阪神タイガース観戦記

このブログは阪神タイガースの試合を私見で振り返るものである。

第10戦 vs巨人2回戦【2023.4.12】

東京ドーム
阪神 000 100 010 1 2
読売 000 000 010 0 1
本 ノイジー1号 岡本1号
○岩崎1勝 ●田中豊1敗 S湯浅4S
阪神 村上、石井、岩崎、湯浅
読売 メンデス、鍵谷、大江、大勢、田中豊、高梨

この日は後輩男子の講談師Ⅰが同行者。彼は別にどこのファンというわけでもないが、私と観に行く時は持ち前の調子の良さで先輩を立ててタイガースファンとなる。
そして、これはとても大事なことだが、彼と観に行く試合はかなり勝率が高い。

果たして、此度も辛くも勝利した。
少なからず彼の神通力が助けになったのかもしれない。真打になった暁には盛大な宴会を開いてあげよう。

後ろの勝ちパターンのピッチャーでね。みんなで完全試合っていうのも頭をよぎったんでね。

元々6回くらいまでの予定だったのだろう。たまたま一世一代のピッチングをした。けれど、それでも7回まで。
岡田彰布の起用法がブレることはない。それが名将たるゆえん。
ただ、ここまで来たら石井-湯浅による継投完全試合にしてしまおうとは考えた。
石井の被弾により失敗はしたが、成し遂げていればそれはそれで大記録だった。
周りから続投させていれば、と言われることは百も承知での継投策を迷いなく打てる岡田監督の胆力に惚れ惚れとする。

★ピックアップ
・村上頌樹
文句なし。
私たちは鳴尾浜のエースが虎のエースになった瞬間を目の当たりにしたのかもしれない。
3回までパーフェクトだった時点で、4回からあと18人、17人と数えはじめ、7回終了時にあと6人! となった時は非常に興奮した。
8表に村上の打順で原口が代打に送られたのは勝つための策。やむなし。1点しかリードしていない局面で、指揮官が確実に勝ちを取りに行ったのだ。結果的にチームは同点にされたが、それで村上の投球が色あせることはない。
村上が読売打線を7回までパーフェクトで抑えたことは、今後、虎党の間では永遠に語り継がれる快挙だ。
岡本に同点弾を浴びた石井が「ほんとに申し訳ないことをしてしまった。頌樹(村上)に勝ちをつけられなくて申し訳ない」と詫びると、「落ち込まないでください。次、僕が迷惑かける番なので」と返す人間力。ドラフト同期の絆。泣ける。

《試合メモ》
岩貞、昇格。
芳根京子の始球式がかわいかった。

・2表。サトテルがライト線へヒット。そして盗塁。頑張ってる。私は君を信じてる。
・4表。ノイジーが先制&来日初となるソロアーチをレフトスタンドへ叩き込む!

・6裏。9番メンデスのセンターへ抜けようかという打球をセカンド中野が好捕。さすが日本代表。
・先発の村上。7回84球無安打無四球5奪三振無失点。走ってベンチに帰っていく姿も好もしい。
・9裏。岩崎、無失点ピッチ。さすが金メダリスト。そして今季初勝利。
・10表。先頭の木浪がフォアボールで出塁。その粘りが勝ち越し点を生んだ。えらい。
・続く梅野がパスボールで2塁へ進んだ木浪をキッチリ3塁へ送るバントを決める。
・そして近本がフルカウントからレフトへ勝ち越しタイムリーヒット! さすが選手会長。そのあと盗塁も決めた。
・得点にはつながらなかったけど、その後の植田海が粘ってフォアボールを選んだのもとても良かった。
・10裏。湯浅が無失点ピッチで試合を締める。さすが日本代表。
《ちょっと反省》
浜地、降格。試合前に岡田監督と話してたね。復活してまた苦しい時を救ってくれ。

リュックサックにスポニチ版の選手名鑑。

・8裏。石井が岡本に同点弾を許す。無念。だが、その後の三人を全て三振で片付けた。よくぞ切り替えた。その姿に感動した。

被弾直後。その無念の思いは3階席まで伝わって来た。

・相変わらず打てない。ポップフライしか打てない。通天閣打法でも習得中なのか? 今岡水口コーチ、何とかしてください。

●指揮官コメント全文

-いろんなことがあったが今の心境は
「いやいや、まあ勝ったからね、よかったようなものの。頭のなかでずうっとね、完全試合いけたんかなあっていうね。それは残ってますね。ちょっとね、片隅にね」

-先発村上は7回パーフェクト
「そう、まあ6回も考えたんだけどね、7回ね、打順とかがまわってくるあれで、後ろも投げてなかったんでね。まあ初めてやったんでね、完全試合の、そういう継投っていうのはね。でも、あそこまで投げたらね、ほんと合格点で、あとはまあ、ね。後ろの勝ちパターンのピッチャーでね。みんなで完全試合っていうのも頭をよぎったんでね。まあ、あの(石井の)1球はもったいなかったけどね」

-村上のプロ初勝利もかかっていた。球の評価は
「もう、キャンプからね、長いイニングいけるねと。去年まではずっと先発やってたんで、ファームのほうで。いろんな話をキャッチャーから聞いても、ストレートがね、4,5キロ速くなったって、去年よりもね。速くなってるいうのはずっとわかっていたんで。どうだろう。チャンスで、雨とかでね、伊藤将のあれで、チャンス回ってきて。これは当然ね、もう次もそういう形でね、先発やらさないといけないですね、はい」

-あとを託した石井投手、あの1発が、というところ
「まあ入りね、入り…難しいかわからないけどね。まあ、なんかちょっとブルペンでね、変化球はちょっとうわずってたいうんでね。こういう局面というかね、ゲームの流れ的には、本当1発ね…。この球場もそうだけど、そういうのは注意しないといけないんだけど。次のいい教訓にね。石井もそれは、今年初めて、そういう競ったゲームっていうかね、経験してるんで。次は失敗のないようにしてくれたらいいと思いますね」

-打撃の方では、中軸ノイジーに1発が出た
「本当に1発だけだもんね。まあでもね、ずっとこういう展開が続いてるけど、どっかでやっぱり吹っ切らないとね、ぉん。なかなかね、このままではいかないんで、やっぱりどっかでこう、爆発してほしい気はあるんだけどね。それは明日期待しますよ」

-延長に入ってからは、先頭の木浪がフォアボールを追い込まれてから、もぎ取った形
「いやいや、もうね、当然1点勝負で、まあ先攻なんでね、もうなんていうか、とにかく先っていうかね、フォアボールでもやっぱりもうヒットと同じなんで、先頭出たのが大きかったですね」

-最後近本が決めたが
「サードまで行けたんでね、バントも含めて。近本はもうなんかね、なんとかしてくれるとは思ってましたけど」

-岡田監督にとっては08年以来の巨人戦勝利
「いやいや、それはもう全然気にしてないですね。まあ今年ね、昨日は最初のゲームで、ああいう負け方があったんで、今日はなんとか勝ちたかったんで、まあね、五分になってよかったと思いますね」

-明日はカード勝ち越しをかけて先発西純投手ですが、どのようなゲームを期待
「(西純は)前回ちょっと悪かったんでね、ちょっと雨の影響もね、あったんですけどね。明日はぜひいいピッチングしてほしいと思いますね」

(囲み)
-村上の継投は悩んだか。
「いや全然悩まんかった(笑)それは悩まんかった、ぉん」

-空振りが取れなくなっていたから
「ちょっとね、6回くらいもちょっと考え…ボール、そらね、初先発でね、最初からね、ローテの谷間っていうかね、そういうチャンスが回ってきたわけだから、当然最初からどんどん飛ばしていくというか、でもまあ、調子がいいというのはずっとね、聞いてたんで、まあ、あんなピッチングするとは思わんかった、逆にね(笑)だからね、4回、5回ね、フォアボールも出してないしなというのはあったけど、7回、先頭(打者)だったんだけど、あそこ左も用意しとったから、ぉん、2、3(番)と左が並ぶところでね、ぉん。とにかくあそこまで投げてくれたらいうのはあった。後ろで、そら完全試合いうのはあったけど、3人で完全試合という方をね、優先したんや(笑)」

-あと村上に勝ち星がついていれば
「そうよね、まあでも、これは(村上に)勝ち星というより勝ち星よ、ぉん。チームの中では勝ち星ついてるよ」

-最後勝ち切ったっていうところ
「そうよね、やっぱり大きいよな。ヤクルトの時と同じような展開になってな。結局ね、どっちも点取れんっていうかな。うん」

-勝ち切ったの大きいが先ほども言われたように打線がもっとというところ
「いや、それはもうなあ、もう1週間言うてるで。1週間言うてる」

-しっかり断ち切ってくれた。湯浅の存在っていうのも大きかった
「いやいや、まあ、追い越さんかったらな、まだ投げてなかったと思うけど、追い越して1点でもな追い越して湯浅行くがあれでな。いやまあ湯浅は先頭ちょっとヒット出たけど、まあ0点には抑えてくれるっていうかな。そういう信頼はある。湯浅に関してはね」

-佐藤もヒット1本打ってましたけど
「うん、1本だけやろ」

-佐藤があそこで、チャンスで打ってれば楽に
「あー9回か。まーそんなん言うてもしゃあない」

-今日は村上くんの好投が勝利に結びついたっていうのは、チーム一丸の大きい勝利だったと思うが
「いやいや、大きい大きい。それはもう全然大きいよ、勝ちは誰になったん? 今日は岩﨑か? チームの勝ち星は村上でええやろさ。当然やんそんなんな当たり前やん」

-坂本がすごく村上の良さを引き出してたかなと
「うん、もうブルペンからね、もう発揮しとったからね。もうそら梅野にしても坂本にしても、村上が1番調子いいですって言うとった。だから安心して、リードしたんちゃう?」

-今後もローテで使える投手の目処がついたのが大きい
「そうやなあ。それは使わんとなあ。当たり前やん、そんなの。あんなピッチングして、使えへんことはないわ。明日の西純のほうが心配や。こないだのブルペンでもな、昨日のブルペンでも」

-こういう7回まで完全試合は初めて
「初めてやわ」

-長年
「ないないないない」

-どういう感じ
「どういう感じもくそも1-0で勝ってるわと思っとった。そんなのお前。そんなん意識してないけど、お前なあ。あと2点ぐらいあったらな。行かしたかもわからん。3-0やったら。あとな。3-0やったら。たぶんもうな、ここはホームランとかあるから、ヒット打たれるかな。1点なんや…」

-球数のメド
「6回いってくれたらいいと思ってた。はっきり言うて。ぉん。だからもうきょうは村上、富田でいこかなと思ってたからな。7、8回ぐらいまで。佐々木朗希やったら投げさせとったけどな。1-0でもな。投げさすやろ。村上じゃ3-0じゃないと投げさせられない。そのへんは違うところ」