阪神タイガース観戦記

このブログは阪神タイガースの試合を私見で振り返るものである。

第14戦 vs広島3回戦【2023.4.18】

阪神甲子園球場
広島 000 000 001 1
阪神 000 000 002 2
○西勇1勝1敗 ●栗林2敗5S
広島 九里、ターリー、栗林
阪神 西勇

白黒つけてこい。最後やし、行ってこい。

これは彰布殿が8回裏終了後にベンチで西勇輝にかけた言葉。
快投をしてもなかなか白星が付かないベテラン右腕。
この日も投球術が冴え渡り8回まで零封。すでに114球。リリーフを送られてもおかしくない場面であったが、指揮官は胸アツのセリフをぶつけてマウンドへ送り出した。この人情味がたまらない。これこそがオリックス時代から続く師弟関係。
しかし、送り出したマウンドで均衡を破られる致命的ともいえる先制点を許してしまう。何たる非情な展開。
が、その後、劇的な幕切れでチームは勝ち、西勇輝も今季初白星を手にするのだ。
この演出力。さすが名監督。

★ピックアップ
・梅野隆太郎&木浪聖也
9裏。梅野は前の打席ではまるで打てる気がしなかったのに、劇勝のきっかけとなるライト前ヒットを放つ。先頭の代打糸原の三振で「負け」ムードが色濃く漂ったが、その空気を打ち払った。
続く木浪がライト線を破るツーベースで一気にサヨナラへの機運を高めた。
双方とも見事な働き。


《試合メモ》
井上及川、昇格。若い力を見せてやろう。燃えよ若人胸を張れ♪
・前日に右肘コンディション不良が一部で報じられ抹消された湯浅だが、軽症ぽい。良かった。無理しないでね。
・6裏。島田、盗塁成功。今季初。早く初ヒットも観たい。
・7裏。二死走者なしで近本、左中間を割るスリーベース。得点にはつながらなかったが盛り上がった。
・8表。西勇輝、一死1塁で小園の送りバントをナイスフィールディングで2塁に転送し、阻止。
・9裏。7番梅野がヒット。サヨナラへの布石を作る。さすが金メダリスト🥇
・続く木浪がライト線を破るツーベース! この日もマルチ。目指せ4割打者。
・その後の近本が歩かされて、二死満塁。2番中野が粘って粘って9球目をレフトオーバーサヨナラタイムリー! さすが日本代表!
西勇輝、9回128球4安打1四球6奪三振1失点。今季初勝利、おめでとう。

《ちょっと反省》
・前日に森下、降格。進化して帰ってこよう。
・4裏。一死1、3塁で6番島田が浅いセンターフライ。うーん。絶好の先制機だったのに。うーん。
・9表。西勇、二死3塁でマクブルームにレフト線を破られる先制タイムリー許す。いや、責められない。
・9裏。一死2、3塁。一打サヨナラ、最低でも同点にしたい局面で代打の渡辺諒。ストライク全てを見逃して三振(1球はファールにしたけど)。ガッカリ。それはない。

 

●指揮官コメント全文

-劇的な幕切れだった。
「ねえ、ぉん。なんとか西にね、今日はね。前回広島でね、あの1点だったけど追いつかれて、勝ち投手になれなかったんで。まあ、なんとかね、今日は9回までいけと。まあ、もう一人だったんだけどね」

-最後は中野が決めた。
「いやいや、もうね、あそこ2、3塁か。ねえ、(代打は)原口か渡辺(諒)だったんだけど、原口もあのホームランからあんまり調子よくなかったからね。渡辺にかけたんだけど。まあ近本もね、あの3ボールまで選んで、ああいう形で。まあ、これはもう中野が打ってくれると信じるしかなかったですね」

-甲子園では今季初のサヨナラ勝ち。
「甲子園って、今日4試合目でしょ? 4試合ぐらいで初めてサヨナラ勝ちが出たらええ方じゃない?(笑)」

-ファンの声援はすさまじいか。
「ちょっとね、遠征で打てないところがあって、連敗で帰って来たので、ミーティングでも今日は打つ方もハッパをかけたけど、なかなかね。チャンスはつくったけど、最後一本も出なかったから、あのまま負けるのと、西に負けが付くのとね、西に勝ちが付いて、初戦を取れたというのはめっちゃ大きいんじゃないですかね」

-チームにとって勢いが付く勝ち方。
「そうですね、まあ、ちょっと勢いを付けたいから、やっぱり点を取らないと勢いがつかないんで。こういう勝ち方ばっかりでは勢いが付かないと思うんで、明日からは本当に打つ方がもっともっと奮起しないといけないですね」

(囲み)
-打つ方にハッパをかけたというのは。
「いやいや、まあ、ねえ、2カード目やから、これは、今日どっかの新聞にも書いてくれとったけど、前やられたら、今度は向こうもやり返そと思てな、配球とかいろんな面でな、攻め方とかもまた違ってくるし、そういうことを言うたんだ。広島も2カードやったからね、この間の横浜も2カード目でな、全然攻め方も違ってたからな、だからそういうことを言ったんだけど」

-西勇はテンポのいい投球で、フィールディングも良かった。
ブルペンでは全然悪かったみたいやなあ。だから逆に丁寧に投げたんちゃうかな。今日もうほとんど甘い球なかったやろ、高めなあ。そういう意味では一番最後やけどな。あれフォークの抜けやけど、あそこまで投げたらなあ、もう」

-7回で100球を超えていた。
「いや勝ち負け付けなあかんと思ってたから、点入ったら代えてたよ、そらな、後ろのピッチャーにな。点が入らんから勝ち投手ならんやんか、だからまあ、九回までやったんやけどな。もうあそこが最後やったし、最後なあ、もう1人抑えてくれとったら最高の形やったけどなあ」

-シーズン早いうちにローテ投手に勝ちがつくと勢いに乗っていくか。
「そうよ。ぉん、村上は勝ち投手みたいなもんやったからな、西だけやろ、ついてなかったのなあ、先発でな、そういう意味では今日、何とか西に勝ち星つくためにといったらおかしいけど、つくようにな、だからあそこまで投げさせたよ」

-バッターもそういうのを感じながら。
「まあ感じるというか、その前のな、満塁のチャンスで一本出てたらなあ、もうちょっと楽な展開になってたと思うよ、はっきり言うて。まあなかなかな、そういうタイムリーとかもここのところ何試合も出ないし、本当に早いうちに吹っ切れてね、タイムリーとかな、出るようになれば先発はちょっと楽に投げられると思うけどな」

-苦しい試合は終盤イライラする?
「そんなイライラせえへんけど、同点でいってるんやからな(笑い)」

-クローザーに黒星をつけた。
「大きいよな。広島もそうやったしな、同点から。後々見たらすごい(大きい)なあ」

-中野に積極性が。
「ちょっと早めに追い込まれるのが多かったから、横浜でもな。今日はだいぶ振っていっとったけどな」

-連敗が増えないのは大きい。
「そら大きいやろ、小さいことないやろ。大きいよ」