阪神タイガース観戦記

このブログは阪神タイガースの試合を私見で振り返るものである。

第1戦 vsDeNA1回戦【2023.3.31】

京セラドーム大阪
ベイ 000 001 020 3
阪神 030 110 01x 6
○青柳1勝 ●石田1敗 S湯浅1S
ベイ 石田、森原、上茶谷、入江

阪神 青柳、岩崎、浜地、K.ケラー、湯浅

7点差を逆転され、その後、9連敗を喫した悪夢の開幕戦から一年。
再び悲劇の幕が上がってしまうのか。
8表。一死2,3塁。
マウンドにK.ケラー。
頼む。抑えてくれ―

いや、よぎるよ。パッと見たらケラーやったから。よぎるやろ。俺は何にも関係ないけど、そらしゃあないやん。投げてるのケラーやったから、そらよぎるやろ。よぎったよ、そやろ。当たり前やろ。(もし)俺スタンドで見ててもよぎったよ。スタンドでもベンチでもよぎったよ。


今後人生で岡田監督がこれだけ「よぎる」を連呼することあるだろうか。
だが、監督の言うことに偽りはなく、間違いなくスタンドにもよぎっていた。
後ろの観客にも隣の観客にもよぎっていた。もちろん私の頭にだってよぎっていた。
何なら試合後の帰りの観客たちもこの話題で持ちきりだった。
だが、これだけ多くの人々によぎられてもケラーは逆転されなかった。
2点は取られたが、むしろ湯浅にセーブシチュエーションを提供するナイスアシストだった。勝ったから言えることではあるが。
ケラーは去年のケラーではないのだ。人は成長するのだ。

何はともあれ、岡田監督はまず最初の関門を乗り越えた。
なんだか今年はイケる気がする。

★ピックアップ

・小幡竜平

木浪とのショートポジション争いを僅差で制し開幕スタメンを勝ち取り、猛打賞2打点1盗塁と躍動。守備でも見せ場を作り、素晴らしい活躍だった。
ヒーローインタビューに呼んでほしかったなー


《試合メモ》
・左肩痛で出遅れた伊藤将が来週にも実戦登板との報。良きかな。

・勝った。4点差を逆転されることなく勝った。開幕戦の借りを開幕戦で返した。嬉しい。
バースが始球式で登場。私にとっての記憶は長男ザクリー君の水頭症発症で帰国するというのが一番古い思い出だけど、その伝説はビデオテープが擦りきれる程観てきた。岡田監督の初陣にバースがいる。ウルッときた。左目が白内障とのことで、どうか健やかに今後も過ごしてもらいたい。・1表。2番林のセンターへ抜けようかという当たりをセカンド中野が好捕してスローイングも鮮やか。さすが日本代表。
・2裏。4番大山が今季初ヒット。センター前のポテンだけど、ヒットなら何でも良い。大山が打つと嬉しい◎
・続くサトテルがレフト線へ技ありのツーベース! 要となる主力が揃って初ヒットは幸先良し。
・続く森下のボテボテのサードゴロは林のエラーを呼び込み無死満塁に! これがドラ1の神通力。
・続く梅野が追い込まれてからレフト前へ先制タイムリー! さすが春先は得点圏に強い男。
・続く小幡もタイムリー!
・一死満塁となり1番近本がレフトへの犠牲フライ。3点目。最低限の仕事が出来る切り込み隊長。すてき。
・後ろの席のおじさんがその隣のお兄さんと「膝が当たった」「当たってない」で揉めた。相当険悪な空気になったのに、3点先制したら仲良くお話しして打ち解けてた。タイガース、ありがとう。
・3裏。四球で歩いた中野が今季初盗塁を決める。さすが日本代表。
・4表。先頭の佐野のレフト前へ抜けようかというライナーを小幡がジャンプ一番ナイスキャッチ! 背が高いは正義!
・4裏。一死1、3塁で青柳が一塁線へ絶妙のスクイズを決める。素晴らしいバント技術。
・5裏。3番ノイジーがNPB初ヒット! 中野とのヒットエンドランも決まり5点目への足掛かりを作った。
・そして、一死1、3塁となったところで4番大山が犠牲フライ。さすが全てのチャンスをモノにする男。大山が打つと嬉しい◎
・7表。関根の右中間への飛球を板山がミラクルキャッチ! 打撃はサッパリだったが、こういうプレーが出来るのはえらい。首の皮一枚をつなぎ続けた男の執念を見た。
ノイジー、マルチ安打。今後ともバースのご加護があらんことを。
K.ケラー、打たれちゃったけど逆転は許さなかった。大きな進歩。宮崎に打たれたセンターへのタイムリーはボテボテの当たり。打ち取ってた。仕方ない。それも野球。奪三振率18.00・8裏。先頭の5番サトテルがツーベースで(ライト楠本の緩慢な返球の間に2塁を陥れる素晴らしい走塁)、代打の糸原が登場し、進塁打となるセカンドゴロ。最低限の仕事が出来るのが名誉キャプテン。
・続く梅野も良い当たりだったのだがショート京田に好捕されイヤな空気が漂うも、小幡がレフトへタイムリー! 3点差に広げる価値ある一打。えらすぎる。
湯浅、ヒヤヒヤのプロ初セーブ。抑えればなんでもよし。さすが世界一&金メダルバッテリー。
青柳、今季1勝目。良いピッチングだった。さすがエース。
《ちょっと反省》
・6裏。二死1、2塁で青柳の後を受けた岩崎が代打宮崎にタイムリーを打たれる。抑えてほしかったなー

●指揮官コメント全文

-最後は湯浅、満塁でソト、よく抑えた。
「まあ、初めて。3点あって。あの1点で楽にしたと思ったんだけど。まあ、こんなもんでしょう、開幕ね。本人も抑えないといけないという重圧はあると思うし。みんなで持ってきてくれた9回なんで。内容とかは抜きにして0点で抑えたのはよかったんじゃないかなと」

-15年ぶりシーズンで迎えた開幕白星は?
「点はとれたし、序盤はすごくよかった。青柳は7回までいけるんかと思ったけど、序盤から飛ばしていたからね。まあ、なんとか岩崎の1点で。まあ、あとの3イニングはちょっと長かったけど、まあ開幕でね。まあ。去年は、あんまり関係ないんだけど、いやな感じがしたんよ。去年のみてたからね。俺は全然去年は関係ないんだけど。俺は、そういうシーンが頭をよぎったね」

開幕投手の青柳は、序盤は守備でもいいプレーが。
「そうですね、おーん。まあ、なんていうか、アウトにするボールをアウトにしよう。それを基本的なことにしてずっとやってきたので、今日は本当に言いプレーがあったと思いますね」

-こだわりの二遊間、まず中野がいいプレー。
「そうですね」

-小幡のダイビングキャッチもあった。
「あれもね、先頭だったので、大きいですね」

-石田を攻略した。2回は大山と佐藤の安打から得点に。
「去年のことをいったらダメだけど、相当、DeNAの左ピッチャーに抑えられているデータがあったけど、そういうのは抜きにして、今年は今年と言うことで、開幕というのは野手はよくわかるんでね、ヒット1本出るまではやってみないとわからない重圧があるので、早いうちにうってもらわないとダメな2人が早いうちにヒットが出たのでだいぶ楽になったですね」

-板山がいいプレーをした。
「あーそうですねー…(森下を)代えてたんやね、あれね。なんとなく代えたね(青柳交代の場面で岩崎を6番に入れ、板山を9番に)。まあ良かったですね」

-八回の1点の取り方が絶妙だった。
「梅野の当たりも微妙だったけど、8番の小幡が3本打ったし、そのへんは、本当は2点でも大丈夫なんだけど、あの1点というのは、やっぱりすごく楽にしたんじゃないかな。最後のフォアボール3つ出しても3点というのはだいぶ違ったよね」

-岩崎、浜地、K・ケラー、湯浅を登板させられた。
「うーん、ねえ、開幕のプレッシャーとか抜きにしても、ちょっと、ねえ、ボールは高いし甘いしっていうのは、おーん、そのへんはだいぶ修正しないといけないところもあるかも分からないね」

-今日の勝利を。
「143分の1だけど、負けるよりも当然まず1つ貯金1つ作った方がいいに限ってるし、とにかく先発6人投げるまでは開幕のつもりで、選手も何とか先発に白星つけられるように、今日みたいな、5点6点取れたけど、援護してやってね、こういう先発ピッチャーが出てくるんで、こういう状態が続くと思うんだけど、辛抱してね、明日も明後日もやっていきたいと思いますね」

(囲み)
-青柳の交代は思い切った。
「いやいや、あれ始まる前は7回までいける言うとったんや。80(球)いってなかったしな。でも途中であの回だけはいかそうと思ったけどな。まあ、後ろのピッチャーも楽なところで投げさせたかったしな、結局。そういうのもあってな。あれはオレが間違ってな。まさか神里に代打出すとは思わんかったからな。だから2番(林)は辛抱したんやけどな。あれはオレが間違ごうたな。ちょっと。宮崎が出てくるとは思わんかった」

-ああいう場面は経験豊富な岩崎。
「うん。まあ、だから、そうよね。左っていうのもあったし、やっぱり一番経験のあるね。だから結局は、もしランナーいてる時に交代するのであれば岩崎いこうと思ってた。経験あるもんでないと。ほかのピッチャーは、初めての登板はイニングの頭からいかそうと思っとったんでね」

-ベンチで点を取る。スクイズなど効果的。
「まあ、そうだな。追加点という意味ではね。まあヒットの割には効率的にな、点取れたと思うし。まあ、そういう意味ではよかったんちゃうかな。バリエーションというか、そういうのもね、だいたい流れ的にはすごい、いい流れで点数を、追加点も重ねられたしね」

-九回以外の継投は今後も展開をみながら。
「そうやな。まあ誰でもよかったいうとおかしいけど、みんなちょっとね開幕させてやりたいというのがあるから。それもな、楽な時に投げれたらいいけど、楽なところで投げさせて2点取られたら、後がきつくなるからな、でもな。あんまりそれもあれやけど。まだまだ開幕してない野手もいるし、ピッチャーもいるけど、あしたも開幕みたいな感じになると思うよ。みんなが落ち着いた感じにできるまではな」

-小幡がいいスタート。
「おお、いい流れで入ったねえ。今までの分くらいヒット打ったんちゃうか、3年分くらい。4本か。あと1本で追いつくやん」

ー最後まで悩んで決めた遊撃手だが。
「いや、いつでもいけるショートがいるからや。木浪というな」

-四球なども効果的に絡めた。
「下位の方が(得点)入りそうな気がするな。それはええことやんか。下位からも点数取れたら、そらええことやけどな」

-去年がよぎったと。
いや、よぎるよ。パッと見たらケラーやったから。よぎるやろ。俺は何にも関係ないけど、そらしゃあないやん。投げてるのケラーやったから、そらよぎるやろ。よぎったよ、そやろ。当たり前やろ。(もし)俺スタンドで見ててもよぎったよ。スタンドでもベンチでもよぎったよ

-再現にならなかったことが良かった。
「そうやなあ。だからフォアボール3つ出しても0点に抑えたことが大きいんじゃないかな、湯浅にしても。まあ次の登板はああいうことはないと思うけど。これは後ろのピッチャーなんか先発に勝ち付けたる、自分もセーブつく、ホールドつくと、それが後ろのピッチャーのプラスマイナスが大きいっていうけど、まず先発にな、勝ち星をつけるのが一番やからな、結局。それはよかったな。後ろのブルペンも苦しんだけど、最終的にはな、やっぱ湯浅も0点で抑えたのがよかったんじゃないかな。1点でも取られるのと、0点というのはな」

-スッと勝つよりも良かった面も。
「いやいや、そらスッと(勝ちまで)いってほしいよ。そら、こっちは。でも143試合もしたら、いろんなこと起きるよ。それが起きても、うまいこと0点で終わってくれる起き方だったらええけどな。今日みたいにな」