阪神タイガース観戦記

このブログは阪神タイガースの試合を私見で振り返るものである。

12月の野球備忘録①

12月。日米野球的なイベントも終わり、話題は専らFA移籍関連の季節。台湾でウインターリーグは行われていたが、さほど熱中するほどのものではない(密かに期待している藤谷洸介のバッティングはチェックしたが、解説の西山からは「バッターとして覚えることはまだまだたくさんある」と辛い評価だった)。

そんなある日。仕事で撮影現場の出演者と軽く世間話をしていたら、野球の話題になった(私の現場服は基本的に阪神タイガースがあしらわれており、自然と野球の話題になることが多い)。

聞けばその彼の父親はタイガースで打撃投手をしていたというではないか。故に少年時代は甲子園の食堂でよくカレーを食べていたという。「新庄とも話しましたよ」なんてさらっと口にする。

公の場ではない所で選手にふれあう機会はそうあるものではない。まして、取材陣からも離れた場所で見せる選手の素顔はとても貴重なものだ。それを少年時代に日常的に経験しているとは。なんと羨ましいことか。

だが、その彼は野球の道には進まず俳優を職業とした。スポーツとしての野球もほとんどしなかったという。しかし、彼の弟は野球の道を進んだ。プロを目指し、独立リーグまで行ったがNPBに入ることは出来なかった。それでも、血統なのだろう。今はロッテで打撃投手をしている。

「この話を野球好きの人にすると、みんな『お父さんも弟も凄いじゃん』て言うんですよ。自分は野球のこと、そこまでよく知らないんですけど、こうやって周りの人から家族が凄いんだ、って知るんですよね」

かくいう私も「凄い」と口にした。

後々、調べてみれば父親もプロを目指したものの、テスト生どまりでプロのマウンドには上がれなかった選手だった。

親子でプロ未経験ながら打撃投手。期せずして貴重な話を聞くことができた。