019.6.12】

ヤフオクドーム
阪神 000 202 220 8
ソフ 001 001 000 2
本 梅野6号 福田4号 植田1号
○青柳5勝4敗 ●和田1敗
阪神 青柳、島本、守屋
ソフ 和田、高橋純、松田遼、嘉弥真

快勝。
青柳がソフトバンク打線に的を絞らせないピッチングでスイスイ投げた。
7回97球4安打1四球6奪三振2失点。
3裏の失点はエラーきっかけな上に、タイムリーも内野安打。やられた感はない。まあ、気分の悪い失点の仕方ではあるが。
6裏は福田のソロ。昨日のメッセから打ったホームランと同じで出会い頭の衝突事故のようなもの。これまたやられた感はない。
要するに、やられてない。
ソフトバンクに青柳は通用したのである。
これを大きな自信にして、今後の登板に生かしてほしい。

この青柳の好投に打線が応える。
梅野。
4表の逆転2ランは打った瞬間それとわかる完璧な当たり。これで、球場の雰囲気はガラリと変わり、タイガースペースで試合を進められるようになった。
6表にもタイムリー。完全に主導権を握る一打となった。
7表の糸原タイムリスリーベースも気持ち良かったし、スタメン起用の原口のタイムリーも素晴らしかったが、ここは8表の植田海プロ本塁打を取り上げたい。
一死2塁で迎えたこの日の初打席。
相手投手は松田遼。
その3球目を完璧にとらえライトスタンドへ運んだ。
イムリーすら打ったことのない海くんがホームラン。非力で、打席での活躍は全く期待していなかった海くんがホームラン。
やればできるじゃないか!
本人は
なかなかないのでうれしい気持ちと恥ずかしい気持ちです。
矢野監督は
バッティング練習でもあんなの見たことない。
広い福岡ドームで打ったのだから本物だ。
でも、以前掛布が言っていたよ。
「あまりにもいいホームランを打ってしまうとその感覚を追いかけてしまい、本来の打撃スタイルを崩してしまう」と。
まあ、元々がホームランバッターではないので心配ないとは思うが。
これからも主には守備と走塁でチームを支えてほしい。

第62戦 vsソフトバンク1回戦【2019.6.11】

ヤフオクドーム
阪神 000 200 000 000 2
ソフ 000 100 001 000 2
本 福田3号
阪神 メッセンジャー、藤川、小野、能見、ドリス
ソフ ミランダ、甲斐野、椎野、松田遼、森、モイネロ、武田

非常に価値ある引き分け。
9裏二死まで勝っていただけにもったいなかった、という見方もあるだろうが、ここはポジティブにこの試合の結果を受け止めたい。

・ポジティブポイントその1
最終回、絶体絶命のところまで追い込まれながら、それをしのいで引き分けに持ち込んだ。
明日の試合に臨むにあたって、負けか引き分けかではその心持ちは全く異なる。
※12裏、ドリスは先頭のグラシアルを内野安打で出塁させ、自らの牽制悪送球とワイルドピッチで無死3塁というファン心理的に95%サヨナラ負け覚悟の状況を作り出すも、その後の真砂を三振、松田をショートゴロ、明石をレフトライナーに打ち取る劇場型ピッチングを披露
・その2
ソフバン中継ぎ投手陣の球筋を見ることができた。
今後の2試合にこの体験が生きる。9回で終わっていたら、森以降の投手は見られなかった。きっと、明日明後日にこれがつながってくる。
・その3
広島、巨人がともに負けたので引き分けであってもゲーム差が縮まった。この0.5差を詰めておいたことが、シーズン終盤にものをいう。
・その4
そもそも超強いソフトバンクと対等に戦えた。「俺たちはやれる!」という自信が確信に変わったはず。
・その5
故障明けの福留が復帰即激走で先制点を演出。足のケガだっただけに心配だったが、全く問題なさそう。
・その6
そもそも指揮官が勝ちゲームだと言っている。
結果勝ちや、もう。そう思うわ。そう思うことにする! ノーアウト三塁でミス、ミスでしょ? あそこから引き分けになったんだから
とコメント。
監督がこの気持ちならば、ナインも気持ちよく明日の試合に挑める。
・その7
4表の攻撃が見事だった。
一死2塁から高山のライト前タイムリー。ミランダのストレートをキレイにはじき返した。天才バッターが確実にその能力を発揮し始めている。
なおも1、3塁で北條。
3球目でスクイズを敢行。決めた北條のバント技術も良かったし、3塁走者の梅野のスタートも見事だった。
欲しかった先制点、追加点をとてもキレイな形でとれた。
・その8
メッセンジャーが本当に素晴らしかった。
9回114球4安打1四球6三振2失点。エースのピッチングだった。ソフトバンク相手にこのピッチングができたのだから、今後の試合も心配しなくてすみそう。
因縁の原審判もいたが、この日は3塁塁審。これが球審だったらひと悶着あったかもしれない。この巡り会わせも吉。
・その9
ファームでは藤浪が好投。

www.nikkansports.com復帰間近とみていいだろう。
優勝には欠かせないピース。
今年の阪神のキーワードは「復活」。

●おまけ

 

第61戦 vs日本ハム3回戦【2019.6.9】

阪神甲子園球場
ハム 001 002 000 3
阪神 000 100 201 4
本 大田11号
○藤川4勝 ●秋吉2敗12S
ハム 上原、公文、ロドリゲス、宮西、秋吉
阪神 ガルシア、島本、守屋、藤川

矢野監督号泣のサヨナラゲーム。
11月に今季を振り返る時、髙山のサヨナラ満塁ホームランとともにベストゲームの一つとして語られることになるだろう。

試合展開は日本ハムが握っていた。
6表の大田のホームランはライトポール際ギリギリに入ってしまうラッキー本塁打だった。しかも大田の誕生日、なおかつ12球団からのアーチを達成するメモリアル弾。
巨人から移籍して本当に良かったね、と思うが、阪神戦で活躍するのはいただけない。

7裏、宮西からマルテ、梅野が長短打を浴びせ無死2、3塁のチャンスを作ると、まず髙山のショートゴロで1点を返す。そして、ここから矢野を泣かせた梅野の勇気の走塁が発動される。
北條の打席の3球目。セカンドランナーの梅野が果敢に3盗を試みる。虚を突かれたキャッチャーの清水がサードへ悪送球。外野へボールが転がる間に一気に梅野はホームイン。同点。
超積極野球を掲げてはいるが、それを実践できるかどうかは選手がそこにどれだけの意識を持っているかにある。
見事に、監督の目指す野球をやってのけた梅野。心から拍手を送りたい。

この良い流れをさらにタイガースに引き寄せたのは藤川球児
8、9回を1安打(単打)に抑え、相手に反撃の気運を起こさせなかった。
そして、これが感動的なフィナーレを呼び込むことになる。

9裏。
マルテ、梅野は日本ハムの守護神秋吉に抑えられ、あっという間にツーアウト。
延長戦を覚悟したその時、髙山がセンター前ヒット。復活しつつある天才が、試合を終わらすまいと塁に出る。
そして北條。これまたライトへ流し打ち。去年の良い時のバッティングだ。髙山は一気に3塁まで駆けて二死1、3塁。
そして、打席には見事な復活を遂げた原口がコールされる。
昨季、代打で神様級の活躍をした男。復活はした。だが、その勝負強さは戻ってきているのか。あの驚異的な力は彼に宿っているのか。試される時が来た。
そして―
打った。
センター前に運ばれた打球が中堅手西川の前に落ちる。
サヨナラ勝利。
ZOZOで感動を生んだ男は、本拠地甲子園でもその輝きを放った。
阪神ファンに「ただいま!」をちゃんと伝えてくれた。
「僕の活躍が力になるとすれば、生きて野球をやれる意味がある」
こんなにも心に響くヒーローインタビューは聞いたことがない。
この舞台に戻ってきたことを、心の底から祝福したい。

最後は矢野監督の号泣会見で締めよう。

 ノムさんは感情をあらわにする姿勢を嫌っているが、時代は変わったのだ。
新たな監督像でこれからもタイガースを引っ張って行ってもらいたい。

第60戦 vs日本ハム2回戦【2019.6.8】

阪神甲子園球場
ハム 000 200 710 10
阪神 000 000 023 5
本 渡辺5号 横尾1号 北條1号
○金子3勝3敗 ●岩田1勝2敗
ハム 金子、ロドリゲス、堀、鍵谷、公文
阪神 岩田、馬場、守屋

岩田は粘りの投球を続け、何とか試合を形成していたが7表にあと一人でチェンジというところから、連打を喰らい、その後を継いだ馬場も勢いを止められず結局この回7失点。
代打中田の二塁打で本塁に突入する清水を、高山~北條の見事な中継プレーで二死までこぎつけたのに、そこからやられてしまうのだから切ない。
馬場が渡辺に満塁弾を浴びたところでため息とともにジェット風船が放たれた。馬場はファームでは良いボールを投げるのに、一軍では通用するところまで至っていない。
本人も歯がゆかろう。しかし、まだ2年目。かつての秋山がそうだった。鳴尾浜で無敵の投球をしながらも一軍で返り討ちに遭っていた。だが、秋山は一昨年覚醒。立派な戦力になった。馬場もきっとそうなれる。信じている。
さて、満塁弾の時点で実質試合は終了。
長いシーズン、こんな試合もある。
こういう試合は、良いところを見つけて心を和らげるのが肝要。

北條がホームランを含む3安打。今季初の猛打賞。
8表のレフトポール際への弾丸ライナー2ランは彼の思い切りの良いバッティングが出ていた。
9表のセンターへの二塁打も素晴らしかった。
去年はこういうバッティングで好調を維持していた。
元々、バッティングの良さを買われてのドラフト2位入団。昨季のような安定感が出せれば木浪を押しのけられるだろう。
守備の粗さが目立つようになってしまったのは残念だが、守備はめちゃくちゃ練習すればうまくなるはず。そこは久慈、藤本両コーチに何とかしてもらおう。
ベンチで常に大声を出して盛り上げていたり、平野コーチと仲良くしている姿も嫌いではないが、やはりフィールドで活躍する姿を観たい。頑張れ。

福留が抹消されたことで、髙山がスタメン起用され調子を上げている。
あのルーキーイヤーの天才的なバッティングが復活してきている。
更に守備力はルーキーイヤーより間違いなく向上しており、その穴をしっかり埋めている。福留の勝負強さも魅力だが、髙山の芸術的なバッティングも観る者の心を捉えるものがある。
髙山の力はこんなものではない。
必ずやタイガースを、そして球界を代表する打者になる。

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同期の絆

10-0から5点返したことを良しとしよう。
この反発力があるということが明日へとつながる。

第59戦 vs日本ハム1回戦【2019.6.7】

阪神甲子園球場
ハム 000 101 100 3
阪神 000 002 000 2
○有原7勝2敗 ●西3勝5敗 S秋吉1敗12S
ハム 有原、宮西、石川直、秋吉
阪神 西、能見、島本

試合前にショッキングなニュースが入る。
PJ抹消。
蓄積疲労でリフレッシュのための措置とのこと。
これまでの投手人生で、こんなにもタフな場面で連投したことはないだろうから疲れも溜まるだろう。大きな故障になる前に、しっかり休んでもらおうということか。
だが、ロッテとの3連戦を見る限り、初対戦のチームはPJの速球とカーブのコンビネーションに苦労するだろうと思っていただけにこの離脱は痛い。
この先は最強助っ人を失ったリリーフ陣の真価が問われる試合になる。

先発の西は7回112球8安打2四球1三振3失点。
クオリティスタートだし、何よりも自責点は0。
そう。この試合の失点はすべて失策がらみ。
点を取ってくれないどころか、最近は足を引っ張るようになってきた。
西がこの環境に嫌気がささないことを祈るばかり。
ただ、雨の影響でグラウンドコンディションが悪かったせいもある。
4表の糸井から糸原への中継の送球がイレギュラーして捕球し損ねたものや、7表の北條のグラウンダー送球がイレギュラーしてマルテが捕球できなかったものは100歩譲って天気のせいにすることもできる。
が、6表のマルテのファーストファールフライの捕り損ねは痛かった。中田を初球でアウトが取れていた。結果的に中田に二塁打を打たれてしまい、得点につながってしまった。
100歩譲って糸井と北條の送球をかばったが、本来なら、ホームグラウンドである甲子園でグラウンド状況が悪かったので、は理由にならない。
結果的に1点差で敗れており、すべてのエラーが得点に結びついたことは残念でならない。
プレーしている本人たちが一番悔しかろうが、当然そんなプレーを観ている我々も悔しい。
すぐに守備がうまくならないことはわかっている。だから、この守備の乱れとは今シーズンは付き合っていかないといけない。
我々がテレビ画面を通して「何やってんだよ!」と怒鳴っているということは、ミスした本人たちはベンチの裏でコーチから叱責されているはずなのだ。
だから、もう、そんなに腹を立てるのはよそう。
きっと、コーチが怒ってくれている。そして、その悔しさをバネに、選手たちは明日はミスをしまいと、懸命に練習に励んでいるのだ。
いつかは名手に―その過程を観られていることを幸せに思おう。
「名人と呼ばれているけど、彼のことは前座のころから知っていたよ」
「名馬になったけど、新馬戦の時から応援していたよ」
そういう時、優越感に浸れるではないか。
北條や木浪、大山がそんな存在になれる日が訪れることを心から願う。