阪神タイガース観戦記

このブログは阪神タイガースの試合を私見で振り返るものである。

第21戦 vs巨人6回戦【2019.4.21】

阪神甲子園球場
巨人 000 100 101 3
阪神 000 000 000 0
メルセデス2勝1敗 ●西2勝2敗 Sクック1敗6S
巨人 メルセデス、中川、クック
阪神 西、ジョンソン、ドリス

巨人に再びの3タテを喰らう。
この身を覆う巨大で重い鬱屈した空気。
巨人に負けるということ。
悔しく、悲しく、苛立たしいということ。

打てないのはここ数年来の課題なので、もう球団一丸となって頑張ってもらうしかない。
連敗ストッパーの西でさえ連敗を止められなかったことに来週への不安を隠しきれないが、ずーっと負け続けるなんてことは無い。いつかは勝つ。
西には《頑張って投げても勝てない》という阪神打線の洗礼に負けず、心を鍛え、更に強く逞しくなってほしい。

この試合の何が悔しいかと言えば、まともな判定がされないこと。
昨年末、これまで感じていた審判員の拙さに「どんな指導をしているのか」と参加したアンパイアスクール。
そこでは、主に関東のNPB審判員たちが親切丁寧に審判員の心得、初歩的な技術、野球規則を教えてくれた。その覚えなければならないことの多さ、見ていなければならないポイントの多さに、プロの審判員の凄みを知った。
職人。まさにそういう役職だった。
だが、職人にも優劣はある。腕が落ちても「職人」を名乗ることは出来る。
今のNPBに一流の職人はいないのか。
そう。今日の試合の4表のプレーはどう考えても納得できないのだ。
無死1塁。1塁走者はビヤヌエバ
打者の岡本は西の変化球をひっかけ、ショートゴロ。
木浪は捕球寸前でボールがイレギュラーしたため、やや窮屈な体勢でセカンドの糸原に送球するも、判定はセーフ。
糸原は打者走者の岡本を刺そうとファーストへ送球。
この時だ。1塁走者のビヤヌエバが2塁塁上でセーフのゼスチャー。このセーフの腕が糸原の送球コースを妨げ悪送球に。
送球したボールはカメラマン席へ入りボールデッド
送球によるボールデッドは2個進塁が与えられる。そのため、1塁走者のビヤヌエバは2塁でセーフ判定なので、2塁から二つ進みホームインしてしまった。
矢野監督による審判員への確認があって、さらに審判員4人で協議した結果がこの判定である。
ポカーン。
ちょっと待て。どう考えてもビヤヌエバの守備妨害だろう。
野球規則の反則行為の項の6.01a(10)に
「走者が打球を処理しようとしている野手を避けなかったか、あるいは送球を故意に妨げた場合」は
インターフェアであると書かれている。
ビヤヌエバの行為は「送球を故意に妨げた場合」にあたるはずだ。
今では厳しく取り締まられる「ゲッツーを防ぐために1塁走者が大きなゼスチャーでセカンドに滑り込む」のと何ら変わらない。むしろ全く必要のない走者によるセーフゼスチャーなどそのスライディングよりたちが悪い。
メジャーまで経験している野球選手ならば、そのゼスチャーが守備側にどんな影響をもたらすかわかっているはずだ。これが故意でなくてなんだというのだ。
また、6.01(b)〈7.11〉守備側の権利優先の項には
「攻撃側チームのプレーヤー、ベースコーチまたはその他のメンバーは、打球あるいは送球を処理しようとしている野手の守備を妨げないように、必要に応じて自己の占めている場所(ダグアウト内またはブルペンを含む)を譲らなければならない」
とある。
基本的に攻撃側は守備側のプレーを妨げてはいけないのである。
ビヤヌエバの肩を持ちたい御仁には「糸原は送球をしようとしていたから【送球を処理しようとしている野手の守備を妨げないように】というのにはあたらない」
という意見もあるかもしれない。
だが、5.09アウトの(b)走者アウト(3)の項に
「走者が、送球を故意に妨げた場合、または打球を処理しようとしている野手の妨げになった場合」
とある。
走者は送球を妨げればアウトになるのだ。
これだけハッキリと、野球規則に「反則行為」として明記されているのに、審判団が下した判定はボールデッドによる2個進塁であった。
4ヶ月前に野球規則本に蛍光ペンでアンダーラインを引き、必死で覚えたルールが目の前で覆された。
この試合の責任審判、眞鍋勝己は昨年の最優秀審判としてNPBから表彰されている。
他の杉永政信、佐藤純一も2000試合出場を超えるベテラン審判。残る一人の山本貴則も750試合以上の経験がある。
その審判団が導き出した答えがこれである。
日本の審判レベル、ここに極まれり。

このプレーに対する納得のいく説明を誰かしてくれまいか。