阪神タイガース観戦記

このブログは阪神タイガースの試合を私見で振り返るものである。

第6戦 vsヤクルト1回戦【2023.4.7】

阪神甲子園球場
ヤク 000 000 120 3
阪神 100 000 000 0
本 オスナ3号 山田2号
○石山2勝 ●浜地1勝1敗 S田口4S
ヤク 小川、石山、清水、田口
阪神 浜地、青柳、ビーズリー


始球式は阪神タイガースWomenの森若菜投手だった。
ストライク投球に球場は沸いたが、女子野球界でも屈指の実力派速球投手である。当然と言えば当然のピッチングだ。今季もWomenには頑張ってもらいたい。

そして、本日の試合。

なんか決めに行く時、高いやろ、ボールなあ。投げた瞬間に高いもんなあ。まあちょっとこれは考えなあかんなあ、今のままじゃちょっとしんどいかも分からん。

浜地が山田に被弾したことを受けてのコメントだが、高めの球を叩かれたこともさることながら、山田の前の宮本をストレートの四球で歩かせたことが致命的だった。
一体、何を警戒したのか。勝ちパターンを任せたい投手が不用意な四球を出し、続く打者への決め球が高いとなると、浜地は彰布殿の言う通り、しんどい。
まだ結論を下すには早いが、これからの浜地の登板する場面は要チェックだ。

★ピックアップ
・シェルドン.ノイジー
6回コールドだった4/6以外は全試合でヒットを放ち、この試合でもシフトを敷いてガラ空きだった1,2塁間に打球を飛ばし出塁。9裏に盛り上がる甲子園を演出した。
ヒットすら打てない助っ人が多い昨今、この堅実さは嬉しい。
守備でも初回に村上の高々と上がった飛球を一度は見失いながらも見事キャッチ。薄暮&雨でホントに見づらかった。よく捕った。えらい。


《試合メモ》
熊谷、昇格。これで植田島田との快足三人衆が揃った。
(特例2023により昇格)
・1表。ノイジー、村上の飛球をナイスキャッチ。
・1裏。近本、ラッキースリーベース
・続く中野がきっちりセンターへ犠牲フライで先制。さすが日本代表。
・雨中断中に「雨に濡れても」が流れる🎵おしゃれ。そういうの好き。
・5表。二死1,2塁。サンタナに蹴られた足が痛いであろう大山が丸山の当たりを逆シングルでナイスキャッチ。ピンチをしのぐ。えらい。
・先発の青柳。7回112球4安打2四球5奪三振1失点。責められない。良い投球だった。
・7裏。足が痛いであろう4番大山がセンター前ヒット。大山が打つと嬉しい◎
・9表。ビーズリー、無失点ピッチ。ヒヤヒヤだったけど、初登板だからね。次は盤石なはず。

《ちょっと反省》
渡辺諒、降格。開幕シリーズで2度の代打出場だったけど、いずれも三振だったからな。破壊王子の復活を待つ。
(喉の痛みと発熱を訴え、特例2023により降格)
・5表。サンタナのショートゴロを小幡ファンブル。雨だから仕方ないけどね。
・で、1塁に駆け抜けたサンタナの左足が大山の右足と接触。蹴られるような形になり、大山はしばらく立ち上がれなかった。大山の右足はベースの端にあるわけで、そこにサンタナの左足が当たるのはサンタナが内側を走りすぎているからだ。幸い大山は試合に出続けたが、あんなプレーで怪我されたらたまったもんじゃない。サンタナに走り方を教えてやってくれ。
・8表。浜地が山田に2ラン被弾。痛恨。

●指揮官コメント全文

-青柳はいい投球をしていただけに、七回のオスナの本塁打が悔やまれる。
おーう。あの回なあ。初球なあ。そうなんやけどなあ。まあ、後のことを考えたらなあ。1点勝っててもどうかなあ、というのがアレやもんなあ

-打線も初回先制の後、追加点を奪いたかったところだが。
「いやいや、だから、広島のところからみんながピタッと止まってしもたもんな」

-雨で練習が難しい部分があった。
「それは関係ないやろ、雨は」

-小川にやられた。
「あれ、よかったんちゃう、小川な。初戦も0点で抑えとったしな。オープン戦で当たってたけど、オープン戦以上に良かったよな。コントロールがええな」

-佐藤輝は惜しい当たりがあった。
「いや、惜しいって、みんな先っぽばっかりやもんな。芯で捉えとったらアレやけど、みんな先やもんな」

-練習中も佐藤輝を見ていたが、ちょっとタイミングが合っていない?
「今日はあんまええことなかったで(笑)」

-勝ち越し弾を浴びた浜地は。
「もうだからこないだもそうやったけど、なんか決めに行く時、高いやろ、ボールなあ。投げた瞬間に高いもんなあ。まあちょっとこれは考えなあかんなあ、今のままじゃちょっとしんどいかも分からん。まあなあ、去年あれだけ頑張ったからなあ、そういう形でなあ、開幕から使うてたけど、ずーっと悪いもんなあ。まあ、これ、2日空いたからなあ、ちょっとはなあ、切り替えてやるかなあと思たけど、初戦もなあ」

-やり返す場面だった。
「前回もなあ、同点にされてるいうのもあるけどなあ、ぉん」

-あの辺りのの投手起用は。
「そうやな。だから後ろは決まらへんよ。そんなんな。カチッと決まらへんよ。まだそんな状態やんか。ずっと見とっても後ろは良くないよな。ホント良くない」

-守備では小幡がエラー。
「エラーぐらい出るよ。お前。山田のトンネルよりマシやろ(笑い)。そんなん、何を言ってるの」

-甲子園開幕戦で打線は見どころがなかった。
「ちょっとな。打つ方がなあ。広島の時はチャンスは作ったけど、一本出なかったけど、今日はホント、チャンスもな、そんな作れんかったしな」

-ヤクルトの印象は。
「いやいや、ピッチャーいいよなあ。開幕からずっとなあ、スコアラーとかのアレも見てたけど。0点台やろ。先発もな、後ろは去年からそろってたけど、先発もいいよなあ」

-警戒すべき相手。
「そらそうや。だって2年続けて優勝してるチームやん。まだ始まったばかりで今日が初対決やったけど、ちょっとな、打つ方が頑張らんとな」

 

第5戦 vs広島2回戦【2023.4.6】

マツダスタジアム
阪神 000 000 0
広島 100 20   4
※6回表途中、降雨コールド
本 デビッドソン2号
○遠藤1勝 ●西純1敗
阪神 西純
広島 遠藤

前日(4/5)は雨天中止。

●前日(4/5)の指揮官コメント全文

(練習前に自ら切り出し)
「新井が『試合やります』言うとったなあ。さっき、会うたんや」

(取材を受けていた広島・赤松コーチに)
「(試合)やるんやろ?」

マツダの前のベンチはぬれる。
「ぬれるなあ。何で俺がぬれなあかんねん、お前ら、中(記者席)で見てんのに」

(試合中止発表後)
ーコンデイションがいい時にやった方がいいと言っていたが
「まあなあ、どっちみち、せなアカンけどな」

ー6日は西純
「明日は西、西」

ー大竹は次のカード
「大竹は土曜日行くわ(8日のヤクルト戦=甲子園)。また村上がアカンようなってもうたな(笑い)」

ー雨天中止を受け、6日から中継ぎは積極的に使える
「みんなそら、使えるしな。ぉん。大竹も絶好調やな。今、ブルペン。余計楽なったかな、雨降って。絶好調やな」

ーだからこそ良い天候の日に
「まあ、カード変わるけどな。甲子園の方がエエんちゃう?    初めてなんやからな」

ー村上は先発のまま
「また中にちょっと入れる。まだ分からへんけどな、明日な。(中継ぎから)1人外さなアカンからな、人数的にな。どっちみち。これでまたちょっと先発が空くとこ、なくなったからなあ、ぉん」

ー6日は勝って本拠地開幕戦を迎えたい
「エエ天気でなあ。分からんやろ、まだそんなん(笑い)」

ー連勝中は先発投手にプレッシャーがかかるのでは
「いやいや、それはないやろ。みんな初登板やからな。勝ってるプレッシャーより初戦の不安があるかもわからんけどな。初めての登板やからな。今年な。まあ、そっちの方が大きいんちゃうか。まあ、でもなあ、流れ的に、ある程度打つ方が点取ってくれるから、そういう意味ではな。ぉん。気分的にはだいぶ違うと思うけどな。先発がな」

鳴尾浜で伊藤将、岩貞がシート打撃(伊藤将は7打席の対戦で3三振、安打性ゼロ、岩貞は5打席で安打性1)
「おう、やった言うとったな」

ー焦る必要ない
「そらまだや。もう一回試合投げてからや。今度アレやんか、鳴尾浜に帰ってくるやろ、由宇からな。その時に一回投げてからやで、そんな慌てるというか、投げるとこもないやんか。それは徐々にな、これから調子悪いピッチャーも出てくるから。シーズン1年間続いたら、いつまでもみんながエエことはないからな、長いシーズン見たらな。上げる時はある程度万全で上げたいよな。中途半端で上げるんじゃなしに」

よく喋るなぁ。

そして、この日の試合。
これまた雨。
降りが強くなったり弱くなったり。

やっぱりええ天気でやりたかったよなあ、そうやん昨日もそうやけど。まあしゃーないわな

雨の中でのスポーツはプレイする選手も観る方もツラい。
マツダスタジアムのベンチはグラウンド側には屋根が無いので、試合をしっかり見ようとすると、みんな濡れる。岡田監督も選手もずぶ濡れ。なんでこんな構造にしたんだろう。今さらだけど。
岡田監督は65歳。高齢者である。雨に濡れ続けている姿を観ると心配になってしまう。

★ピックアップ
・小幡竜平
強風の中でのフライキャッチは良かった。打席での内容も昨年より向上しているようにみえる。伸び悩む選手が多い根尾世代で頭一つ抜ける存在になれるかもしれない。

《試合メモ》
・1表。中野ヒット。なんか去年より顔つきが良くなった気がする。
・1裏。一死1塁。4番マクブルームの大飛球をライト森下がナイスキャッチ。雨、風の中でしっかり捕った。えらい。
・続く西川のセンターへの飛球をショート小幡がナイスキャッチ。雨、強風の中で何とか捕った。えらい。
・2表。8番小幡が14打席ぶりにヒット。9番の強打者西純矢に回す。えらい。西純矢は三振に終わったけど、楽しめたから良し。
・2裏。無死2塁で7番田中のライトへ抜けようかという打球をセカンド中野が好捕。さすが日本代表。
・3表。7番梅野がレフトフェンス直撃のヒット。あとちょっとでホームランだった。これが入ってれば試合もだいぶ違ってたのにな。残念。

《ちょっと反省》
・1裏。西純矢、先制許す。どう立て直すかと思って観ていたが、あまり修正できなかったね。
・2表。小幡が2塁へ盗塁を試みるも、アウト。リクエストも覆らず。ショート田中の空タッチに見えたけどな。無念。
・4裏。西純矢、6番デビッドソンに2ラン被弾。甘々変化球だった。痛恨の失投。
・雨模様の試合は先手を取るのが定石。それが出来ず残塁を重ねてしまった。負けて当然の試合ではある。

●指揮官コメント全文

悪天候のなかで
「ええ? ホンマ…」

-西純は球が高かった
「この間と一緒やったな。東京ドームとなぁ」

-ストライクとボールがはっきりする
「まぁあの初球もそうやろ。スライダーなぁ。あのホームランが痛いよな、ほんま」

-打線はチャンスは作った
「やっぱり、うんまぁ、きょうは一本も出んかったからな。まぁ、雨は分かってたからはよなぁ、一本出とったら、だいぶちごたかも分からんけど。まぁ、しゃあないのう、これなぁ。こっからやったけどなぁ。もう球数からいってな、そろそろなあ、向こうもリリーフ来そうな感じやったからなあ」

-守備はいいプレーもあった
「守備はな、芝も濡れてるし、まあ一つ一つ言うたんやけどな、試合前は。だから、うーん、まあ一本でとったらないう感じやけどな、まあしゃあないけどな」

-小幡の走塁、前に行こうという意識は。
「ぉん、まあそれは全然あれや、あれをいくないうたらおかしなる」

-中継ぎを使わず、ダメージは少ない
「ダメージそら負ける時もあるからそんなんダメージとかそういうのじゃないしにな、おーん、やっぱりもうちょっとなんとかなりそうな感じやったからな序盤でな、でとけばな、ぉん」

-今までは四死球が点に絡んでいたが。
「まあ点絡むいうか、なあ、いいところでヒット出とったからなあ、タイムリーがなあ。今日はちょっとタイミングずらされとったよな、紙一重のな、外野フライとかな」

-明日甲子園で。
「まあ、そうよ。別に全部勝てるわけないんやから、やっぱりええ天気でやりたかったよなあ、そうやん昨日もそうやけど。まあしゃーないわな

 

第4戦 vs広島1回戦【2023.4.4】

マツダスタジアム
阪神 010 120 001 5
広島 001 000 210 4
本 坂倉1号
○浜地1勝 ●栗林1敗 S湯浅2S
阪神 西勇、石井、浜地、湯浅
広島 九里、島内、ケムナ、アドゥワ、栗林

●前日(4/3)の指揮官コメント全文

新神戸駅で)
-開幕前は近本、大山を心配していたが。
「いやいや、まあシーズンなあ。レギュラーでもう決まってるやつはある程度合わすやんか。やっぱりな」

-小幡が打席で粘っている。
「小幡なあ、シーズンなったらえらいしつこなったな」

マツダスタジアムで)
-ナイター練習は広島で試合をやっていなかったから。
「そやなあ。ちょっと寒いなあ。ひんやりはするわなあ。4月はな」

-特にマツダ薄暮は見づらい。
「6時40分くらいやったかなあ。あの時間は見づらいよなあ。ナイターになったら大丈夫だと思うけど」

-広島には試合終盤にやられる展開が多かった。
「(去年)もう試合決まったと思ったらタクシーで同点になったっていうあれやな。3試合連続ぐらいあったやろ。そうや、九回裏で出とったら『同点や』ってタクシーの中のラジオで。あったよ、そういえば」

カープも盛り上がって、終盤になると独特の雰囲気になる。
「それは知らんけど」

-新井監督の野球は楽しみか。
「いやいや、楽しみって別に試合になったら楽しみとかないよ、もう」

試合のない日でもコメントが載るからタイガースの監督というのはすごい。

で、この日は昨年参加した作品の試写会だった。
出来れば試合と重なる時間帯にこういう行事を入れてほしくないのだが、仕方ない。
なかなか良い映画だった。
ちなみに監督の岸善幸さんはヤクルトファンだ。
監督が野球好きだと、私は仕事がしやすい。

そんなことはどうでもよくて。

いやいやもう最初から石井やったよ。あのだから西がホームランじゃなしにつながっても次は石井いく予定やったから。それはもうすぐいけたよ

石井大智がここまでの信頼を掴めているのが嬉しいではないか。
チーム最年長投手の西勇輝が被弾して1点差に迫られた後の3つのアウトを取らなければいけない。ビジターチームにとって、マツダスタジアムはアウェー感の強い球場だ。
そんな押せ押せの雰囲気を断ち切る投球が求められる。精神力の強さが必要だ。それを石井は体得していたのだ。いつの間にか頼もしくなった。それが嬉しい。

★ピックアップ
・森下翔太
3打数2安打2打点。チャンスで結果を出すのがえらい。凡退の打席でもバットの芯を捉え打球もあり、プロのボールにきちんと対応できているように見える。
この勝負強さがあると、5番サトテルの気持ちが軽くなりリラックスして打席に入れると思うのだ。新人にして、この影響力の高さ。素晴らしい。

《試合メモ》
ジェフリー・マルテメキシカンリーグのデュランゴ・ジェネラルズと契約したとの報。がんばれ。
カープの本拠地開幕戦で始球式に地元広島の女子中学野球の選手を起用したのはえらい。くだらんアイドルがキャピキャピ投げたり、番宣絡みの俳優がふんわり放ったりするやつの1000倍良い。
・1裏。先頭の菊池のセンターへ抜けようかという当たりをショート小幡がよく追い付いてファーストへ送球。かなり際どいタイミングだったが、アウトにした! カープはリクエスト要求も覆ることなく、そのままアウト。リプレイ映像はセーフに見えなくもなかったので、この1アウトは大きかった。ナイス小幡。
・2表。無死1、3塁で6番森下がレフトへ先制となる犠牲フライ。フォアボール2つ&暴投というもらったチャンスをしっかりともぎ取れるのがえらい。さすがドラ1。
・4表。一死1、2塁で6番森下が左中間へあとわずかでホームランというフェンス直撃の勝ち越しタイムリーツーベース! さすがドラ1。
・地味にチャンスメイクしている3番ノイジーもえらい。
・5表。先頭の近本フォアボール、中野内野安打&悪送球で無死2、3塁にすると、3番ノイジーが三遊間を割るレフト前タイムリー。地味だけどえらい。
・1、3塁となって、4番大山がレフトへ犠牲フライ。全てのチャンスをモノにする男。それが大山。
・7裏。西勇輝の後を受けた石井が無失点ピッチ。
・9表。二死2塁で4番大山が栗林から左中間を割る勝ち越しタイムリーを放つ! カッコいい。これが俺たちの4番。大山が打つと嬉しい◎
・9裏。湯浅、無失点ピッチで2セーブ目。一死1塁というピンチを招いたが1塁ランナー大盛の盗塁死(実質、牽制死)に助けられた。この牽制技術。さすが日本代表。

《ちょっと反省》
・2表。先制後に1塁ランナーサトテルが牽制死。九里も上手だったけど、油断したね。気を付けよう。
・3裏。西勇輝、二死走者無しから菊池内野安打、野間ツーベースで同点にされちゃったのは反省だね。
・7裏。先頭のデビッドソンのサードゴロをサトテルが後逸。まあ、イレギュラーしてたしね。あの打球を捕れるように頑張ろう。
・この後の坂倉に2ランを浴びちゃうのが西勇輝だよね。とはいえ、6.0回3失点なら上出来。
・8裏。浜地が先頭の秋山にヒットを打たれちゃう。それがデビッドソンの同点犠牲フライにつながる。先頭打者は抑えたかったね。ただ、追い付かれて、なお二死3塁で坂倉というハラハラドキドキの場面を三邪飛で抑えたのはえらい。 

●指揮官コメント全文

(開口一番)
「しんどいなぁ~(笑)」

-大山は内容的にも良かった。
「そうよなぁ。4番に置いてるわけやからな。一番、ええとこで打ってくれたら。簡単にはいかんと思ってたから」

-森下がいい働きを見せた。
「森下が一番、タイミングあっとったな~」

-初回に小幡が好守備。
「うん。そうよな。(話が急に変わり)きょうはあんまりヒットでんかったけど、1点、1点とうまく取っていたけどな。広島も負けてて本拠地帰ってやから、そうすんなりとは行くと思わんかったけどな。あと1、2点あれば違ったんやろうけど。そらお前、向こうものう、3連敗できてるから。そらな、本拠地で初戦で勝ついうかな。だからお前、去年、ここで何回そんなこと(逆転サヨナラ負け)あったか。勝ったと思ったら追いつかれて延長入りましたとか。久しぶりに解説できたときにそんなんあってな。(また悪夢が)よぎったよ(笑)。ハッキリ言うてな」

-いろんな展開で勝ちきってる。
「そうやな。同点なったけど、浜地もな。西のホームランももったいなかったけどな。次いこうと思ったけどな、あの出たらな、まあでもホームランはなあ、ちょっとあれは痛かったけど、浜地にしてものお、あのやっぱり追い越されんかったのはな、なんとかなるというか、その後すぐ1点取り返したから、まあまだ、落ち着いては野球できへんよ、はっきり言うてそやで。そら明日も向こうも必死でくると思うしな」

-4番が打って連勝が伸びるのは。
「それは大きい大きい、おーん。まあな、四球がうまいこと絡んでな、ほんまそうよ。ヒットの割にはやっぱりチャンス、四球でチャンスつかめるしな」

-7回・石井、8回・浜地。勝ちパターンは試合をやりながらと言っていたが。
いやいやもう最初から石井やったよ。あのだから西がホームランじゃなしにつながっても次は石井いく予定やったから。それはもうすぐいけたよ

-新井監督との対戦は意識なしか?
「いやいやそれは新井よりも、球場意識するよな。ここはな。そういう意味ではな。やっぱり後半なって、接戦、シーソーゲームなったら嫌なイメージというかな。選手も去年も持っているかも分からんしな。こっちはもう。俺は去年知らんから。どっしり座っとるだけやけど。同点まではOKやと思っていたけどな」

-08年以来の開幕4連勝。
「ああそう。まあ一つずつや。まだな。始まってあれ(4試合)やから。ひと周りあたるぐらいまではこんなんちゃうか。うっしゃ、ういういういういうい」

 

第3戦 vsDeNA3回戦【2023.4.2】

京セラドーム大阪
ベイ 000 000 200 2
阪神 003 100 02x 6
本 原口1号
○才木1勝 ●笠原1敗
ベイ 笠原、上茶谷、石川、三嶋、エスコバー
阪神 才木、岩崎、K.ケラー、石井

思い出した。
人情采配だ。
15年前、兄と岡田監督の采配ぶりをそう評していた。
月日が経っても、それは変わっていなかった。それどころか人情味は増している気がする。
前日の試合で一死2、3塁という絶好機でエスコバーを相手にサードファールフライに倒れた原口。8裏だった。外野フライでも、ボテボテの内野ゴロでも決勝点だった。それなのに何も生み出さない三邪飛。悔しかったことだろう。

昨日の件があるからこれ行くでと言うとったんやけどな、昨日もあれ紙一重よ。三塁のファウルフライなったけどな、二、三塁で。そう言う意味ではいいお返しができる場面なったし、原口にしてもな

挽回のチャンスが訪れれば即起用する。
再びの8裏。前日のファールフライを「紙一重」と見切り、再度エスコバーに相まみえさせた。しかも、島田の打席中にランナーが2塁に進んだところでの代打だ。原口はカウント0ボール1ストライクでの起用を意気に感じたことだろう。カウント途中での代打はそれほど多くみられるものではない。岡田監督の勝負手だった。

前々日の試合で2失点し、その翌日はブルペン勢で唯一登板の無かったK・ケラー。冗談交じりではあろうが、岡田監督は「昨日、点を取られたやつは、使わないでおこうと思ってたんで」と口にした。ケラーには忸怩たる思いがあったことだろう。

ケラーにしてもね、昨日投げさせなかったから、鬱憤(うっぷん)晴らしで投げろっていうたけど、いいピッチングしたね

岡田監督は気にしていた。前々日に打たれたことを。そして、恐らくは去年の開幕シリーズで滅多打ちにされたことを。
全てを払拭してこい! そんな起用にみえた。
春季キャンプでは日本人投手と同じようにブルペンで投げ込んだ。スロー調整に苦言を呈されたB・ケラーやビーズリーとは真剣度が違った。「日本で成功する!」その思いが行動に表れていた。その姿を岡田監督が知らないはずがない。

二人とも見事に結果で応えた。

★ピックアップ
・才木浩人
前日の岡田監督の「9回まで投げろ」指令に応えようとテンポよくバシバシ投げて、6.1回107球4安打1四球8奪三振1失点の好投。
お立ち台でも観客を沸かせ、間違いなくこの試合の主役だった。
憧れの藤浪は海の向こうで大炎上したが、才木は全く問題なし。

《試合メモ》
ビーズリー昇格! 「ここに来たのは自分の仕事をするためですから、連投であれ何であれ、岡田監督をはじめチームからいけと言われたら、そこでいくつもりです」頼もしい。
・1裏。先頭近本ライト線へのツーベース。春先でも調子が良さそう。
・2裏。5番サトテル、6番森下の連打。ドラ1コンビの躍動が嬉しい。
・3裏。近本フォアボール、中野レフト前ヒット。ノイジー三振も、4番大山がレフトへ先制タイムリー! さすが全てのチャンスをモノにする男。大山が打つと嬉しい◎
・続くサトテルが四球で満塁になると、6番森下がレフトへタイムリー。あゝ美しきドラ1の競演。
・さらに梅野の犠牲フライで3点目。スキのない攻撃。素晴らしい。
・そして小幡は四球を選んで9番まで打順を回す。こういうの大事。えらい。
・4裏。森下が押し出しのフォアボールを選ぶ。ナイス選球眼。
・5表。ベイ打線で唯一、才木にタイミングが合っていた佐野のセンターへ抜けようかという当たりを中野がスライディングキャッチ! 送球も鮮やか。素晴らしい。さすが日本代表。
・7表。二死1、3塁で宮崎がセンターへタイムリー。2点目を献上し、さらに3点目を狙わんと大和が本塁めがけて疾走。それを近本小幡梅野の中継プレーで阻止。キャンプから中継プレーをおろそかにしないという練習をずっとしていた。結果として表れてとても嬉しい。
・8表。ケラー、無失点ピッチ。悪夢払拭に成功。
・8裏。原口2ラン。昨日の悔しさを晴らす。
・9表。石井、無失点ピッチ。一昨年も、去年も開幕戦で打たれて失点した。今季は開幕戦での登板こそなかったが、2、3戦目で盤石の投球。えらい。とてもえらい。

《ちょっと反省》
・2裏。先頭の5番サトテル、6番森下の連打で1、2塁のチャンスを作った後に、7番梅野の三球三振はいただけない。士気が下がるので、そういうのは減らそう。
・4裏。ヒットで出塁したノイジー大山の打席中(結果は三振)、ずっと一塁手のソトに話しかけていた。まあ、別に構わないけど、ずーっと話しかけてた。サインとか見落とさないか心配。
・6表。大田のサードゴロをサトテルが1塁へ悪送球。送球エラーは減らそう。
・7表。一死1塁でリリーフした岩崎がピリッとせず2失点。若干不安。
秋山降格。大丈夫。この男は必ず帰ってくる。新婚だし。このまま終わるわけにはいかない。

●指揮官コメント全文

-開幕3連勝。どのような手応えをもっているか
「手応えというか、まあ初戦も最後、苦しい場面があったし。昨日もそうですけど。だから、みんなが、場面場面で仕事というかね、役割というか。それがちゃんとできているね。ゼロ点で抑えられないし、そら打たれることもありますが、当然だけど。そのへんでね、最少点に抑えているとか、そういうことができている結果じゃないかとは思っていますけど」

-今日は最後、2点差でも石井投手でしたが
「もう石井でしたね。もう今日は浜地も入れてないし、湯浅も全然、今日はキャッチボールなしで。2人は投げないつもりでいてたんで。まあね、一番経験のある岩崎が、ちょっと無理させたんだけど、まあ、なんとか、あっこで終われたので。まあ打たれたけどね。まあ、いい中継で終わったのが大きかったですね、やっぱり」

-攻撃面では打線がつながったが、なんといっても8回の場面。盗塁からの代打原口の初球打ちはしびれたんですけど。あそこの考えというのは
「いやいや、昨日のお返しを、原口もいかなあかんし。(走者が)セカンドいったら原口は準備させとったんで」

-一振りで仕留めたのはさすがだなと
「いやいや、本人もねえ、やっぱり、昨日の今日だし。速いストレートをとらえられるのは原口かなあと思っていたんで。まあ予定通りだったかなと。まあ初球にいってくれてたらよかったんだけどね。まあ、なんとか先にね、あれはもうスチールのサインでいけというあれだったんで。まあね。けん制に引っかかったけど、それもよかったよね」

-森下もいい感じのヒットが出ましたが
「昨日でみんな(ヒットが)出たんで、みんなが楽に打席に立ててるんで、あのへんはすごくチャンスで回ってくるしね、やりがいというかね、ポジション的にもすごくいいんじゃないですか」

-才木はしっかりゲームをつくっていた
「7回までというのはいうてたんだけど、ちょっとね。1点、初戦の入りもそうだったけど、ギリギリのところ、本当に苦しいところまでいかないで、その前に変えてやろうと思ったんだけど、2点入ったけど、あとのピッチャーも頑張ってくれたので。K・ケラーにしてもね、昨日投げさせなかったから、鬱憤(うっぷん)晴らしで投げろっていうたけど、いいピッチングしたね」

-中継プレーはキャンプからずっとやってきた。いい形で実を結んだ
「そうねぇ、あれ本当に大きかったね。打順的にもね。はい」

-3日間の気持ちの張り、疲労度について
疲労はしてるけど、勝つことによってだいぶ軽減されていることもあるし」

-3連戦を振り返って、このプレーが大きかった、キーマンが大きかったというのはあるか
「いやいや、みんながね、2試合でみんながヒットが出て、打点を挙げるというのもめずらしいと思うし、誰かじゃなしにね、野手に関しては、みんながいいスタートを切れたので。今日も最初は残塁が多かったので、あのピッチャーは逆に点が取りづらいですね」

-移動日挟んで次の広島戦への意気込みを
「先発がまだね、あと3人投げてないので、(全員投げて)開幕みたいなものなので、こういう良い形で望めるのは良いと思うし、3連勝で勢いが付くと思うけど、勢いというよりもドッシリ地に足を付けて、みんなでやっていきたいですね」

(囲み)
-8回は得点圏じゃなければ島田のままだったのか
「そうよねえ、だから、まあ、得点圏というかセカンドいったらいく言うてたんよね、原口にはね。まあ、(走者が)一塁ではあんまり行かせたくなかったからね。まあ昨日の植田の走りにしても、いけそうな感じで。そら今日はだいぶね、やっぱりそう言う意味では警戒してたから。2点差、そら最後、湯浅が投げるんだったら、別に2点でも良かったんかもわからないけどね、石井というね、初めてのそういうポジションなんで点取る意味でも欲しかったしね」

-ツーストライク、フルカウントでも。
「代えてたよ、ツーストライクでも代えてたよ。いいやんか、人(島田)の三振なるんやから(笑い)」

-打った瞬間はしびれたか
「いやいや打った瞬間いったおもたね。やっぱり昨日ね、バッティングコーチにも言ってた、昨日の件があるからこれ行くでと言うとったんやけどな、昨日もあれ紙一重よ。三塁のファウルフライなったけどな、二、三塁で。そう言う意味ではいいお返しができる場面なったし、原口にしてもな

-左のエスコバーで原口か。右左どちらでも原口か
「いやいや、あのストレート打てるの原口しかいないやんか」

-1球目に盗塁させたのはモーションが大きいからか
「そうよ、1球目に行ってくれたら良かったけど、行けんかったからな、初球な。昨日の件もあるし、向こうも警戒するよ、そら。そらな。そんな簡単には走れへんけど、まあ何とかな、うまいことセカンドくぐりぬけたからセカンドな」

-監督がこれまで打者の途中で代打を出したことは
「あんまりないかな。どうか分からんわ。そんなん新聞記者が調べることやろ(笑い)。なんでオレに思い出さすことないよ。お前らで調べろ(笑い)」

-采配が当たっての3連勝
「まあ、当たってと言っても、オレにしたら普通のことやろ。こんなの。点取りにいくんやからさ。俺はそう思ったよ。みんなコーチかて、これすごいって言うけど、いや、すごくない、普通やろって。点取るためにやってるんやからな。出たときからあれや、盗塁のサイン出したときから、原口用意しとけ言うたよ。それがどういう意味か分かってなかったコーチもいたかも分からんけどな(笑い)」

-走るまでは左打者の方がいい
「そら、キャッチャーも投げづらいやろ。そらまあな、ランナー気にせんと、このバッターやったら抑えられる(から打者集中と)ピッチャー心理なら思うんちゃう。あそこで先に原口いってもうたら、だいぶ違ってくるわな。だからセカンドいくまでは。後ろがまた大山で右がおったからな。歩かされても一、二塁で大山やったというのもあるしな」

-普通の采配と言うが、いい意味で久しぶりの采配を普通にできている
「そうやな。思ってる以上に打線が活発に打ってくれたから、余計なんか、思い出すよな。点取るためにどうしたらええかな、いうのをな。ヒット出んかったら何もできひんやんか、塁を賑わせなかったら。でもみんなが、フォアボールであれ塁に出て、そういうことやるから、よっしゃ、こういうやり方したら点取れるんちゃうかなとか、そういうのやっぱり、思い出してくるやんか。それはやっぱり、選手がダイヤモンドを走り回ってるからやで。ランナー出んかったら何にもできへんのやから、はっきり言うて。そういうことやん」

-継投もプラン通りか
「そうやなあ、だから岩崎か浜地かどっちを外そう言うたんやけど、やっぱりどっかでね、ワンポイントでもええから、岩崎ちょっと岩崎は使いたかったからな、一番経験あるし、あの1イニングじゃなしにな、ホントに左の時に大事な時に行きたかったんや。だから浜地の方をベンチ外したんやな。湯浅はもう最初から使うつもりなかった、今日は。才木とあと2人でいこうかなと思っていたけど」

-3連投はさせたくない
「うん、まあ3連投までと思うけど、3連投でもなあ、この開幕はちょっと、異常なこんなゲーム展開で、なあ、やっぱり力のあるピッチャーが投げへんということがおかしいということや。投げささん方がおかしい思うなあ。そらエスコバーみたいに負けてるゲームまでは投げさせへんと思うけど、やっぱりああいうふうになるとな、勝ってる時も投げる、負けてる時も投げる。負けが込んでくるとそうなるからな。そういうことはしたくないから。でも、チームが勝つと思ったら、やっぱり意気に感じてピッチャーというのはな、勝ちパターンのピッチャーは投げるよ。はっきり言うて」

-序盤の攻撃だが、初回無死二塁から2番中野に送りバント
「だからねえ、右が並んどったから、外野フライぐらい打ってくれるかなと思ったよ」

-3回は先頭近本が四球で出塁すると2番中野には打たせたのは
「いやいや、普通に『打て』言うて。だから、3、4(番)が打てそうになかったからな」

-中野の状態がいいから
「いや違う違う違う、後ろが打てんから(笑い)。全然タイミングが合ってないやんか。せっかく右、右でなあ、3、4(番)入っとんのに。1打席目見たら、こらあかんなあと思たからな。それで、もう(中野は)打てにしとったんよ」

-6番に森下が入ったことで打線にも厚みが
「いや、そう、だから、厚みていうか、やっぱり佐藤(輝)にしても、やっぱりあれだけフォアボールを選んだらな、6(番)にこうチャンス来るよな。ランナーたまってな。いや、そら、やりがいあると思うよ。うーん。やっぱりチャンスでまわってくるとな」

-これまで打者の途中で代打を出したことは
「あんまりないかな、どうか分からんわ。そんなん新聞記者が調べることやろ、俺に思い出さすことないよ」

-采配が当たり、3連勝
「まあ、当たったと言っても、俺にしたら普通のことやろ。こんなの。点取りにいくんやからさ。俺はそう思ったよ。コーチかて『これすごい』って言うけど、いや、すごくない、普通やろ。点取るためにやってるんやからな。出たときからあれや、盗塁のサイン出したときから、原口用意しとけと言うたよ。それがどういう意味か分かってなかったコーチもいたかも分からんけどな(笑い)」

-普通と言うが、久しぶりの采配で普通にできているのはいいこと
「そうやな。思ってる以上に打線が活発に打ってくれたから、余計なんか、思い出すよな。点取るためにどうしたらええかな、いうのをな。ヒット出んかったら何もできひんやんか、塁をにぎわせなかったら。でもみんながフォアボールであれ塁に出て、そういうことやるから『よっしゃ、こういうやり方したら点取れるんちゃうかな』とか。そういうのやっぱり、思い出してくるやんか。それはやっぱり、選手がダイヤモンドを走り回ってるからやで。ランナー出んかったら何にもできへんのやから、はっきり言うて。そういうことやん」

 

第2戦 vsDeNA2回戦【2023.4.1】

京セラドーム大阪
ベイ 410 000 000 00 5
阪神 310 010 000 01 6
本 宮崎1号
○富田1勝 ●山崎1敗
ベイ ガゼルマン、坂本、三嶋、伊勢、エスコバー、入江、森原、山崎

阪神 秋山、村上、岩崎、浜地、湯浅、石井、加治屋、富田


やっぱり去年のことがあるから、開幕から連勝するなんていうのは格別だ。しかもサヨナラ勝ち。天にも昇る心地とはこのことか。

いや、もう、ね、1人で投げえ言いたいよね、試合前にね、才木にね。9回まで投げろと、明日はね、リリーフいないぞと、言っときます

この2試合でリリーフ陣が全員登板した。いずれの投手も楽な場面でのマウンドではなかった。(K.ケラーはともかく)
開幕シリーズという独特の雰囲気は通常の試合よりも疲れるものであろう。リリーフ陣はヘトヘトだ。ならば、明日投げる才木には完投してもらおう。
それを前日の試合後のテレビインタビューで言うのが岡田監督の流儀。冗談のようにも受け取れるが、その眼は本気だった。

才木浩人。
日本代表との壮行試合で大谷にベストショットであったフォークボールを片膝&片手でいとも簡単にスタンドへ運ばれた。何度も何度もテレビで流されたその場面。テレビを壊してやろうかと思うくらい悔しかった。
その悔しさをシーズンで晴らす。そして3年後のWBCでは大谷と同じユニフォームを着てみせる。
明日、才木伝説が始まる。

★ピックアップ
・植田海
8裏。四球の梅野に替わって代走で登場。
警戒されていたのにもかかわらず、エスコバーの間合いを盗み、完璧なタイミングでスタートし二盗を成功させた。生で観て、盗塁でこんなに感激したのは初めて。まさに職人技。得点にはつながらなかったけどスペシャルなプレーを体感した。

・糸原健斗
12回裏二死走者なし。打順は投手の富田。
当然代打の場面。もうベンチには糸原と長坂しか野手は残っていない。糸原に声が掛かる。今季は左の代打という役割を指揮官から任されている。昨年までレギュラーだった身としては不本意な役回りであろう。それでも与えられた場所で仕事をする。その姿が観る者の胸を打つ。
相手守護神山崎の初球をライト前に運び、サヨナラ勝利への大いなる布石を打った。まさに仕事人。

《試合メモ》
・1裏。近本が今季初ヒットとなるツーベース。続く中野が進塁打。1,2番の見事な連動。
・そして、3番ノイジーがタイムリーでNPB初打点を記録! 頼りになる度数は早くもロハスJr.を超えたね。次はボーア超えを目指す。
・続く4番大山が右中間を割るタイムリー。さすが全てのチャンスをモノにする男。大山が打つと嬉しい◎
・5番サトテルがフォアボールで、6番森下のサード宮崎のグローブをかすめるレフト前へのタイムリーは記念すべきプロ初ヒット! おめでとう🎊
・2裏。8番小幡ライト前ヒット、秋山送りバント近本進塁打の二死3塁で中野がライト前タイムリー! 今季初ヒット。さすが日本代表。
・3裏。サトテルが今季初盗塁を決める。
・5表。楠本のファールフライを梅野が3塁ベンチ前でスライディングキャッチの好プレー。
・6表。村上、無失点ピッチ。
・7表。岩崎、無失点ピッチ。さすが金メダリスト🥇
・8表。浜地、無失点ピッチ。
・8裏。植田海の完璧な盗塁。見事。
・9表。湯浅、無失点ピッチ。さすが世界一右腕。
・10表。石井、無失点ピッチ。
・11表。加治屋、無失点ピッチ。大和のバントを俊敏なフィールディングで処理し、併殺を成立させた。素晴らしい。
・12表。富田、無失点ピッチ。プロ初勝利、おめでとう🎊

・6回から無四球で無失点リレーをしたリリーフ陣に大拍手👏
・12裏。二死から代打の糸原がライト前ヒット。
・続く小幡が四球でつなぐ。
・続く坂本がレフト前ヒットでつなぐ。その前の打席はチャンスで決められなかった。ちゃんと挽回するのがえらい。
・そして、近本がセンターオーバーサヨナラタイムリーを放つ。さすが選手会長
ノイジー、マルチ。地味だけどしっかり打ってる。ナルトのテーマ曲で登場するのもGOOD👍

《ちょっと反省》
・1表。秋山4失点。あれれ。2表。宮崎にソロ被弾。あれれ。でも、5回まで投げて何とか修正はした。そこは評価したい。
・1裏。一死1、3塁の押せ押せの場面で7番梅野が4-6-3のゲッツー。うーん。
・7裏。無死1塁からクリーンアップが2三振凡フライの三者凡退は切ない。
・8裏。一死2,3塁で原口のサードファールフライは悲しかった。本人も相当悔しいことだろう。
・9裏。ノイジー、2球目を高々と上げて一邪飛。大山、初球を高々と上げて一邪飛は切なかった。想像以上に入江の球の勢いが勝っていたのだろうな。

●指揮官コメント全文

-延長12回サヨナラ勝ち。よくつないで、よく決めた
「ああ、ねえ。まあ、最後は二死走者なしだから。まあ最後、糸原1人でね、本当、よく(ベンチに)残したなあと思ったですね。もう12回までいく流れで考えていたんで、ちょうどね。あの2アウトから、あきらめずに塁に出たことが最後、いい形につながったと思います」

-最後、決めたのは近本
「そうですね。もう、何回もみんなチャンスあったんだけど。まあ、その前に、(延長10回二死3塁の)坂本もチャンスあったんだけど。まあ巡り合わせでね、打順入れたとこにチャンス回ってきてね。まあ、なんとか近本は、今日はビハインドの時から。まあ初回もね。きょうは、追いつけるというか、そういう反撃の二塁打もあったし、まあね。ちょうどよかったんじゃないですか。最後、近本でね」

-この試合、先発の秋山が5回まで投げ切った
「もうブルペンで、緊張してボールが高めばっかりというのを聞いていたので、その通りだと思いましたね、初回は。でも、すぐ(味方が)3点返したんで、本人も次(2回)に本塁打を打たれたけど、とにかく、役割というか、徐々にボールも低く来てね、3イニングを0点に抑えたので、それも大きかったと思いますけどね」

-リリーフ陣7人が全員無失点に抑えた
「そうですね、昨日、点を取られたやつは、使わないでおこうと思ってたんで。最後の富田にしても石井にしても、みんな初登板だったんで。本当は村上を複数イニングをいかせようと思ったけど、打順の兼ね合いでああいう形になったけど、本当にいい仕事をしたと思いますね」

-スタメン野手は全員“開幕”ということになった。
「ああそうですか。1、2番打ってないなと思ってたけど、今日は打ったしね。明日からゆっくりできることはないと思うね。なんか、おかしい開幕やね。しんどい開幕やけど」

-明日は才木が先発。どんな投球を期待するか。
「いや、もう、ね、1人で投げえ言いたいよね、試合前にね、才木にね。9回まで投げろと、明日はね、リリーフいないぞと、言っときます」

(囲み)
-延長12回まで見据えていた。
「そうそうそう、だから何回もなあ、チャンスあったけどなあ、その前に。まあ、それも野球なんやろなあ。まあ、でも、ねえ、投手も12回まで、最後もねえ、投手コーチはどうしますか言うてたけど、富田に決まってるやろ、言うたけどね(笑い)」

-富田に決まってるというのは
「点取られてないもん、富田。もう1人の人(K・ケラーは)点取られてるやん」

-初登板でプレッシャーのかかる場面を
「いやいやもう、そんなん、どっかで突破しないと、もう、これから長いこと野球すんのにいっぱいこんな場面で投げなあかんねんわけやから。やっぱりどっかでなあ、そういうシチュエーションというかな、やっぱり経験しないと前に進めへん。楽な場面ばかり投げててもな」

-中継ぎは無失点だけでなく全員無四球
「ああ、そうやなあ。うちは(打線に)四球を選べ、選べ言うてるのにな。そら、たいしたもんやな」

-2試合で中継ぎも全員投げた
「投げたね。もう、なあ、明日はちょっと休んだら2日休めるから、ほんと、才木にな、頑張ってもらうしかないなあ。ちょっと。だから、普通の3連戦やったらな、こんなしんどいことならんけどな。これはやっぱり開幕っていうのは、こうなるんやろね。こんなん1年間やっとったら持たんで、身体」

-みんな出番があった
「そうやな。2試合でな、うまいことみんなが吹っ切れてっていうか完了したというかな。みんながちゃんと仕事して、まあ、普通の打席になるわな。ヒットが出ないからって、ヒットがほしいような打ち方もないと思うし、もうどっしりとな今は打席で構えられると思うな」

-初回の4失点はどう感じた。まだいけると思ったか
「いや、いけるというか、1点ずつ返していこうということや。まだ初回やからな。まあな、伊藤(将)はどう見てたやろな、今日な。(本来なら2戦目を任せる予定だった)伊藤やったら、もうちょっとすんなりいってたかなとか、ちょっと頭の中よぎったわ(笑い)」

-秋山の次回は考えるか
「まあ、次回はちょっとねえ」

-森下が初安打初打点
「そうやなあ。ちょっとラッキーな当たりやったけどな。でも、これで地に足着けてゆっっくり打席にも入れるんちゃうか」

-秋山を2回で交代するということは
「いや、全然考えてないよ。ずっといくよと、打席もと、すぐ投手コーチに言うたよ」

-期待も込めて
「いや、そら分からん、それは分からんけど、あんなんで代えても一緒やからな。なんのために準備してきたんや、いうことやからな。他のものに負担かかるやんか。それはチームとしてはマイナスになるからな」

-本人にも大きい
「大きいかどうか分からん。明日いてないかも分からんし、それは分からんよ」

【阪神・岡田監督夫人の手記】主人は「自分が知っている全てを後輩たちに伝えたい」と一番に考えている/阪神タイガース/デイリースポーツ online

第1戦 vsDeNA1回戦【2023.3.31】

京セラドーム大阪
ベイ 000 001 020 3
阪神 030 110 01x 6
○青柳1勝 ●石田1敗 S湯浅1S
ベイ 石田、森原、上茶谷、入江

阪神 青柳、岩崎、浜地、K.ケラー、湯浅

7点差を逆転され、その後、9連敗を喫した悪夢の開幕戦から一年。
再び悲劇の幕が上がってしまうのか。
8表。一死2,3塁。
マウンドにK.ケラー。
頼む。抑えてくれ―

いや、よぎるよ。パッと見たらケラーやったから。よぎるやろ。俺は何にも関係ないけど、そらしゃあないやん。投げてるのケラーやったから、そらよぎるやろ。よぎったよ、そやろ。当たり前やろ。(もし)俺スタンドで見ててもよぎったよ。スタンドでもベンチでもよぎったよ。


今後人生で岡田監督がこれだけ「よぎる」を連呼することあるだろうか。
だが、監督の言うことに偽りはなく、間違いなくスタンドにもよぎっていた。
後ろの観客にも隣の観客にもよぎっていた。もちろん私の頭にだってよぎっていた。
何なら試合後の帰りの観客たちもこの話題で持ちきりだった。
だが、これだけ多くの人々によぎられてもケラーは逆転されなかった。
2点は取られたが、むしろ湯浅にセーブシチュエーションを提供するナイスアシストだった。勝ったから言えることではあるが。
ケラーは去年のケラーではないのだ。人は成長するのだ。

何はともあれ、岡田監督はまず最初の関門を乗り越えた。
なんだか今年はイケる気がする。

★ピックアップ

・小幡竜平

木浪とのショートポジション争いを僅差で制し開幕スタメンを勝ち取り、猛打賞2打点1盗塁と躍動。守備でも見せ場を作り、素晴らしい活躍だった。
ヒーローインタビューに呼んでほしかったなー


《試合メモ》
・左肩痛で出遅れた伊藤将が来週にも実戦登板との報。良きかな。

・勝った。4点差を逆転されることなく勝った。開幕戦の借りを開幕戦で返した。嬉しい。
バースが始球式で登場。私にとっての記憶は長男ザクリー君の水頭症発症で帰国するというのが一番古い思い出だけど、その伝説はビデオテープが擦りきれる程観てきた。岡田監督の初陣にバースがいる。ウルッときた。左目が白内障とのことで、どうか健やかに今後も過ごしてもらいたい。・1表。2番林のセンターへ抜けようかという当たりをセカンド中野が好捕してスローイングも鮮やか。さすが日本代表。
・2裏。4番大山が今季初ヒット。センター前のポテンだけど、ヒットなら何でも良い。大山が打つと嬉しい◎
・続くサトテルがレフト線へ技ありのツーベース! 要となる主力が揃って初ヒットは幸先良し。
・続く森下のボテボテのサードゴロは林のエラーを呼び込み無死満塁に! これがドラ1の神通力。
・続く梅野が追い込まれてからレフト前へ先制タイムリー! さすが春先は得点圏に強い男。
・続く小幡もタイムリー!
・一死満塁となり1番近本がレフトへの犠牲フライ。3点目。最低限の仕事が出来る切り込み隊長。すてき。
・後ろの席のおじさんがその隣のお兄さんと「膝が当たった」「当たってない」で揉めた。相当険悪な空気になったのに、3点先制したら仲良くお話しして打ち解けてた。タイガース、ありがとう。
・3裏。四球で歩いた中野が今季初盗塁を決める。さすが日本代表。
・4表。先頭の佐野のレフト前へ抜けようかというライナーを小幡がジャンプ一番ナイスキャッチ! 背が高いは正義!
・4裏。一死1、3塁で青柳が一塁線へ絶妙のスクイズを決める。素晴らしいバント技術。
・5裏。3番ノイジーがNPB初ヒット! 中野とのヒットエンドランも決まり5点目への足掛かりを作った。
・そして、一死1、3塁となったところで4番大山が犠牲フライ。さすが全てのチャンスをモノにする男。大山が打つと嬉しい◎
・7表。関根の右中間への飛球を板山がミラクルキャッチ! 打撃はサッパリだったが、こういうプレーが出来るのはえらい。首の皮一枚をつなぎ続けた男の執念を見た。
ノイジー、マルチ安打。今後ともバースのご加護があらんことを。
K.ケラー、打たれちゃったけど逆転は許さなかった。大きな進歩。宮崎に打たれたセンターへのタイムリーはボテボテの当たり。打ち取ってた。仕方ない。それも野球。奪三振率18.00・8裏。先頭の5番サトテルがツーベースで(ライト楠本の緩慢な返球の間に2塁を陥れる素晴らしい走塁)、代打の糸原が登場し、進塁打となるセカンドゴロ。最低限の仕事が出来るのが名誉キャプテン。
・続く梅野も良い当たりだったのだがショート京田に好捕されイヤな空気が漂うも、小幡がレフトへタイムリー! 3点差に広げる価値ある一打。えらすぎる。
湯浅、ヒヤヒヤのプロ初セーブ。抑えればなんでもよし。さすが世界一&金メダルバッテリー。
青柳、今季1勝目。良いピッチングだった。さすがエース。
《ちょっと反省》
・6裏。二死1、2塁で青柳の後を受けた岩崎が代打宮崎にタイムリーを打たれる。抑えてほしかったなー

●指揮官コメント全文

-最後は湯浅、満塁でソト、よく抑えた。
「まあ、初めて。3点あって。あの1点で楽にしたと思ったんだけど。まあ、こんなもんでしょう、開幕ね。本人も抑えないといけないという重圧はあると思うし。みんなで持ってきてくれた9回なんで。内容とかは抜きにして0点で抑えたのはよかったんじゃないかなと」

-15年ぶりシーズンで迎えた開幕白星は?
「点はとれたし、序盤はすごくよかった。青柳は7回までいけるんかと思ったけど、序盤から飛ばしていたからね。まあ、なんとか岩崎の1点で。まあ、あとの3イニングはちょっと長かったけど、まあ開幕でね。まあ。去年は、あんまり関係ないんだけど、いやな感じがしたんよ。去年のみてたからね。俺は全然去年は関係ないんだけど。俺は、そういうシーンが頭をよぎったね」

開幕投手の青柳は、序盤は守備でもいいプレーが。
「そうですね、おーん。まあ、なんていうか、アウトにするボールをアウトにしよう。それを基本的なことにしてずっとやってきたので、今日は本当に言いプレーがあったと思いますね」

-こだわりの二遊間、まず中野がいいプレー。
「そうですね」

-小幡のダイビングキャッチもあった。
「あれもね、先頭だったので、大きいですね」

-石田を攻略した。2回は大山と佐藤の安打から得点に。
「去年のことをいったらダメだけど、相当、DeNAの左ピッチャーに抑えられているデータがあったけど、そういうのは抜きにして、今年は今年と言うことで、開幕というのは野手はよくわかるんでね、ヒット1本出るまではやってみないとわからない重圧があるので、早いうちにうってもらわないとダメな2人が早いうちにヒットが出たのでだいぶ楽になったですね」

-板山がいいプレーをした。
「あーそうですねー…(森下を)代えてたんやね、あれね。なんとなく代えたね(青柳交代の場面で岩崎を6番に入れ、板山を9番に)。まあ良かったですね」

-八回の1点の取り方が絶妙だった。
「梅野の当たりも微妙だったけど、8番の小幡が3本打ったし、そのへんは、本当は2点でも大丈夫なんだけど、あの1点というのは、やっぱりすごく楽にしたんじゃないかな。最後のフォアボール3つ出しても3点というのはだいぶ違ったよね」

-岩崎、浜地、K・ケラー、湯浅を登板させられた。
「うーん、ねえ、開幕のプレッシャーとか抜きにしても、ちょっと、ねえ、ボールは高いし甘いしっていうのは、おーん、そのへんはだいぶ修正しないといけないところもあるかも分からないね」

-今日の勝利を。
「143分の1だけど、負けるよりも当然まず1つ貯金1つ作った方がいいに限ってるし、とにかく先発6人投げるまでは開幕のつもりで、選手も何とか先発に白星つけられるように、今日みたいな、5点6点取れたけど、援護してやってね、こういう先発ピッチャーが出てくるんで、こういう状態が続くと思うんだけど、辛抱してね、明日も明後日もやっていきたいと思いますね」

(囲み)
-青柳の交代は思い切った。
「いやいや、あれ始まる前は7回までいける言うとったんや。80(球)いってなかったしな。でも途中であの回だけはいかそうと思ったけどな。まあ、後ろのピッチャーも楽なところで投げさせたかったしな、結局。そういうのもあってな。あれはオレが間違ってな。まさか神里に代打出すとは思わんかったからな。だから2番(林)は辛抱したんやけどな。あれはオレが間違ごうたな。ちょっと。宮崎が出てくるとは思わんかった」

-ああいう場面は経験豊富な岩崎。
「うん。まあ、だから、そうよね。左っていうのもあったし、やっぱり一番経験のあるね。だから結局は、もしランナーいてる時に交代するのであれば岩崎いこうと思ってた。経験あるもんでないと。ほかのピッチャーは、初めての登板はイニングの頭からいかそうと思っとったんでね」

-ベンチで点を取る。スクイズなど効果的。
「まあ、そうだな。追加点という意味ではね。まあヒットの割には効率的にな、点取れたと思うし。まあ、そういう意味ではよかったんちゃうかな。バリエーションというか、そういうのもね、だいたい流れ的にはすごい、いい流れで点数を、追加点も重ねられたしね」

-九回以外の継投は今後も展開をみながら。
「そうやな。まあ誰でもよかったいうとおかしいけど、みんなちょっとね開幕させてやりたいというのがあるから。それもな、楽な時に投げれたらいいけど、楽なところで投げさせて2点取られたら、後がきつくなるからな、でもな。あんまりそれもあれやけど。まだまだ開幕してない野手もいるし、ピッチャーもいるけど、あしたも開幕みたいな感じになると思うよ。みんなが落ち着いた感じにできるまではな」

-小幡がいいスタート。
「おお、いい流れで入ったねえ。今までの分くらいヒット打ったんちゃうか、3年分くらい。4本か。あと1本で追いつくやん」

ー最後まで悩んで決めた遊撃手だが。
「いや、いつでもいけるショートがいるからや。木浪というな」

-四球なども効果的に絡めた。
「下位の方が(得点)入りそうな気がするな。それはええことやんか。下位からも点数取れたら、そらええことやけどな」

-去年がよぎったと。
いや、よぎるよ。パッと見たらケラーやったから。よぎるやろ。俺は何にも関係ないけど、そらしゃあないやん。投げてるのケラーやったから、そらよぎるやろ。よぎったよ、そやろ。当たり前やろ。(もし)俺スタンドで見ててもよぎったよ。スタンドでもベンチでもよぎったよ

-再現にならなかったことが良かった。
「そうやなあ。だからフォアボール3つ出しても0点に抑えたことが大きいんじゃないかな、湯浅にしても。まあ次の登板はああいうことはないと思うけど。これは後ろのピッチャーなんか先発に勝ち付けたる、自分もセーブつく、ホールドつくと、それが後ろのピッチャーのプラスマイナスが大きいっていうけど、まず先発にな、勝ち星をつけるのが一番やからな、結局。それはよかったな。後ろのブルペンも苦しんだけど、最終的にはな、やっぱ湯浅も0点で抑えたのがよかったんじゃないかな。1点でも取られるのと、0点というのはな」

-スッと勝つよりも良かった面も。
「いやいや、そらスッと(勝ちまで)いってほしいよ。そら、こっちは。でも143試合もしたら、いろんなこと起きるよ。それが起きても、うまいこと0点で終わってくれる起き方だったらええけどな。今日みたいにな」 

 

CS・Final vsヤクルト第3戦【2022.10.14】

明治神宮野球場
阪神 000 120 000 3
ヤク 000 000 51x 6
○田口1勝 ●青柳1敗 Sマクガフ2S
阪神 青柳、浜地、岩貞、ケラー
ヤク 高橋、木澤、田口、清水、マクガフ

《試合メモ》
・青柳はエースのピッチングを見せてくれた。惜しむらくは7裏に与えた青木へのデッドボールか。(6.2回112球3安打4四球1死球奪三振4失点)・4表。無死1塁。5番マルテがライト前へチーム初ヒットを放つ。怪我さえなければ打つ。来季もいてほしい。ラパンパラ、また観たい。・4表。一死1、3塁で7番陽川がセンターへ犠牲フライ。サウスポーキラーとしてスタメン入りした力を遺憾なく発揮。
・5表。近本のハーフスイングを三塁塁審山路がセーフ判定。改心したに違いない。(結局、打席結果は三振だったけど。)
・5表。先頭の青柳がレフトへツーベースを打つとバント失敗などもありながらも、北條がツーベースを放ち、再びチャンスを作り、二死2、3塁で4番大山がセンター前へ2点タイムリーヒット。4番の仕事をしてくれた。大山が打つと嬉しい◎・スタメン起用した2人(北條、陽川)が結果を残す。矢野采配の奥深さよ。
・試合終了後、クラブハウスへ引き上げる途中、A.ロッドがレフトスタンドの子供ファンにバットをプレゼント。何て良いヤツなんだ。君がタテジマに袖を通したこと、私は一生忘れない。ロハスJr.とのアベックアーチ最高だったよ。これからの人生が幸せであることを切に願う。・引き潮。満ちかけたけど、やっぱり引いた。波とはままならぬものよな。

・落ち着いて冷静に守備をしよう。
マルテ。送球が間に合わない時は無理して投げちゃダメ。(7裏。二死満塁で山崎の一ゴロを、1塁送球では間に合わないと悟り、2塁へ送球するも(これも間に合わないタイミングではあった)高く浮いて悪送球。レフトへボールが転がり2点返される)
浜地。グラブトスは思っている以上に難しいので余程の自信がない限りは試みちゃダメ。(7裏。二死満塁で村上のボテボテのピッチャーゴロを浜地がグラブトスで1塁へ送球。コントロールされなかったボールは1塁ベースに就くマルテ、そのカバーにまわった植田海のはるか上を行き、ライトファールゾーンを転々。その間にランナー3人が一気に返る。ピーゴロで3人返るのか...ちゃんと捕って投げても間に合いそうなタイミングではあった。仮に間に合わなくても3人ホームに返ることはなかった)
結果、日刊スポーツ紙上で古巣の勝利に浮かれる宮本慎也から「考えて野球をしていない」と断罪される。
・ここぞという場面で打てるようになろう。
2表。四球2つで得た無死1、2塁のチャンスで6番サトテルがバント失敗。7番陽川空振り三振。ここで取れていればどれほど楽であったか。。・8裏。岩貞、先頭の中村にフォアボール。何を警戒してるのか全くもって謎。結果、失点につながる。うーん。安定感が足りない。
・8裏。岩貞の後を受けたケラーが山田にタイムリーを浴び失点。完全なる負け試合へと導く。開幕戦と最終戦で打たれちゃうところがね、悲しいね。来季、やり返す!

惜別の辞

ラストタクトは良くも悪くも矢野阪神らしかった。奇跡の日本一でこれ以上ない矢野ガッツを見せてくれることを夢見たけれど、そんな都合の良い幕切れになるわけがないことは薄々わかっていた。今のチームはそんなに強くない。
けれど、開幕9連敗からのクライマックスシリーズ進出は本当に立派だった。
10月14日まで野球を楽しませてくれたことには感謝しかない。


まさかの金本監督解任劇から火中の栗を拾う形で就任し、早4年。
就任前のウエスタン・リーグでは日本一になっていた。2、3年後に満を持して監督就任、というのが本来の路線であったはずだ。だが、思いがけない形で盟友金本が去った。あの当時、その思いを引き継げるのは矢野しかいなかった。

船出となった2019年の開幕戦はやはりヤクルト戦だった。
延長戦の末のサヨナラ勝ちだった。メッセが投げ、ルーキー近本が躍動し、PJ、ドリス、能見、桑原が懸命に腕を振った。
監督自らが大いに喜ぶ姿は新鮮だった。新しいチームが出来る。そう思った。そして、それは間違いではなかった。

この4年間で信じられないほど走れるチームになった。ウエスタン・リーグのチーム盗塁記録を更新した手腕は本物だった。「超積極的」を掲げ、チャレンジすることを促し続けた。攻めたミスならばそれを咎めなかった。
走れるチームを作るのはそう簡単なことではない。あれだけ伝統的に走るイメージの強いカープが今季は26個しか盗塁できていないのだ。
この遺産は生かし続けて欲しい。

チャレンジした分、エラーも増えた。
走った分とエラーした分。どちらが勝ち負けに直結したのかはわからない。が、エラーは目立つだけに、格好の批判対象になる。それでも、その信念を曲げなかった。
そして、最終戦はそのエラーで負けた。
ぎりぎりのプレーやったと思うからね。あれをアウトにするチームになっていかないとダメだし、あれでいいとは思えないんで、みんながしっかり受け止めながら、1人1人成長していくしかないと思います
最後であっても、そのコメントはいつもと変わらず未来を見つめていた。

ファンとの距離感が近い人だった。
劇的勝利後のインタビューでは時に涙を見せ、チームが沈んでいる時には鼓舞するメッセージを選手のみならず我々ファンにも届けてくれた。生来、熱い人なのだ。
開幕9連敗後の初勝利のインタビューは特に忘れがたい。

本当にうまくね、行かないことばかりですけど。テレビをご覧の皆さんも、うまくいっている人生を歩んでいる方ばかりではないと思うんでね。僕たちもそういう、もがき苦しみながら前に進む姿から、なんとかね、元気を届けられるような、そういう気持ちでみんな戦ってくれたと思います
ツラい思いも滲ませながら、正直に心の内を話し、何とか喜んでもらおうという思いが垣間見えた。

そんな姿勢は、これまでのどの指揮官よりも親近感に溢れていた。
最近放送された密着番組内で、矢野監督は「先生のような監督でいたい」と語っていた。
感情を押し殺すことなく、共に喜び、共に悲しみ、共に悩み、そして行く道を指し示してくれたその姿は、矢野監督の理想像であったのだ。
この4年間で多くの生徒たちが、その教えに触れてきた。近本が、サトテルが、最終戦後に涙を見せた。恩師に花道を作ってあげられなかった悔しさであろう。
その教えと悔しさが明日のタイガースの糧となる。

私たちファンは教え子ではないけれど、生徒たちの保護者のような気持ちで去り行く矢野先生を見送りたい。

あんな良い先生にはそうそうお目にかかれないだろうな。惜しい人が行ってしまうな。寂しいな。

矢野燿大監督。
ありがとうございました。
あなたといた4年間はとても楽しかったです。

CS・Final vsヤクルト第2戦【2022.10.13】

明治神宮野球場
阪神 100 000 101 3
ヤク 002 120 00x 5
本 村上1号 長岡1号 オスナ2号
○サイスニード1勝 ●藤浪1敗 Sマクガフ1S
阪神 藤浪、西純、ケラー、加治屋、島本
ヤク サイスニード、久保、石山、清水、マクガフ

《試合メモ》

・コロナが癒えた植田海合流。
・1表。先頭の中野がスリーベース! 幸先良し。
・その中野を近本のライト前ヒットで返す。流れるような先制点。気持ち良し
・大山猛打賞。大山が打つと嬉しい◎
・7表、9表。いずれもマルテが犠牲フライ。打てと言われてもなかなか打てないのが犠牲フライ。もちろん、ヒットやホームランの方が嬉しいが、最低限の仕事をきっちりとこなすことも非常に価値がある。
・6裏。ケラー、無失点ピッチ。
・7裏。加治屋、無失点ピッチ。敗戦処理じゃない日ももちろんある。
・8裏。島本、無失点ピッチ。
・糸原マルチ。君が打てばチームはもっと強くなる。
・安打数はヤクルトを上回った。
・引き潮。引いていくなぁ...

・3裏。藤浪、村上に逆転2ラン被弾。外角直球をレフトに運ばれてしまった。悪いボールではなかったが。これが藤浪のタテジマ姿の見納めとなってしまうのだろうか。
・4裏。西純矢、長岡にソロ被弾。この一発は効いた。DeNA戦で躍動した西純矢だったが、同世代の一撃に沈んだ。
・5裏。西純矢、オスナに2ラン被弾。試合を完全に決められた。西純矢は慣れないポジションでよく投げたが、仕事を遂行してこそ評価される。来季への良いクスリになったと思う。
・それにしても、よくホームランを打たれるなぁ。飛ぶボールなのかなぁ。

CS・Final vsヤクルト第1戦【2022.10.12】

明治神宮野球場
阪神 000 001 000 1
ヤク 311 002 00x 7
本 オスナ1号 サンタナ1号
○小川1勝 ●西勇1敗
阪神 西勇、ケラー、加治屋、島本
ヤク 小川、石山、田口、清水

《試合メモ》
10/11 全日本女子硬式野球選手権大会で阪神タイガースWomenが準決勝で神戸弘陵学園高校に敗れる。無念。

10/12
・2表。ファーストステージで全く当たりのなかった大山がツーベース。大山が打つと嬉しい◎
・島田、マルチ。6表の完封負けを防ぐタイムリーセンター前ヒットは必ず明日につながる。
・5裏。ケラー、無失点ピッチ。
・8表。代打マルテレフトへツーベース。来季もいて欲しい。
・9表。原口レフト前ヒット。嫌な感じのまま今日という日を終わらせなかった。
・ヒットが出ていないわけではないので、絶望感はない。まだ、もう少し何とかやれるのではないか、という雰囲気は感じられる。
・引き潮。すごく引いた気がするなぁ...

・2表。無死3塁で原口。12球粘ったあとのフルカウントで外に落ちるボールに一瞬、手を出しかけるもこらえる。四球を勝ち取ったかに思えたが、一塁塁審山路のジャッジはまさかのスイング判定。
はあ?
おいおいおい。VTRを100万回見てもノースイングだろ。どうしてあれをスイング判定出来るのよ。シーズンでもあんなヒドイ判定見たことないぞ。
この日は2試合しかNPBの試合は開催されてないのに(フェニックスリーグは除く)、厳選された審判員がこの程度なのかよ。ひょっとして買収されてんのか? 本気で八百長を疑うよ。
息詰まる攻防も、こんな判定をされては一気に冷める。頼むから真剣に仕事して欲しい。
・まあ、その後の2人の打者(サトテル、糸原)が2球で片付けられちゃうのもね...
西勇輝、4回5失点。ここに来て悪い方の西勇輝らしさが出ちゃうのがね...それもまた西勇輝らしいといえば、らしいが。。
・6裏。加治屋がサンタナに2ラン被弾。しかしながら見事に試合を諦めさせてくれるね...これぞ敗戦処理

CS・1st vsDeNA第3戦【2022.10.10】

横浜スタジアム
阪神 000 102 000 3
ベイ 011 000 000 2
本 宮崎1号 佐藤輝1号
○岩貞1勝 ●濱口1敗 S湯浅2S
阪神 才木、浜地、岩貞、西純、湯浅
ベイ 濱口、入江、エスコバー、伊勢、山崎

《試合メモ》
・全日本女子硬式野球選手権大会で阪神タイガースWomen が三回戦突破。あと2回勝てば優勝。
・3裏の一死1、3塁から浜地が登場。牧を1球4-6-3のゲッツーで打ち取る。その後の4裏も新鮮無失点ピッチ。素晴らしかった。
・4表。6番サトテル、バックスクリーン右横にソロ。この1発で流れを引き渡さずに済んだ。極めて価値のあるホームランだった。
・5裏から岩貞が1.2回を無失点ピッチ。
・6表。先頭の北條が二塁打。続く近本がバントを2球続けて失敗のあとにライトオーバーのタイムリー。2人ともえらい。
・続く大山は送りバント失敗の三振も、5番原口がレフト前へ逆転タイムリー! 最高だよ!
・6裏。近本ダイビングキャッチのファインプレー!
・6回途中から西純矢が2イニングを無失点ピッチ。2日連続の力投に胸を打たれる。
・そして、西純矢はツーベースも打つ(7表)。代打要員としてもいけるね。
・8裏。伊藤光の強烈なサードライナーを熊谷が横っ飛びジャンプでキャッチ!! ホントにプロ野球選手ってスゴいなぁ
・8裏二死2塁からは湯浅登場。佐野をファーストゴロに打ち取る。そして、9裏。一死満塁のピンチを招くも、マウンドに激励に来た指揮官の檄に笑顔で応え、代打藤田を1球で4-2-3のゲッツーに打ち取り勝利を勝ち取る。
・満ち潮。これぞビッグウェーブ🌊さあ、さらなる大波へ🌊🌊🌊

・もっと、送りバントの練習をしよう。