阪神タイガース観戦記

このブログは阪神タイガースの試合を私見で振り返るものである。

第136戦 vsヤクルト23回戦【2018.10.4】

阪神甲子園球場
ヤク 000 100 001 2
阪神 000 010 000 1
本 奥村1号
○梅野3勝2敗 ●ドリス1勝7敗30S S石山3勝2敗34S
ヤク 星、大下、梅野、石山
阪神 青柳、岩崎、才木、桑原、ドリス

鳥谷の球団新記録となる2065安打目は試合を振り出しに戻す価値あるタイムリーとなったが、9表にドリスが奥村にプロ初本塁打となるソロを浴び万事休す。
抑えの切り札がわけのわからんバッターにホームランを浴びて失点するというダメージをはね返せる力は、もうこのチームには残っていない。
守護神で7敗、防御率3.02は少しきついが、30Sは立派な数字。
もう少し安定感が出れば素敵なのだが。
来季は修正してくれるものだと思おう。

第135戦 vs広島25回戦【2018.10.3】

マツダスタジアム
阪神 200 000 100 00 3
広島 000 030 000 01 4
本 メヒア3号
○アドゥワ6勝2敗 ●岩崎1勝3敗
阪神 メッセンジャー、能見、ドリス、桑原、岩崎、岡本
広島 九里、岡田、永川、ヘルウェグ、ジャクソン、今村、中田、アドゥワ

ずっと勝てないメッセンジャー
メッセンジャーだけが頼りだったので、その柱が勝てなくなればチームの成績も自ずと下がる。
9月11日登板後に肩の違和感で抹消され、今季は絶望かと思われたが、驚異の回復力とチームを思う心が彼を再びマウンドに復帰させた。
しかし、勝てなかった。勝負所で失点する故障前の悪い癖はこの日も改善されていなかった。
5裏にメヒアに浴びた2ラン。痛すぎる。
日米通算100勝は持ち越された。今季中に日本球界通算100勝(16勝 必要だった)も達成できると思っていただけに、本人も悔しかろう。

去年からフル回転だった中継ぎ投手陣が打たれて負けるのはもう仕方ない。
2季続けて調子を維持できるはずがない。
しっかりとして先発陣がいてこそ、中継ぎの好調は約束される。
メッセンジャーすら崩れた今、中継ぎだけに負担がかかる状況では疲労がたまるのは当然で、延長戦という持久力勝負になれば敗戦もやむ無しである。

第134戦 vs広島24回戦【2018.10.2】

マツダスタジアム
阪神 000 000 000 0
広島 000 001 00X 1
本 丸39号
○ジョンソン11勝5敗 ●岩田4敗 S中崎4勝1敗32S
阪神 岩田、桑原
広島 ジョンソン、ヘルウェグ、中崎

この日も完封負け。
点が取れない。
岩田も頑張って投げていたが、丸の芸術的な本塁打に屈した。
鳥谷は通算2064安打目を放ち、球団記録に並んだ。

西岡剛Instagram戦力外通告を受けたことを発表。
解雇された選手も含めて、全選手を振り返る企画を設けるつもりだが、西岡については少しだけ触れたい。
移籍2年目の2014年に開幕3戦目で福留と衝突し長期離脱。生観戦していたが、救急車がグラウンドに入ってくる異様な光景がそのケガの重さを物語っていた。そこから不屈の努力で這い上がってきたが、一度ズタズタになった身体はそう簡単に元には戻せないのだろう。天性の輝きを持った選手だが、それも徐々にくすんでいった。
そして、2016年。アキレス腱の断裂。シーズン200本安打を達成し、メジャー経験もある男がここまでツキに見放されることがあるのか。
そして、去年。糸井に背番号7を譲った。なかなか屈辱的なことだとは思うが受け入れた。その分成績で見返してくれると思っていたが、そんなこともなかった。
けれども、西岡、糸井、福留がスタメンに名を連ねた時は壮観だった。
2013年のバーンポーズなど、チームに違う明るさをもたらしたのは西岡。
34歳の走れなくなった選手を獲るチームがあるとはあまり思えないが、きっと彼なら人とは違う区切りのつけ方を見せてくれるだろう。

第133戦 vsDeNA23回戦【2018.10.1】

阪神甲子園球場
ベイ 100 040 050 10
阪神 000 000 000 0
本 ソト38号 ロペス26号
○濱口4勝5敗 ●岩貞7勝9敗
ベイ 濱口、石田、笠井
阪神 岩貞、伊藤和、望月、才木

従事していた映画の仕事が終了し、観戦記も再開。
仕事の間に、我がチームは惨憺たる有り様になってしまったが、しっかりとその無様な戦いぶりを振り返ろう。
亡き星野さんも、顧みて反省しない奴は伸びない、と言っていた。
私が成長しても何の意味もないが。

そして、この日の試合は振り返る価値もない内容。
ベイ投手陣に糸原の1安打のみに抑えられる。
新聞には【和田一浩氏を打撃コーチとして招聘】の見出しが躍っている。
「一軍打撃コーチの片岡、平野は現役時代は左打ち。右打者特有の感覚もある為右打ち指導者の重要性が指摘されていた」
とある。
今さら!?
うーむ。こんな人事で大丈夫だろうか。だいたい和田だって指導者経験ないぞ。
と、この紙面を読んだ当時は思ったものだ。

第132戦 vs中日23回戦【2018.9.29】

ナゴヤドーム
阪神 200 011 000 4
中日 000 000 000 0
○藤浪5勝3敗 ●ガルシア13勝9敗
阪神 藤浪
中日 ガルシア、岡田、浅尾、岩瀬、ロドリゲス

浅尾と野本の引退試合
お人好し球団ではあるが、この日はチームの藤浪愛が勝り、ガルシアを打ち崩した。
当の藤浪も849日ぶりの完封を決めた。

あしたも天気か・・・ 虎観戦記 56【6/2】


134球5安打2四球7奪三振の好投。
こうやって自信を取り戻して、来季へ羽ばたいてほしい。
去年3勝どまりだったのが5勝しているのだ。プチ復活である。

ところで権藤博がこんなことを書いていた。

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評論というよりかは、藤浪への育成に対する思いが強すぎて根拠のない批判になっている。
去年のWBCで藤浪をぐちゃぐちゃにしておきながら、よくもこんなことが書けたもんだと思うが、逆にこれこそが藤浪の魅力である。
ポテンシャルが抜群すぎるゆえに、あらゆる評論家に自らの育成論を考えさせてしまう逸材。それが藤浪晋太郎
外野から聞こえてくる声に惑わされず、来季こそは二桁勝利を目指してほしい。

第131戦 vs中日22回戦【2018.9.28】

ナゴヤドーム
阪神 001 200 000 3
中日 001 021 00X 4
○岡田1勝 ●才木6勝9敗 S岩瀬2勝3S
阪神 小野、才木、岩崎、望月
中日 鈴木翔、福、又吉、岡田、祖父江、佐藤、岩瀬

お人好しチームの面目躍如。
前人未到の1000試合登板を達成した岩瀬にお祝いセーブポイントをプレゼント。
大差で勝っていれば岩瀬は出てこなかっただろうし、その逆もしかり。
いい感じの接戦を展開し、しかも相手に花を持たせる演出を施す。
見事である。
しかも岡田に今季初勝利までプレゼント。

ここは岩瀬の1000試合登板の偉業をただただ褒めよう。
20年連続で50試合登板しないと成しえない記録である。
プロ野球80年の歴史で初めて誕生した大記録。向こう100年出るか出ないかという瞬間をテレビ画面を通じてだが、目撃できたことをプロ野球ファンとして幸運に思おうではないか。
これが阪神戦でなければ、観ていなかっただろう。

さて、村田修一が東京ドームの巨人-ベイ戦に訪れ、試合後にスーツ姿で胴上げをされたそうな。
戦力外通告をしておいて、プロ復帰を夢見ながらそれが叶わず、独立リーグでそのキャリアを終えた選手を招いて胴上げさせるとは。
全く感情移入できない展開である。
巨人ファンはどんな思いで見つめていたのだろう。

第130戦 vsDeNA22回戦【2018.9.27】

阪神甲子園球場
ベイ 002 000 110 4
阪神 000 021 000 3
本 ソト36、37号 ロペス25号 大山11号 
○今永4勝10敗 ●桑原4勝2敗 S山崎2勝4敗35S
ベイ ウィーランド、砂田、今永、パットン、山崎
阪神 メッセンジャー、能見、桑原、岡本

今季は戻ってこないと思っていたメッセンジャーがあっという間に回復し、復帰登板。
しかし、ソトとロペスに被弾し、白星を得ることは出来なかった。
不用意な一発を喰らうことが多くなったメッセ。以前の力強い姿を取り戻してくれることを切に願う。

大山は乙坂のミスに乗じてランニングホームランを記録。
こういうラッキーな展開があると、だいたい勝つ流れになるはずなのに、能見と桑原がこらえきれなかった。
まあ、仕方ない。
今年は甲子園では打てないものなのだ。そう割り切る。
もう、クライマックスシリーズとかそういうのはどうでもいいから、気持ちよく勝つ姿を見たい。

第129戦 vs巨人24回戦【2018.9.24】

阪神甲子園球場
巨人 000 000 000 000 0
阪神 000 000 000 000 0
巨人 メルセデス、畠、山口俊
阪神 青柳、能見、桑原、藤川、ドリス

結局、この2連戦で巨人に勝つことが出来なかった。
これで、巨人がこの後の6試合を3勝3敗の五割で乗り切ってしまうと、タイガースは今後を10勝4敗で戦わないとクライマックスシリーズへの出場権を得られない。
かなり厳しい道のりとなってしまった。

とにかくメルセデスも畠も山口俊も出来が良かった。
ちょっと打てそうになかった。
我が軍も負けず劣らずであった。ドリスもイニングまたぎで頑張った。が、いかんせん甲子園では打てないから仕方ない。
特に9裏は無死1塁で1番糸原、2番森越が続けてバント失敗。
ハッキリ言って話にならない。
私が怒るまでもなく、首脳陣から二人とも怒られているだろうから、これからの成長に期待したい。


ロッテの岡田、大隣、中日の岩瀬、荒木、浅尾、西武の松井稼頭央が引退を発表。
岡田はプロ入りから2496打席連続本塁打無しのプロ野球記録を保持したままの引退。マニアックな記録を残してくれた。育成から這い上がり、守備で結果を残した名プレーヤーだった。
大隣はソフトバンクでの活躍が記憶に残る。2014年は彼に封じられて日本一への道を閉ざされた。
岩瀨。前人未到の1000登板に残り1試合と迫っている。優しい森監督の事だろうから、必ず登板させるだろう。50試合登板を20年続けないといけないという途方もない記録。中日の黄金時代は彼を抜きには語れない。
荒木。プロ野球史に残る井端と組んだ鉄壁の二遊間を対戦相手として見られたことを生涯忘れないことにしよう。
浅尾。華奢な体と甘いマスクでバシバシ直球を投げ込む姿は憎らしかった。素人目にケガしやすそうな投げ方だと思っていたが、やはり33歳での早い引退となってしまった。
松井稼頭央。日米2703安打はかなりの偉業である。90年代後半から00年代前半の西武はこの男抜きに語れない。俊足巧打、そして名手。しかもスイッチヒッタープロ野球選手の鏡である。

先日引退をした村田修一が28日の巨人対DeNA戦に呼ばれているらしい。
引退の引き金を引いた巨人主催の試合に顔を出すのは意外である。
そこにわだかまりはないのだろうか。
注目したい。

第128戦 vs巨人23回戦【2018.9.23】

阪神甲子園球場
巨人 000 001 010 2
阪神 000 000 100 1
○畠1勝 ●藤川4勝3敗2S S山口俊8勝8敗1S
巨人 今村、中川、アダメス、上原、畠、山口俊
阪神 青柳、能見、桑原、藤川、ドリス

甲子園だと打てなくなる。
原因は不明。
だから勝てなくなる。
甲子園では19勝34敗1分。本拠地での勝率が悪ければ、連勝につながらないので順位はなかなかあがらない。

青柳はかなり良いピッチングをしていた。
が、6表に二死からランナーを二人出したところで、能見にスイッチ。
金本監督の先手を打つ能見起用だったが、裏目に出た。
阿部にタイムリーを浴びて先制点を献上。
勝負手が決まらない。これも甲子園との相性の悪さか。

巨人も先手先手の継投でタイガースを封じた。
が、7回に上原から鳥谷が同点タイムリー。
若手起用采配のあおりで中途半端な使われ方になってしまった鳥谷。
北條が離脱し、植田が打てないならばショートで鳥谷スタメン起用もあるかと思っていたが、そのポジションには森越がいた。
この状況でも使われない。そこまで鳥谷は衰えてしまっているのか。去年のこの時期は2000本安打達成で喜んでいたというのに。
よもや今年終わりで引退することはないと思うが、来季もこの形ならばユニフォームを脱ぐことになるだろう。
なんだか切ない。

追いついたのもつかの間、8表に球児が追いつかれた。
またしても二死からの四球きっかけ。
この形で得点を取られるケース、今年はよく見る。
このところ失敗が続く球児。大丈夫だろうか、と思っていたら、翌日抹消された。
右ひじが痛いらしい。
ここにきて、球児までも離脱。
仮にCSに行ったとしても、満身創痍で勝ち上がれるとはとても思えない。

第127戦 vs広島23回戦【2018.9.22】

マツダスタジアム
阪神 036 002 101 13
広島 002 002 000 4
本 中谷4号 バティスタ25号
○藤浪4勝3敗 ●岡田8勝7敗
阪神 藤浪、岡本、伊藤和
広島 岡田、藤井皓、戸田、ヘルウェグ

カープ3連戦で勝ち越し。
2年続けて目の前での胴上げを見ることになるのかと思っていたが、猛打で回避。
藤浪が投げると、打線爆発。
藤浪LOVE打線。
これだけ取れば藤浪とて安心して投げられるだろうという野手陣の愛である。
6回7安打9奪三振4四球4失点。124球。
未だ余計なボールは多いが、着実に復活の道を歩んでいる。
特にこの日は丸、鈴木を完全に封じ(フォアボールは与えているが)、カープ打線を乗せなかった。
進歩のしるしである。
この連戦、そして来季に向けて頼もしい右腕が帰ってきた。

ロッテの福浦が2000本安打を達成。
千葉生まれ、習志野高校出身、ロッテ一筋25年。
ファン、同僚に愛された男の大記録。
ここに福浦が入団した94年の選手名鑑がある。
ドラフト7位。投手。背番号70。
「地元出身の期待の左腕。チームメイトとなる前田(幸長)を目標とする。140キロの速球を武器に強気の投球を目指す。打撃でも高校時代20本塁打以上と非凡な野球センスを持っている。まずはファームでプロの体を作ることを肝に銘じて、3年計画で1軍に上がろうと考えている」
とある。
この3年計画が奏功したのか4年目に非凡な野球センスが開花し、前田のようにはなれなかったが打者としてチームの主軸を担うことになった。
来季もまだまだ現役を続ける福浦の巧打をこれからも見守っていきたい。

DeNAのG後藤武敏が引退。
全く思い入れのある選手ではないが、引退式で横浜高校の同級生であった松坂と小池が花束を贈呈し3人が号泣している姿はドラマチックであった。
数日前に、名球会入り選手が一人もいないことを意地悪く書き立て、「松坂世代――それは松坂に翻弄された同世代の選手たちの総称である」と締めくくった駄文をネットで目にした。
デイリー新潮であった。さもありなん、である。
痴漢とLGBTの区別もつかなくなってしまった出版社に、松坂世代の偉大さは死んでもわかるまい。
一つの世代が一人の選手の名称で呼ばれ、それぞれの選手が各球団で魅力あふれるプレーを披露し、多くのファンを魅了してきたことがいかに特異なことであるか。
まあ、私が今さら書くことでもない。プロ野球ファンなら誰でも知っていることである。
ちなみに我らがチームの松坂世代藤川球児は今季700試合登板を達成。これまでに15人しか成し遂げていない記録である。
2000本安打打者が52人。200勝投手が24人。
球児がいかに偉大な記録を打ち立てたかを新潮社に教えてあげたい。