明治神宮野球場
阪神 101 010 041 8
ヤク 000 000 020 2
本 マルテ1号 サンズ3号 山田1号
○ガンケル1勝 ●奥川1敗
阪神 ガンケル、加治屋、石井大、小野
ヤク 奥川、近藤、坂本、吉田喜、大下
3/21のオープン戦最終戦に登板したガンケルはとても良い出来だった。その出来を維持していればそう易々とは打たれないだろう。
対する奥川は期待の星なのだろうが、これまで5イニングさえまともに投げ切ったことのないピッチャーだ。
開幕3戦目に彼を投げさせなければならないヤクルトの台所事情いかばかりか。
というわけで、負けるわけにはいかない試合だった。
野村克也追悼試合と銘打たれたこの試合。本来ならば昨季行う予定であったが、コロナ禍により延期していた。
ヤクルトで監督としての名声を揺るぎないものにし、タイガースでそのプライドを打ち砕かれた野村克也にとってふさわしいカードである。
というわけで、両軍とも背番号73でプレイボール。
今季のタイガースはノムさんが指揮を執っていた頃の打てない投げられないタイガースではない。
エースがいて、4番がいて、頼れる助っ人がいる。
その頼れる助っ人サンズが初回にタイムリーを放つ。あと一死で攻守交代だった奥川の出鼻をくじくレフトへの見事な当たりだった。
3表、もう一人の頼れる助っ人マルテが打った瞬間ソレとわかるアーチを放つ。
この打席に入る前、同行の友人に「ホームランを打つ気がする」と告げていた私。見事、私を予言者にしてくれた。
5表は糸原がタイムリー。二死から打つタイムリーは相手にとってダメージ大。いい仕事をした。
頼れるのは打の助っ人だけではない。
投の助っ人ガンケルは6回108球3安打2四球5奪三振無失点で試合を支配した。昨季よりもコースに球を決められるようになっている気がする。ボール自体のキレも良くなっているのではなかろうか。オフに鍛錬を積んだのであろう。今季に懸ける意気込みがマウンドから伝わってくるようなピッチングだった。
奥川を5イニングでマウンドから引きずり下ろした。
彼はどのみち、今後ヤクルト投手陣を引っ張っていく存在になる。苦手意識を植え付けるのはとても大事なことだ。まだ成長しきっていないうちに叩けるだけ叩いておくのが肝要だ。
8表にサンズのホームランなどで4点を追加。
完全に楽勝ムードとなった。
ホームランは観ていて気持ちが良い。生観戦の大いなる醍醐味だろう。
まだ3試合しか消化していないが、サンズは三冠王。このまま調子を落とさずに頑張ってもらいたい。
8裏に石井大が山田にホームランを打たれてしまったのは残念だが、新人投手にはいい勉強になったはず。こういう展開で打たれる分には構わない。
9表に山本の犠牲フライで1点を追加し、最後は小野が締めた。
本来、小野はこういうところで投げるピッチャーではない。先発として試合を作ってほしい選手だ。この日も三者凡退で抑えたわけではなく、決して快投という感じでもなかった。今のポジションできちんと結果を出し、首脳陣の信頼を高めていってほしい。
攻守交代の合間にバックスクリーンのビジョンにノムさんの思い出が流れるのだが、矢野監督のメッセージが胸熱だったので載せておく。
タイガースでは数少ない教え子ともいえる矢野が優勝したら、ノムさんもきっと嬉しかろう。
今秋、大いに楽しませてくれることを期待している。