阪神タイガース観戦記

このブログは阪神タイガースの試合を私見で振り返るものである。

第75戦 vs中日11回戦【2019.6.30】

ナゴヤドーム
阪神 000 000 000 00 0
中日 000 000 000 01 1
○福1勝 ●ドリス3勝3敗14S
阪神 高橋遥、藤川、ジョンソン、小野、岩崎、ドリス
中日 柳、ロドリゲス、R・マルティネス、福

無念のサヨナラ負け。
交流戦明け2連敗。交流戦の最終戦も負けているのでつごう3連敗。
2ヶ月ぶりの借金生活に突入することになった。
交流戦中の6連敗も耐え忍びどころだったが、今もまさに堪えどころ。
何とか踏ん張ってもらいたい。

戦い方は間違っていなかった。
ドラゴンズの先発は柳。今年の柳は自らのプロ野球人生で絶頂期にあると言っていいほど調子が良く、簡単に打ち崩せるとは思えない。
ならば、持久戦。辛抱強く戦い、一瞬のスキを突いて勝ち星をもぎ取る。その戦法こそが最良。
その作戦に高橋遥も応える。
柳に負けず劣らずの投球で6回92球2安打3四球4奪三振の無失点。
6裏にやや疲れを見せたので、7裏からは自慢のリリーフ陣で中日打線を抑える。復帰登板となったジョンソンも全く危なげなく、スコアに0を並べる。
一方の好調柳は8回を投げてマウンドを降りた。
そこから、ロドリゲス、マルティネスとつないでくる中日。この二人は打てない。あんな球の速いピッチャーが左右で出てきたらお手上げ。ここはリリーフ陣に耐え忍んでもらうしかない。
10裏まで耐えた。
小野、岩崎、守屋もよく頑張った。
11表。
中日が送り込んだのは福。柳、ロドリゲス、マルティネスに比べれば格落ち。やっと打てるかもしれない投手が出てきた。が、打てず。無死からランナーを出したのに、生かせず。まあ、これは今に始まったことではない。ここまで来たら負けなことが大事だ。
そして、11裏。
我らがドリスがマウンドに上がる。
先頭打者の平田。
初球、内角低めの直球。とても良いボールだった。が、判定ボール。
2球目、同じく内角低めの直球。これまた良いボール。が、判定ボール。
球審は橋本信治。これまで、この日の試合の同じようなコースはストライクコールしていたのに、いきなりゾーンが厳しくなった。
橋本、なぜだ。
良いボールを2球続けてボールとコールされれば、ドリスのやる気ゲージも下がっていく。平田にストレートのフォアボール。
京田に送られ、一死2塁。
大島をセカンドゴロに抑え二死3塁。
怖いビシエドをむかえるが、初球の内角がすっぽ抜けてデッドボール。
二死1、3塁。
バッター高橋周平。
2球で追い込む。3球目は決め球のフォーク。
が、ベースの手前でバウンドし、ワイルドピッチに。
梅野も必死で止めたが、ボールはファールゾーンへ転々と転がる。
その間にサードランナー平田がホームイン。
サヨナラ負け。
高橋を追い込んでいただけに悔しい幕切れ。
投手陣は頑張った。ドリスを責めるのはたやすいが、橋本球審の辛辣判定が無ければ、こんなことにはなっていなかった。
ドリスよ悔しかろう。だが、今度は橋本が同じボールをストライクと手を上げるようになるまで、ドリスは果敢に投げ続け審判への信頼度を高めていくのだ。

というわけで、6月終了。
7勝13敗2分。
ここまで
75試合35勝36敗4分
ベイと並んで同率3位。
ここからが長い正念場。
【逆襲の7月】を期待したい。

第74戦 vs中日10回戦【2019.6.29】

ナゴヤドーム
阪神 000 000 100 1
中日 050 010 000 6
○大野雄5勝5敗 ●青柳5勝5敗
阪神 青柳、島本、守屋、小野、能見
中日 大野雄、ロドリゲス、R・マルティネス

交流明け初戦。
オールスターまでの11試合を勝ち越して、少しでも貯金を増やしておきたい。その最初の試合。勝ちたい。
大切なマウンドを託されたのはチーム勝ち頭の青柳。
1裏。
三者凡退で抑えた。
上々の立ち上がり。相手の大野雄も良さそうなので投手戦の気配か、と初回が終わっただけなのに思ってしまったのがいけなかった。
2裏。
ビシエドを三振に抑えた後の高橋周平にストレートのフォアボール。昨季まで青柳の成長を阻んでいた不可解な場面でのフォアボール癖。ここで出た。
確かに今季の高橋周平はやたら調子が良く嫌なバッターだが、ここは恐れる場面でもなんでもない。嫌な予感。
そして、そういう予感はだいたい当たる。
次の井領にもフォアボール。これは点を取られる典型的なパターンだ。
次打者阿部、ライト前ヒット。
一死満塁。
迎えるは打率一割台の加藤。普通なら抑えられる。だが、青柳は自分を見失っている。
見事にライト前へ2点タイムリーを打たれる。
続く大野雄に内野安打を許す。ピッチャーにヒットを打たれる時は大概負け試合になる。2回裏にして、その覚悟をさせられるとは。
ここから平田やら大島やらにタイムリーを次々と浴びるのだが、そんなのは書いていても楽しくないので割愛する。
要は青柳が昨季までのダメな青柳に突如として変わってしまったことが敗因である。
今季はここまでチーム勝ち頭になるほど頑張っている。なので、強くは責めはしない。
悪かったのも2裏だけだ。
けれども、何も交流戦明けの初戦を任された試合にこんなピッチングをされてしまうと、この先が思いやられる。

と、敗戦を青柳だけのせいにしているかのような論調だが、もちろん大野雄を打ち崩せなかった打線も悪い。
安打数は9つで中日と同数。相変わらず、つながりを欠く攻撃を露呈していた。
どうやったらチャンスで打てるようになるのか、この15年間悩まされている問題が解決される日はあるのだろうか。

第73戦 vs西武3回戦【2019.6.23】

阪神甲子園球場
西武 010 015 000 7
阪神 100 000 110 3
○松本航3勝1敗 ●ガルシア2勝3敗
西武 松本航、マーティン、平井、ヒース、増田
阪神 ガルシア、岩崎、守屋、島本、浜地

交流戦の最後を白星で締めくくることはできなかった。
昨日に続き、マルテのタイムリーで先制したが、2表二死2塁の場面で大山が金子侑のサードゴロを悪送球。この間にランナーが返り同点に追いつかれる。
先制したすぐ後に、エラーで追いつかれるという最悪の展開。
「エラーで腹を立てるのはよそう」と昨日の試合後に誓った矢先にこの有り様。
グッと堪えたが、もう怒りよりも悲しさが湧いてくる。
大山のスローイングはそんなに悪くないと昨年から思っていたが、このところのプレーを観ていると、それは勘違いだったのだろう。
それでもガルシアは踏ん張って投げていたが、5表に勝ち越されると、6表に大量点を献上しジ・エンド。
再びの7失点でマウンドを降りた。
10安打で7点を取った西武。13安打で3点のタイガース。
矢野監督いわく「課題の多い試合やったね」
攻守で精彩を欠き、交流戦は幕を閉じた。

交流戦
6勝10敗2分 10位
という戦績となった。
交流戦前に5つあった貯金も1にまで減らした。
ソフトバンク戦までは良い感じで戦えていた。日ハムには負け越したが、感動的なサヨナラ勝ちがあった。誤算はオリックス楽天に勝てなかったこと。
楽天は首位争いをしているチームなので百歩譲って許せるが、格下だと思っていたオリックスに勝てなかったが悔やまれる。
パ・リーグが強いというよりはタイガースが弱くなっていった。そんな印象の交流戦だった。

さあ、ここからが本当の勝負。
巨人が調子づき始めている。だが、令和に入ってからは巨人に負けていない。
その前の中日、ベイ、広島の3カードを何とか勝ち越して巨人を全力で叩き潰したい。

第72戦 vs西武2回戦【2019.6.22】

阪神甲子園球場
西武 010 100 000 2
阪神 000 311 10X 6
本 中村12、13号
○岩田2勝2敗 ●本田2勝3敗
西武 本田、小石、森脇
阪神 岩田、小野、藤川、ドリス

福留が再び抹消されてしまった。
右足ふくらはぎを痛めて抹消、昇格後、今度は左足ふくらはぎ。
無意識に右をかばって左も痛める悪循環。
体調管理は完璧にしていそうなイメージがあるだけに、このニュースは少し驚いた。
福留が無理をしてしまうほどのチーム状況だということなのだろう。
投手の大黒柱が球児なら、野手の大黒柱は福留。
野球に対する厳しい姿勢を若い選手たちに示してくれている。
成績云々ではない福留の存在感。不在は地味に痛い。
次の昇格は完全に傷が癒えてからになるだろう。オールスター明けだろうか。それとも8月か。
それまで上位争いを続けていてほしい。願わくば福留の定位置を奪うくらいの活躍をする選手が出てきてほしい。

試合は強い西武に2連勝。
初回、いきなり秋山を四球で出塁させてしまい、木浪とマルテの拙いプレーからピンチが拡大したが、岩田が粘った。
もう今シーズンの守備のミスについては大らかな気持ちで向き合っていこうと思う。
イチイチ、腹を立ていたらキリがない。
粘りの岩田は大阪桐蔭の同級生である中村剛也にソロを2本浴びた以外は要所を締める投球で2ヶ月ぶりの2勝目。
打たせて取るピッチングが西武打線に出来たのだから、交流戦明けも期待していいのかもしれない。

近本が打てば得点が入る。
この2ヶ月で作り上げた攻撃の形。
4裏に近本のヒットから3点を取り試合をひっくり返した。
二盗、三盗と駆け回りチャンスを拡大させての逆転劇は実に気持ち良かった。
疲れもあるだろう。オールスターにも出場するから休むこともままならない。
だが、それを乗り越えてところに栄光がある。
一流と呼ばれた先人たちはみな、その壁を越えてきた。
今後10年、タイガースの先陣を切る選手になってもらいたい。

PJが抜けた後を小野が頑張って埋めている。
去年までの2年間を先発として過ごしてきただけに、調整も難しかろう。
しかも自らの目指すところはローテーション入りなはず。
だが、今は与えられたところで結果を出すしかない。
その中で、ここまで6試合を投げて無失点。
金本チルドレンの意地を見ている気がする。
まだ、試合数が少ないので絶対的な信頼は置けないが、球児以外の強いボールを投げられる存在は貴重だ。
その信用度が暴落するなんてことがないことを祈る。

第71戦 vs西武1回戦【2019.6.21】

阪神甲子園球場
西武 100 200 000 3
阪神 210 000 11X 5
○岩崎1勝 ●佐野1敗 Sドリス3勝2敗14S
西武 高橋光、佐野、ヒース、小川
阪神 西、岩崎、藤川、ドリス

引き分けを挟んでの6連敗がようやく止まる。
ふう。
やれやれ。

この日も西がピリッとしない。
のっけから3連打を浴び先制点を献上。
相手の拙い攻めもあって1点で済んだが、いきなり試合を決められる可能性もあった。
エース級の投球を期待しているだけにこのところのイマイチな投球は悲しい。
結果だけ見れば6回3失点でクオリティスタートを達成しているが、内容は良くない。
援護点が少ないというのはあるが、そんなことは移籍してきた時からわかっていたこと。
勝てる投手になってほしい。
ちなみにこの試合で1000奪三振を達成。おめでとう。

岩崎が今季初勝利。
インフルエンザで離脱してしまったが、離脱前と同じ状態で戻ってきた。
昨年は離脱はなかったが安定感もなかった。
今年は安定感を増し、頼れる左腕になっている。能見、島本、岩崎と安定感のあるサウスポーリリーフが3人揃っているチームはなかなか無い。
投手陣が生命線のタイガース。
シーズンはまだ半分ある。これからが踏ん張りどころ。頑張ってほしい。

糸井が4安打2打点。
破壊力は鳴りを潜めているが、率を稼ぐバッティングを維持している。
この日の試合の求心力は間違いなく糸井だった。
改めて思う。タイガースに来てくれてありがとう。

途中から守備に就いた植田がヒットを打った。
これで打率は4割。どうしちゃったんだろう。覚醒?
シーズン終わりまで維持してほしい。
植田が打った時に一番嬉しそうな顔をするのが矢野監督。その笑顔を観ているこちらも幸せな気持ちになる。
さまざまなスペシャリストになれる逸材。掛布前二軍監督もその才能を高く評価していた。頑張れ海くん。

第70戦 vs楽天3回戦【2019.6.20】

阪神甲子園球場
楽天 000 020 100 3
阪神 100 100 000 2
本 梅野7号
○石橋4勝3敗 ●高橋遥1勝2敗 S松井1勝2敗23S
楽天 石橋、高梨、青山、松井
阪神 高橋遥、小野、島本

先制して逃げ切る。
それが今季のタイガースの勝ちパターン。
それに準拠して試合を運んだが、敗戦。
6連敗。
楽天に3タテを喰らうという想定外の事態。
PJの不在が響いている。
抹消当初は18日に帰ってくるという話だったが、まだ帰ってこない。
故障一歩手前くらい疲労が溜まっているのかもしれない。
7回まで高橋遥を引っ張ったが、PJがいれば7回藤川、8回PJで勝負できていたのではないか。連敗中だ。勝ちにいく攻めの継投ができたはずだ。そうすれば、勝ち越し点を取られることもなかったのではないか。
あー、なんと無駄なタラレバであろう。現実には、PJはいないのだ。

だが、このタラレバの話を続ける。
5表の守備である。
先頭のウィーラー。
ファーストへの凡ゴロ。本当に何でもないゴロ。
これを原口がエラー。

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信じがたい。。。

次打者の辰巳。
センターへの凡フライ。本当に何でもないフライ。
これを近本が落とす。

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ウソでしょ。。。

いずれもグローブに打球は触れており言い訳のしようのないプレー。
これをプロ野球選手が立て続けにやりますか。。
しかもホームグラウンドなのに。
ファンは甲子園に高校野球を観に来ているのではない。
三千歩譲って、大病明けの原口だから、まだ新人の近本だから―
の心持ちでプレーを見直すが、やはり許しがたい。
一万歩譲っても許せない。
だって、このエラーのせいで同点に追いつかれているのだから。
高橋遥は何も悪くない。
あんなエラーをされたらどれだけ気を強く持とうとしても心は乱れる。
それにも負けない心を持てというのは酷な要求だ。

あーあ、このエラーさえなければ勝ってたのに。

いかに60敗するか。
以前にも書いたが、負け方が大事だと矢野監督は言った。
このところ、こういうミスがらみで負ける試合が多い。
勝負事なので負けることはもちろんある。だが、せめてもう少し良い負け方をしてくれまいか。

第69戦 vs楽天2回戦【2019.6.19】

阪神甲子園球場
楽天 010 120 000 5 9
阪神 310 000 000 0 4
本 大山10号 ブラッシュ19号
○森原1勝 ●守屋2勝2敗
楽天 美馬、久保、青山、ハーマン、ブセニッツ、高梨、森原、松井
阪神 青柳、岩崎、小野、藤川、ドリス、守屋、能見、浜地

延長戦の末、投手陣しのぎ切れず5連敗。
負け試合が続くのは楽しくない。
ここは、楠淳生アナと解説黒田正宏による「タイガースのピンチを別の話題で緩和させて精神を安定させる」という妙技を繰り出した放送席の様子を振り返って気分をやわらげよう。

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楠アナの特徴は、しばしば雑談を挟みながら進行していくところである。打者によっては全く実況をしないまま打席を終えることもある。まあ、テレビなので事細かに状況を伝える必要もなく、このスタンスは有りだろう。
例えば、2表のブラッシュの打席。
:黒田さん、覚えてますかね? フリオ・フランコ。大型のフリオ・フランコ
黒田:ホンマですね。構えも同じような感じで。
:ロッテに入りましたフリオ・フランコ。こういうバッティングフォームでした。あの人はバリバリのメジャーリーガーだったんですよね。
黒田:そうです。そうです。
シカゴ・ホワイトソックスフランク・トーマスという大打者がいたんですが、その人が4番で、フリオ・フランコが3番。
ここから楽天打線の厚みが増したという流れに入ったところで、ブラッシュが内角低めのストレートをレフトスタンドに運ぶ。
打球がスタンドに入るのを確信したところで「もう間違いないでしょう。風にも乗ってホームランの応酬になりました序盤の攻防です」
こんな具合である。

そして、10表。
楠アナと黒田がその妙技を見せる。
この回からマウンドに上がった守屋。
先頭のブラッシュを追い込んでからフォアボールにしてしまう。(ここでも、しつこく「大型のフランコ」というフレーズを挟む楠アナ)
続く銀次は送りバントと見せかけバスターを仕掛け、見事に成功。無死1、2塁の大チャンスを作り出す。
打席にはウィーラー。
相手が大チャンスということは、こちらは大ピンチ。
1点でも勝ち越されれば、昨日の試合で手も足も出なかった松井が登板し敗色濃厚になることは目に見えている。しかも前日の試合で同じような急場をしのげなかった守屋がマウンドにいる。ダメだ。まともな精神状況ではいられない。
ここで楠アナ、別の話題作戦発動。
:ちなみにベースボールが今日、6月19日、1846年、初めてプロのベースボールが行われた日。アレクサンダー・カートライトというね、ベースボールの父が。
黒田:すごいですね。
:当初はフォアボールではなくセブンボールまでいったりとかね。
黒田:ほぅ
:最初はこの辺に投げてください、とかリクエストもできたらしいですね。
黒田:(笑いながら)はは、そうですか
・守屋、1球目を外角低めに決めてストライク
:ホーボーケン。ニューヨーク近郊で行われました。ニッカポッカーズがホームチームでした。(少し間をおいて)もうある意味このアウトローも含めて守屋は居直らないといけませんね。
黒田:今のは良いボールですけどね。
(少し間が空き)
:色々とルール変更。タッチアップが採用されたり、インフィールドフライが採用されたり、一回投げたピッチャーは戻れないとか、そういうのも整備されていったわけです。
黒田:そうでしょうね。
:長い長い歴史です。
・守屋、2球目は変化球が外角低めにバウンドしてボール
(間が空き)
:接戦になっています。ベースボールが生まれて180年近辺。二つのリーグが分かれているのも、日本はアメリカをフォローしています。そしてDH制もパ・リーグが採用。プレーオフもあります。このクロスゲーム、雌雄を決するのは一本のタイムリー。1800年代と同じです。
・守屋、3球目は内角高めのストレートが外れてボール
(間が空き)
:ウィーラーは何か考えている節がありますか?
黒田:いやぁ、やっぱりあのストライクゾーンという感じで待ってるんじゃないですかね。
:シンプルに考えてますね。
黒田:はい
:流そうとか、右方向とかないですね。
黒田:あー、それはないと思いますね。
・守屋、4球目はストレートが外高めに浮いてボール
:昨日の守屋を知っているだけに、本当に今日のこの守屋の苦悩が分かりますね。
黒田:本当に打たれたらダメって感じでね。
:一人目の入りが慎重すぎて
黒田:(食い気味に)こうやってランナーためるとね、やっぱり大量点になりますからね。
:はい。延長10回の表。(やや間)昨日も寝付けなかった可能性がありますよね。
黒田:そう思いますよ。特に地元だっただけにね。
:ですね。
・守屋、5球目は内角高めのストレートが外れてフォアボール
:フォアボールです!
ここで矢野監督がベンチを出てピッチャー交代を告げる。
突如始まった野球の歴史を強引に目の前の試合に組み込ませつつ、心を穏やかにしようとしたが、その思いはマウンドの守屋には届かず大ピンチは無死満塁という超大ピンチに進化してしまった。

結果、ここから後を継いだ能見がこらえきれずに5失点という絶望的なスコアを刻まれ試合は終わる。
ピンチの最中、「三振が欲しいね」「ゲッツーが欲しいね」と視聴者の思いを代弁し続けてくれた黒田。その儚い夢はことごとく打ち破られるのだが、口にしちゃうところが良い。
現役時代はタイガースのユニフォームに袖を通すことはなかったのだが、コーチとしてタイガースに入り、さらにはフロントに入り、徐々にタイガース色を強めていく。極めつけは2014年。クライマックスシリーズ突破での日本シリーズ進出時に和田監督の参謀としてベンチにいたことはファンの記憶に新しい。
それにしても無茶苦茶タイガースファン目線の解説をしてくれる。姫路出身だから元々、大の阪神ファンだったのだろう。
これからも視聴者目線の相槌解説を我々に届けてほしい。

第68戦 vs楽天1回戦【2019.6.18】

倉敷マスカットスタジアム
楽天 010 020 020 5
阪神 101 100 000 3
本 近本6号 ウィーラー13号
○ハーマン4勝2敗 ●守屋2勝1敗 S松井1勝2敗22S
楽天 塩見、青山、ハーマン、ブセニッツ、松井
阪神 メッセンジャー、守屋、島本、能見

引き分けを挟んで4連敗となった。
ここが交流戦のこらえどころ。なんとか踏ん張って交流戦を5割で終えたい。
その為にはこれからの5連戦を4勝1敗で終えなくてはならない。
うーむ。厳しい数字だな。。頑張ろう。。。

先発のメッセンジャー。悪くはなかったが、イニングごとに安定感が変わる。
まだ、本来の盤石のピッチングが取り戻せていないように感じる。
2表の失点は北條の悪送球が最低だったが、元はと言えば先頭のブラッシュを四球で歩かせたことが起因している。

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北條ヘッポコ、木浪疲れた、となれば鳥谷の出番か?

5表にウィーラーに浴びた2ランも痛恨だった。
一発病は元々持病に近いものがあるが、今季は特に多い。
ウィーラーは通算100本目の記念弾だった。ハクション大魔王やミスターポテドヘッドに似ている風貌で話題先行のキャラ物助っ人だと思っていたが、もう5年目でしっかりチームに貢献している。楽天球団史に残る優良助っ人だろう。

8表に守屋&島本が2点を勝ち越されてしまいジ・エンド。
守屋はいきなり2連打されたのがキツかった。
一死2、3塁でウィーラーを迎え、ライトファールフライが犠牲フライとなり勝ち越された。ラインギリギリのところに飛んだフライ。ベンチの指示は「ファールなら捕るな」だったらしいが、際どい当たりがゆえに糸井はキャッチした。まあ、難しい判断だったのだろう。仕方ない。
ここで踏みとどまれれば良かったが、替わった島本が辰巳にタイムリーを浴びて2点差をつけられてしまった。
島本は続く山下に頭部死球で危険球退場。
ちなみにこの日はファームでも齋藤がカープの中村奨に頭部死球しており、上でも下でも危険球退場を出すという珍しい日になってしまった。

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疲労骨折明け初戦の中村奨に当ててしまった齋藤…

流れは完全に楽天に傾き、8裏は防御率0点台のブセニッツ、9裏は松井に三者三振でゲームセット。
フォアボールからエラーで失点をする。こういう野球ではなかなか勝ちはついてこない。打てるチームではないので、守り勝つ野球をしていかなければならないのだが、失策数はリーグダントツトップ。高代、久慈、平田と守備の名手たちが教えてきているはずなのに、なぜ実を結ばないのだろう。不思議。

一方で良いこともあった。
近本が23打席ぶりにヒット。しかもホームラン。
週初めに気持ちを切り替えられる当たりが出たのは喜ばしい。
近本が出れば球場の雰囲気が変わる。
明日からは甲子園。本拠地の空気がさらに近本を後押ししてくれることを願う。

第67戦 vsオリックス3回戦【2019.6.16】

京セラドーム大阪
阪神 000 000 302 000 5
オリ 000 140 000 000 5
阪神 ガルシア、小野、島本、守屋、能見、ドリス、藤川、浜地
オリ 田嶋、ディクソン、海田、増井、近藤、山崎福、比嘉

オリックスに3連敗を喰らう。
ここまでパの球団とそれなりに戦えてきただけに、そんな想定外の悪夢を覚悟したが、土俵際でこらえた。

ガルシアは悪くなかった。
直球も変化球も低めに集まっていたし、ランナーこそ出していたが試合を作っていた。
それだけに3裏に二死から大城なんぞに打たれたタイムリーは痛かった。本人も悔しかろう。
4裏の4失点は95%北條史也のエラーに責任を負わせていい。
二死1、3塁で吉田正に初球を狙い打たれたのは、昨日までの傾向を考えれば防げた気もするが、この失点はまだ許せる。
なおも1、2塁でロメロ。何でもないショートゴロ。北條はこれをエラー。多少強い当たりではあったが、正面の打球。言い訳のしようのないプレーだった。
3アウトチェンジから一転、満塁になり、更なる追加点を許した。後続を抑えられなかったガルシアにも責任はあるが、「あのエラーが無ければ」の思いは拭えない。
出番のない日もベンチでは大きな声を出し続け、ムードメーカーとしても一生懸命頑張っている姿を見てはいるが、肝心のプレーでこのミスはいただけない。
思えば4月の巨人戦でも1イニングで2失策し、その試合以降スタメンを外されている。厳しいことを言うようだが、その反省が生かされていない。
昨季こそバッティングで貢献したが、今季は奮わない。そうなれば、一つ一つのプレーの堅実さが首脳陣の信頼を勝ち取る唯一の道だが、それすらできないのであれば一軍ベンチに居場所はなくなる。
ここで提案だが、疲れの見えている木浪、攻守に奮わない北條に代わって鳥谷をスタメン起用することを選択肢に加えてもらいたい。今まで連続出場してきた鳥谷に代打はタイプ的に合わないのではないか。4打席立ってこそ結果の出る選手だと思うのだが。

試合は何とか引き分けで粘った。
田嶋に6回までノーヒットピッチングされたことを考えれば、上出来だろう。
7表に3点返せたことで、流れが傾いた。
9表。
二死1、2塁からセンターフェンス直撃の同点タイムリーを放った代打福留に最大級の賛辞を贈りたい。
その後はリリーフ陣が頑張った。特に11裏の球児はピンチを招きながらも、小島相手に抜群の内角ストレートを投げ込み窮地を切り抜けた。
いまだ衰え知らずの球威、ここ一番のコントロールに脱帽。

オリックスに勝てないという結末は考えていなかったので、かなりショッキングな3連戦だった。
明後日からはなぜか好調を維持し続けている楽天
勝ち越してほしい。

第66戦 vsオリックス2回戦【2019.6.15】

京セラドーム大阪
阪神 000 101 000 2
オリ 100 000 002 3
○エップラー2勝2敗 ●ドリス3勝2敗13S
阪神 岩田、守屋、能見、島本、藤川、ドリス
オリ 山岡、エップラー

サヨナラ負けでオリックスに連敗。正直、オリックスの戦力を下に見ているので、この連敗は精神的に良くない。しかも、いずれも終盤での逆転負け。
この憤懣やるかたない気持ちをどう処理してくれよう。
だが一方で、負けるべくして負けた展開でもあり、仕方ないという冷めた自分もいる。

9裏。
1点差を守るべく我らが守護神ドリスがマウンドに上がったが、先頭の代打小島にど真ん中のストレートをライト前に運ばれた。
小島脩平。オリックスで万年パッとしない選手。これに打たれた。この時点でかなり嫌な予感。
ソフトバンク戦では無死3塁から奇跡的な投球でしのいだが、そんなこと続くわけない。
それを確信させたのが、次打者の福田。送りバント処理をドリスは1塁へ悪送球。
無死1、3塁。
自分から処理しに行っての悪送球なので目も当てられない。
同点はおろかサヨナラのランナーを差し出すことになった。
続く小田こそサードゴロに打ち取ったが、ここからは3、4番。
3番吉田正。初球を狙いすましたかのようにセンター前へ運び同点。
4番ロメロ。2球目をレフトへ高々とフライを打ち上げ、サヨナラ犠牲フライ。
終戦
バント処理さえ誤っていなければ、おそらく同点止まりだっただろう。
まあ、こんなことを言っても仕方ない。
こんな場面は去年たくさん観たじゃないか。
今季はここまでたまたま盤石のリリーフ陣だっただけ。
こんなものなのだ。多くを期待してはいけない。
オリックスに連敗する程度のチームなのだ。
ちょっと強くなったと思っていた自分を厳しく戒めたい。

疲れのせいなのか、まったくヒットを打てなくなった近本の状態も気にかかるが、それは新人選手が必ずぶつかる壁。乗り越えてもらうしかない。
我慢。
と、ここまで書いてネット記事を見やると、矢野監督が大山の走塁に激怒したとのこと。
矢野監督「論外…」流れ暗転招いた大山の走塁に苦言 - プロ野球 : 日刊スポーツ
確かに、なんでスライディングしなかったんだろう、とは観ていて思った。
桧山の見解も載せておこう。
阪神大山“走塁ミス”は意識で防げる/桧山進次郎 - 評論家コラム - 野球コラム : 日刊スポーツ

二人ともドリスの悪送球に寛容なのが謎だが、要は積極的なミスは責めないということなのだろう。
来日当初からの悪癖を改善できていないのはいかがなものかとも思うが…

さ、明日はガルシア。
どうせ7点取られる、そのくらいの気持ちで観ていれば、よほどのことがあってもショックは受けない。