阪神タイガース観戦記

このブログは阪神タイガースの試合を私見で振り返るものである。

第58戦 vsロッテ3回戦【2019.6.6】

ZOZOマリンスタジアム
阪神 201 000 000 1 4
ロテ 100 100 001 0 3
○ドリス3勝1敗13S ●益田2勝4敗11S S島本1S
阪神 高橋遥、小野、藤川、ドリス、島本
ロテ 種市、田中、ブランドン、益田

あと一歩のところから同点に追いつかれてしまい、かなり嫌な感じだったが、ここ2連戦でロッテ投手陣を打つことはできていたので、勝てそうな気もしていた。
そんな予感が当たり、10表に糸井のタイムリーで勝ち越し、勝つことができた。
10裏は島本がピシャリと抑え、プロ初セーブ。
高橋遥が勝ち投手になれなかったのは残念だが、もはや守屋とともに矢野チルドレンと言ってもいい島本の活躍は嬉しい。

この日は小野の投げっぷりが良かった。ただし最初の1イニングだけ。
キャンプで故障してしまい、かなり出遅れた小野だが、ここにきて復帰。
すでに構築された先発投手陣に割って入るためには与えられたところで結果を出すしかない。
6裏は制球抜群で完璧に抑えた。このピッチングをされたらもう1イニング任せたくなる。
が、7裏は1安打2四死球で満塁のピンチを招いた。抑えはしたものの、悪い意味で小野らしさが出た。
金本チルドレンの大山が4番として頑張っている。ここは金チル投手部門代表として、進化した姿を見せてほしい。

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ファインプレーのマルテ

8裏、一死1塁で菅野が強烈なライナーを1塁へ放ったが、これをマルテが好捕。
解説の薮田は「このプレーが阪神に流れを持ってきた」と絶賛していた。
ヘイグ、キャンベル、ロジャース、ロサリオと不作続きの助っ人たちのおかげでハードルがだいぶ低くなっている今がチャンス。マルテよ、もう少しだけ打てるようになれば来季も安泰だぞ。がんばれ!

第57戦 vsロッテ2回戦【2019.6.5】

ZOZOマリンスタジアム
阪神 010 201 000 4
ロテ 022 010 00X 5
本 井上11号
○岩下2勝1敗 ●青柳4勝4敗
阪神 青柳、能見
ロテ 岩下、チェン、東條、唐川、酒居、益田

あと少しで勝てそうだったのに、負けた。
11安打。12残塁
打てなくて負けるパターンではなく、打てているのにチャンスを生かせずに負けるパターン。
あまり、今季の戦いでは見ない形だった。
あと一本、の重み。
まあ、これはお馴染みの課題なので、ゆっくり改善されていくのを見守る。

残念だったのは守備。
2裏、木浪がミスを連発。これが失点につながってしまった。ルーキーがキャンプからオープン戦を経て、ここまでずっと一軍で起用されている。きっとこれまでにない疲労を感じていると思う。だが、ここを乗り越えてこそ。頑張れ聖也。
5裏、レフトの江越がレアードの大飛球の目測を誤り、追加点を許す。結果的にこれが決勝点。2年に一度しか来ない風が強く吹く球場なのでかばってあげたい気もするが、一度フェンスをよじ登る仕草までしておいて、5mくらい離れた場所にボールが落ちるのを見てしまうと、さすがに「なんじゃそりゃ」と思ってしまう。首脳陣もそう思ったのだろう。翌日、抹消された。頑張れ江越。潜在能力は12球団ナンバーワンなのだから。

9表の攻撃は悔しかった。
先頭のマルテがヒット。代走に植田。
植田は二盗を成功させる。
続く梅野のファーストゴロで植田は3塁に進み、一死3塁の同点機。
バッターは高山。4球目をレフトへライナー性の当たり。同点かと思ったが、これを清田が好捕。そして、3塁走者の植田は飛び出していてすでにホームまで到達。清田はゆっくり三塁へボールを送りゲッツー成立。ゲームセット。

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高山が打った瞬間に走り出す植田

試合終了直後は飛び出した植田に憤った。犠牲フライで同点になったのに、と。だが、どうやらベンチの指示だったとのこと。
「そういうサイン。俺の責任」と矢野監督は植田をかばった。
超積極野球が矢野野球。この野球で上位争いができている。
ちゃんと監督が責任を感じているのだから、選手たちとのわだかまりは生まれないだろう。
こういうこともある。
青柳もよく投げていたし、明日へつながる試合をした。

第56戦 vsロッテ1回戦【2019.6.4】

ZOZOマリンスタジアム
阪神 210 010 025 11
ロテ 030 000 000 3
本 梅野5号 糸井4号 マルテ6号
メッセンジャー3勝5敗 ●涌井3勝3敗
阪神 メッセンジャー、藤川、ジョンソン、島本
ロテ 涌井、チェン、東條、西野、レイビン、田中

前日の3日に原口昇格の報せを聞く。
ちょうど仕事の合間で用事は何もなく暇だ。しかも比較的近い幕張での試合。
これは観に行くしかない。
大病の公表に居ても立っても居られず購入した原口ユニフォームと原口タオルを持参して駆けつけた。

久々のZOZOマリン阪神戦を観に来るのは6年ぶり。その時は9裏に追いつかれて、5時間ゲームになり、結局引き分けでドッと疲れたことを覚えている。
今日の目的は原口だが、大前提として勝ち試合を観たい。

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打撃練習の順番待ち。後方は多田昌弘打撃投手。

球場の雰囲気は、何やらざわめいている。
それはフィールドに原口がいるからだ。27歳の若さで大腸がんを患ったのにもかかわらず、公表から5ヶ月で一軍の舞台に戻ってきた不屈の男がそこにいる。
その一挙手一投足に注目し、何か声をかけてあげたい。そういう空気が流れていた。

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打撃練習前に矢野監督と話す原口。矢野監督も笑顔。手前は久慈コーチ。

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原口の打撃練習。みんなが見守る。

打撃練習では柵越えが1本。レフト席に放り込み、大きな拍手が起きた。
しっかりと一軍の戦力になるから上がってきた。そう思わせる打球だった。

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大きな声援にお辞儀で応える原口。奥はキャッチボール相手の近本。

キャッチボールで3塁側に選手たちが現れると、ファンは「原口ー!」「おかえりー!」と大きな声援を送る。そして、それに丁寧なお辞儀で応える原口。
この律義さに彼の人柄の良さが出て、胸を熱くさせる。

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軽快に一塁守備をこなす原口

守備練習では一塁に就いていた。
マルテも調子は上がってきているが、原口を4打席観たいという思いも湧いてくる。
ただ、本人は捕手での出場が目標。
梅野もマルテも中谷も、より一層気を引き締めるだろう。
単なる復活ではなく、チームに更なる競争意識を芽生えさせる刺激的な昇格。その波及効果は大きい。

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よっさん。御年85歳。いまだバリバリの解説者。恐るべし。

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藪。現役時代、正面もそこそこイケてたが、横顔が超イケメンだった。

放送席にタイガースOBを見つける。
彼らもまた、後輩の復活を大いに喜んでいることだろう。

そして、試合開始。
初回から涌井を攻め立て一気に2点を先制。
涌井は先頭で出た近本を警戒し、それが投球のリズムに影響したのか糸原にフォアボールを与えた。そのランナーを糸井、大山で返す理想的な得点の取り方だった。
2表には相手のミスで更なる追加点。

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虎のエース

初回のメッセの立ち上がりも良く
「これは楽な試合になるかなー」
と思っていたが、そのメッセ。2裏に乱れる。
先頭の4番井上にストレートのフォアボール、5番レアードにレフト前ヒットで無死1、2塁。6番中村はライトフライに打ち取りワンアウト。7番以降は打率の低い打者が続くので切り抜けられると思っていたのに、菅野にフォアボールで一死満塁。8番三木にあわや逆転満塁弾というレフトへの犠牲フライで1点を失う。9番吉田で何とか、と思ったがここでもフォアボール。再び満塁のピンチ。
1番荻野は今季好調の巧打者。フルカウントから内角低めのストレートをうまくレフト前に運ばれ2点タイムリー。同点。
メッセ、どうした。。
続く鈴木大地にもフルカウントにし、どうなる事かと思ったが、ここはズバッと外角ストレートの見逃し三振でどうにかタイスコアでしのいだ。
やはり、交流戦は一筋縄では行かないか、という思いが浮かぶのと同時に接戦の方が原口の出番が来やすいかもなどと考えてしまう複雑な心境。
4裏。
一死1、3塁のピンチ。バッターは9番吉田。ここでロッテはスクイズを仕掛ける。
も、ピッチャー前に転がった打球をメッセがサードランナー中村にタッチする好フィールディングで処理。しのぐ。ここで勝ち越されていたら相手に流れが行ってしまう重要な場面だった。
そして、5表。
梅野が涌井のストレートをライトホームランラグーンへ叩き込む。相手が是が非でも取りたかった次の得点をホームランでこちらが取る。流れをタイガースに持ってくる値千金の一発だった。
この女房役の活躍に気を良くしたメッセは5、6裏を1安打で抑え御役御免。
毎試合、どこかでグラつくイニングこそあるが、試合は作れている。投げれば投げるほど自分のペースを取り戻していけるのがメッセンジャーの長所。今後の試合で徐々に良くなって、一番苦しい9月にピークを持っていく作戦を採っているのだろう。
7裏は球児。

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見よ、この力強い投球フォーム!

鈴木大地にヒットこそ許したが、あとの打者はバッチリ抑えた。毎度ヒヤヒヤピッチングを覚悟しているが、ここ最近は安定感が増しつつある。実に頼もしい。
そして8表。
ここで、あることに気づく。
7表が8番中谷で終わったので、このまま8、9回を三者凡退で抑えられたら(8回9~2番、9回3~5番)、原口の出番が無いのではないかという大いなる懸念。
今日は原口を観に来ている。なのに、出場しなかったということになれば、明日も来なくてはいけない。いや、別に構わないのだが、チケット代や交通費を考えると明日も1万円弱出ていくことになる。出来ることならその出費は避けたい。
8回は打順の頭に回るので代打は出しにくい。そう考えていくと代打チャンスは9回に回ってくる可能性の高い8番中谷のところになる。何せ今日の中谷は全く振れていない。
そこまで回すにはとにかく誰でも良いから塁に出ることだ。あと2イニングで3人のランナーを出し、併殺がなければ8番まで行ける。
さあ、打てタイガースナイン。原口を観に来ているファンのために。
するとその祈りはキャプテンと超人に通じた!
二死から糸原がセンター前ヒットを放ち、続く糸井は打った瞬間それとわかる特大アーチ。生で観る「打った瞬間アーチ」はなんとキレイな放物線を描くのだろう。
2点の追加点も嬉しいが、打順が進んだことが一番嬉しい。
次の大山はライトフライに倒れてチェンジとなったが、これで9回は一人ランナーが出れば8番に回る!
8裏は我らがPJことピアース・ジョンソン。
全く危なげなく三者凡退で抑える。
さりげなくお膳立てを整える仕事人。カッコよすぎる。

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PJ。投げるたびにファンが1000人ずつくらい増えていると思う。

さあ9表。
誰でも良いから塁に出ろ!
そしたら5番のマルテ。
この回から登板のレイビンから完璧なホームランを打つじゃありませんか!
マルちゃん! 大好き!
これぞ助っ人の仕事。
もう誰も塁に出なくても8番まで回る。あとはベンチの采配を信じるのみ。
6番梅野。フォアボール。これでチャンスで回せる可能性が出てきた!
7番高山が打席に入る。ということは、ネクストバッターズサークルに誰が出てくるかでもうその“瞬間”が来るのが分かる。
双眼鏡でダグアウトを見る。
笑顔の中谷がバットを持って出てこようとしている...いや、違う! お前じゃない! するとコーチ(誰だったか思い出せない。たぶん平野コーチ)が中谷に下がりなさいと声を掛ける。
そして、中谷と入れ替わる形で原口がダグアウトから出てきた!
もうダメ。ここで涙腺が崩壊。
せっかく持ってきて掲げるつもりだった原口タオルは涙をぬぐうのに精一杯。
3塁側スタンドは大声援。

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ここに立つために 鍛えぬいた日々よ

そのさなかで高山。6球目で三振に倒れる。も、梅野が二盗、三盗とダイヤモンドを駆け回り、同い年の帰ってきた男のために最高の舞台を用意する。
ネクストから打席に歩く原口。
そこに代打を告げるアナウンス。
割れんばかりの大歓声とスタンディングオベーション
スタンドの左右に一礼し、原口は打席に立った。

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原口のすべて 魅せろ奮わせろ

その初球。
フルスイングでファール。
昨季、幾度となくチャンスをものにしてきたファーストストライクから振っていく積極果敢な姿勢は何も変わっていない。
そして、4球目。
甘く入ったボールをレフト方向にはじき返す。
レフト菅野が追う。その菅野に「捕るなー!」と叫ぶ。
あとから観れば捕れる打球ではなかったが、そう叫ばずにはいられなかった。
フェンス直撃のタイムリーツーベース。しかも渾身のヘッドスライディングで2塁に突っ込んだ。
この目の前で起きたドラマティックな場面に、泣きじゃくる。
いい大人がワンワン泣いた。

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おかえりなさい

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復帰タイムリー記念球を手渡す矢野監督

観に来て良かった。
これ以上ない復帰戦になった。
おめでとう原口。
ありがとう原口。

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笑顔の中谷

そして、中谷には悪いが、お礼を言いたい。
ロッテ投手陣をまるで打てる気配がしなかったからこそ、代打を出すことができた。
嫌みに聞こえるかもしれないが、そうではない。一か八か打法の調子がたまたま崩れているときのタイミングだっただけだ。
この画像の中谷の笑顔。自分が不甲斐なかったから代打を出されたのに、仲間の復帰を心から喜んで声援を送っている。この明るさが彼の魅力でもある。
ライバルの登場に奮起して、またその打棒を磨いてほしい。

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ズタボロだったレイビン

そして、レイビンにもお礼を言いたい。
どこに投げてもポカスカ打たれてくれたからこそ、この感動的な復帰戦を観ることができた。
これは嫌みだ。でも他球団の選手だから遠慮しない。
この日のピッチングを見る限り、来年もいるとは思えないが、一生忘れらないピッチャーになった。

さて、このレイビンの乱調もあって9表に5点を取ったタイガース。
9裏に島本を投入。

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完璧すぎて投球写真を撮る暇さえなかった!

素晴らしいピッチングで試合を締めた。

そして、ヒーローインタビュー。
試合の流れから言えば梅野だが、スタンドからは自発的に「原口! 原口!」のコールが湧きおこる。
3分ほど待った後に、梅野と原口が出てきた。

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ビジターなのに二人!

ビジターチームのヒーローインタビューに二人出てくるのは見たことがない。
恐らくはロッテ球団の粋な計らいだろう。
鈴木大地が記念球をベンチに転がしてくれたり、ロッテ球団の心の在り方に感銘を受ける。
人間とはかくありたい。

とにもかくにも、原口は元気に帰ってきた。
これで優勝へのパズルに残されたピースは1つになった。
藤浪晋太郎
待ってるぞ!

第55戦 vs広島12回戦【2019.6.2】

マツダスタジアム
阪神 070 000 000 7
広島 000 005 000 5
本 梅野4号
○ガルシア2勝2敗 ●アドゥワ2勝2敗 Sドリス2勝1敗13S
阪神 ガルシア、守屋、藤川、ジョンソン、ドリス
広島 アドゥワ、中村恭、九里、菊池保、中崎

3連敗するわけにはいかない交流戦突入前の最後の試合。
ここで勝つか負けるかではパリーグに立ち向かっていく気持ちが大きく変わる。
しかも、前日に福留が右ふくらはぎの筋挫傷で抹消され、ベンチから先生の姿が消えてしまった。いるだけで安心する大きな存在。だが、いない時にこそちゃんと結果を出すことで福留先生も喜んでくれるはず。
その思いが2表に結実する。
梅野のホームランを皮切りに、8本のヒットを集中させ一気に7得点。
ガルシア登板時の安全水域に達した。
相手のアドゥワは当初から安定感に欠けていた。だが、1表は併殺で助けてしまい、修正する間を与えてしまった。2表に叩いておかないと逆にやられてしまう恐れもあった。そこを梅野がバシッとホームランでイケる雰囲気を作った。

ガルシアは7点あれば大丈夫。
6裏に連打を浴びて5点取られてしまったが、7点あるから大丈夫。
いまだに防御率は8.25だけれど2勝目を挙げることができた。
それもガルシアのあとを引き継いだ4人の投手が1本のヒットも許さなかったおかげ。
まだまだシーズンは続く。疲れも溜まり続けるだろうが、頑張ってほしい。君たちがタイガースの生命線。

ヤクルトが連敗を16でストップさせた。
半月以上勝てないの辛かっただろうな。選手もそうだがファンも苦しかったと思う。明日は我が身。ヤクルトファンには「良かったね」と声を掛けてあげたい。

第54戦 vs広島11回戦【2019.6.1】

マツダスタジアム
阪神 000 001 001 2
広島 000 022 30X 7
本 小窪1号 バティスタ15号 長坂1号
○ジョンソン5勝3敗 ●岩田1勝1敗
阪神 岩田、守屋、谷川
広島 ジョンソン、一岡、レグナルト、九里

昨日の試合で5月が終了。
15勝9敗1分
かなりの好成績。【反攻の5月】と勝手に銘打っていたが、まさにその通りの結果となった。
広島が馬鹿みたいに勝ち進んだので、かすんでしまうがタイガースも結構頑張った。

そんな勢いに乗っていきたい6月最初の試合は完敗。
岩田はよく頑張っていたが、5裏の小窪に打たれたソロ、ジョンソンに打たれてしまったタイムリー。これがキツかった。抑えるだろう、と思っている打者へのホームランはしんどい。小窪は実に3年ぶりのホームラン。
観ている方は得点差以上にどんよりとした気持ちになってしまった。
6裏は先頭のバティスタにいきなりホームラン。バティスタは調子が上向くと止められないので、早く調子を落としてほしい。困る。
その後もカープ打線を止められなかった。岩田が打たれる時はこんなもの。ストレートの球威が落ちてしまい、変化球のキレが悪くなる。そうすると緩急が失われるのでかわす投球ができなくなる。ゆえに打たれる。
でも、こんなことで岩田はへこたれない。09年のWBC世界制覇の一員だ。積んでいる経験値が違う。きっとこの次は修正してくれるはずだ。
7、8回は谷川が登板。しっかり追加点を献上してしまった。
まだ2年目。これを糧に強い武器を掴んでほしい。社会人出身なのでそんなに悠長なことも言ってられないだろうが、がっしりとした体格と一見穏やかそうな風貌は好きだ。頑張れ。

敗色濃厚の中、9表に長坂がプロ初本塁打
負けゲームでも、こういうめでたいことがあると明日の試合に向かう気分が変わってくる。
春キャンプでは打撃でもアピールしていたので、その成果がここで発揮されたのだろう。
すんなりとは負けない。これ大事。

第53戦 vs広島10回戦【2019.5.31】

マツダスタジアム
阪神 000 000 001 00 1
広島 000 010 000 01 2
○レグナルト4勝 ●能見1敗
阪神 西、守屋、島本、藤川、ジョンソン、能見
広島 床田、フランスア、中崎、一岡、レグナルト

西と床田。
二人とも良かった。
床田。オープン戦の時からカープの新たな戦力として期待大、という評判だった。期待外れに終われば良いなあ、と思っていたが期待通りの活躍をしている。
どうしてカープには毎年飛躍する投手が出てくるんだ。ずるい。
良いピッチャーは打てない。もうこれは仕方ない。ただでさえ打てるチームではないのだから、相手が良い時は無理。あきらめるしかない。
結局、床田は7回を散発5安打に抑えた。
一方の西も7回6安打2四球6奪三振。さすがのピッチング。だが、5裏に菊池から甘く入ったボールをセンター前に運ばれるタイムリーを浴びて1失点してしまった。
菊池、去年は打棒がふるわなかったのに今年はしっかり打てるようになっている。ちゃんと修正してくるのね。
このまま0-1で試合が終わるかと思ったが、9表に梅野が同点タイムリーで試合を終わらせない。
こういう粘りはファンの気持ちを熱くさせる。
中崎は今一つ安定感に欠ける時がある。それがこの日だったのだろう。よくそこを突いて打った。
二死から梅野につないだ高山のヒットも良かった。高めのボール球をライト前に運んだ一打は高山の天才的打撃センスの賜物だろう。

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天才・高山。

だが、この粘りも空しく11裏にサヨナラ負け。
能見は1、2塁にランナーは出したが、二死まで抑えていた。野間にも2ストライクと追い込んでいた。
が、空振りを狙ったであろうスライダーが真ん中に入り、打球はレフトへ上がり、前進守備の糸井の上を行った。
無念。
しかし、粘った。
漫然と負けるよりも、最後まで抵抗して負ける方が良い。
シーズン前に矢野監督が言っていた「良い60敗をしたい」という方針に則った戦い方であったと思う。

第52戦 vs巨人10回戦【2019.5.30】

阪神甲子園球場
巨人 020 000 000 2
阪神 300 010 100 5
本 大山9号 大城2号
○高橋遥1勝 ●ヤングマン3勝2敗 Sドリス2勝1敗12S
巨人 ヤングマン、田口、高木、鍬原
阪神 高橋遥、ジョンソン、ドリス

気持ちの良い試合だった。
これまで苦手としていたヤングマンに黒星をつけた。これがまず気持ち良し。
1裏。
制球の定まらないヤングマンを攻め立て、我らが大山が3ランで先制パンチ。
レフトポール際に上がった飛球は、大山いわく「打ち方はあまり良くなかったが、風とファンの後押しで入った」ホームラン。だが、掛布は「浜風に乗せて打つホームランの打ち方をこれで覚えていってほしい」と言っていた。そして「田淵さんもそうやって40本打った」と。大山よ、期待しているぞ。
2表に大城から思わぬ2ランを喰らったが、5裏にまたしても大山がタイムリー。
これぞ4番の仕事。えらい。
この効果的な得点を生み出したのは高橋遥の小気味の良いピッチング。
金本が絶賛したストレートが冴え、その効果で変化球が生き、7回120球4安打2四球9奪三振
去年はケガでその期待に応えられなかったが、今日のような試合が続けられればきっと前監督も喜ぶだろう。

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ヒーローインタビューが初々しくて超かわいい高橋遥

ファームでは非凡な打撃センスも披露していた高橋遥。
まだ一軍の舞台ではその片鱗すら観ることはできないが、投球で自信を付ければおのずと打席での余裕も出てくるはず。その瞬間も楽しみに待ちたい。

これで対巨人戦4連勝。だが、まだ対戦成績では2つ負け越している。
やはり巨人には勝ち越している方が気持ちが良い。
大山も「まだまだです」と言っていた。
その通り。この先、巨人戦は全部勝てー!

第51戦 vs巨人9回戦【2019.5.29】

阪神甲子園球場
巨人 101 100 010 000 4
阪神 000 020 020 004 8
本 丸8、9号 坂本勇17号 マルテ5号 髙山1号
○藤川3勝 ●桜井1勝1敗
巨人 今村、田口、沢村、中川、田原、高木、桜井、池田
阪神 青柳、島本、守屋、ドリス、ジョンソン、能見、藤川

こんな結末が用意されていようとは…

青柳は5回までに8本のヒットと2本のホームランを打たれたが、イニングごとの失点は最少でとどめた。
決して良いピッチングではなかったが、それなりに試合は作った。そこを評価してあげたい。
素晴らしかったのは6、7回を投げた島本。
育成出身の苦労人が、今季は何かを完全に掴んだのかもしれない。
この2イニングを1四球5三振。主導権を相手に握らせない見事なピッチングだった。
一方の打線は4裏に2点を返すも、なかなか巨人投手陣を打ち崩せない。
だが、8裏にマルテがやってくれた。
沢村から同点3ラン。
ここ数年、迷走起用が続く沢村はここのところの試合で中継ぎを任され何やら少し自信をつけた様子だったので、ここでバッチリと叩けたのは大きい。
そう簡単に復活させてなるものか。
この同点で、甲子園の雰囲気も上昇ムード。
その流れに乗じて、追加点! とはいかなかったが、リリーフ陣が耐えた。
ドリス、ジョンソン、能見、藤川が1安打3四球6三振で抑えた。
ここまでくれば、引き分けでも御の字。
そう思っていた。
だが、ドラマは用意されていた。
12裏。
一死満塁の大チャンスを作る。
バッター植田のところに代打髙山。ベンチに残る最後の野手。
天才的な打撃センスを持ちながら、その才能を生かしきれないもどかしい日々が続くかつてのゴールデンルーキー。
ファンはその復活を待ち望んでいた。
そして、、、
池田の投じた3球目を、ライトポール際に叩き込んだ。
代打サヨナラ満塁ホームラン。
髙山は、まだ終わっていない。ここから、また始まるのだ。
ホームベースを踏み、出迎えた矢野監督と抱き合う姿は感動的だった。
ファンの心の中に、また一つ大きな勇気が生まれた。
俺達には髙山がいる。

第50戦 vsDeNA12回戦【2019.5.26】

横浜スタジアム
阪神 140 010 100 7
ベイ 000 000 000 0
本 近本5号 マルテ4号 中谷5号 大山8号
○ガルシア1勝2敗 ●浜口2勝2敗
阪神 ガルシア
ベイ 浜口、国吉、砂田、藤岡、石田、パットン

おかえりガルシア。
この投球を我々は待っていた。
開幕当初、投げるたびに7失点してマウンドを降りていく背番号77に「君の力はこんなはずじゃない」と、その復活を心から願っていた。
そして、117球4安打1四球6奪三振の完封。
そうだ。このピッチングを見たかったのだ。
緩急を自在に使い分け、低めにコントロールし、打たせて取る。
これぞガルシア。昨季13勝したのはフロックではない。これが出来るから二桁勝てるのだ。
髪を真っ赤に染めた陽気なカリビアン。ムードーメーカーの調子が戻れば、ベンチの雰囲気もさらに良くなる。
何より、これで先発投手陣の層がグンと厚くなった。
これからのガルシアのピッチングも大いに期待したい。

7点取られるのならば、7点取ってやろうという野手陣の頑張りも嬉しい。
近本の先頭打者ホームラン。
新人の先頭打者本塁打は球団史上4人目の快挙。(78年植松、98年坪井、16年高山)
これで打線に火がついた。
2表にはマルテの2ラン、中谷のソロが飛び出す。
浜口を2回途中でKOした。気持ちよし。
5表に大山のソロ、7表に梅野のタイムリーと攻撃の手を緩めない。
すべてはガルシアを安心させるために。

投打がかみ合った勝利は次の試合にもつながる。
何より、日曜日に勝ってくれることで、月曜日を気分良く過ごすことができる。
この日、首位広島の連勝が11でストップ。
そのゲーム差は2.5。よく食らいついている。
3ゲーム差までなら、夢を見続けられる。頑張ろう。

第49戦 vsDeNA11回戦【2019.5.25】

横浜スタジアム
阪神 000 000 005 5
ベイ 000 015 000 6
本 糸井3号
○上茶谷2勝3敗 ●メッセンジャー2勝5敗 S山崎1勝1敗6S
阪神 メッセンジャー、谷川、浜地
ベイ 上茶谷、エスコバー、山崎

メッセンジャー対原信一郎球審。そういう試合だった。
メッセンジャーが投げるきわどいコースはことごとくボール判定。
原さんはひょろっと背が高く、アンパイアスクールではインストラクターではなく、ボランティア指導での参加。ミニゲームやケース判定の時には主にキャッチャー役をしていた非常に物腰の柔らかそうな人、という印象だった。
その原球審とメッセがバチバチにやりあった。
もう意地でもストライクと言わせてやろうと何度も同じコースに投げるメッセと、何度投げられてもボール判定し続ける原球審
イラつくメッセ。意地の原球審
結果、メッセンジャーは自己ワーストの9四死球で6回途中までに135球を要し、6失点してしまった。ボール自体のキレやコントロールは悪くなかったので無念の結果になった。
ストライクボール判定は審判の聖域。これは球審以外不可侵なので、ストライクと言われればストライク。ボールと言われればボール。
仕方ない。これも野球の一部。
今回は巡りあわせが良くなかった。そう思うしかない。
確かに、それも「ボールかい!」という球はあったが、彼ら審判も常に査定をされている立場。あまりにもおかしな判定をしているようであれば、来年度の契約が無くなることもある。あとはNPBの判断に委ねよう。
メッセと原審判。スタンカと円城寺のような因縁の組み合わせになって、試合の楽しみ方が増えたと思えば、悔しさもまぎれる。

9表に5点返し、ひょっとしたら感を出せたのは良かった。
もっと早く反撃しろよ、という思いはさておき、上茶谷に完封させなかったことは大きい。あのまま試合終了していたら、苦手ピッチャーという印象がチーム内に芽生えてしまう。それを阻止した。次の対戦でも怯むことなく立ち向かえる。
結果的に1点差負けという惜しい試合になった。翌日の試合への気持ちも大きく変わる。