阪神タイガース観戦記

このブログは阪神タイガースの試合を私見で振り返るものである。

第115戦 vs中日18回戦【2021.9.21】

バンテリンドームナゴヤ
阪神 002 000 001 3
中日 000 002 000 2
○岩崎2勝3敗1S ●R.マルティネス3敗18S Sスアレス1勝1敗33S
阪神 秋山、小川、及川、岩崎、スアレス
中日 柳、祖父江、又吉、R.マルティネス

◆試合メモ
・梅野死球を秋山が送り、近本、中野、糸原の3連打で2点を先制。主軸が打てないなら打てる人で点を取るしかない!
・近本はマルチ安打。最多安打のタイトルは独走中。てか、首位打者もいける!(1位に5厘差)
・中野は100安打到達!
・秋山、5回までしか投げなかったけど0で抑えた。
・岩崎が安定の金メダリストピッチング。
・無死2塁でフルカウントまで粘ってファーストゴロを打ち、進塁させたサンズはえらい。島田の盗塁を空振りしてアシストする自己犠牲精神は立派。
・そして、ちゃんと盗塁決めた島田はエライ。とてもエライ。
・木浪が勝ち越し犠飛。スタメン起用した矢野采配ズバリ!
スアレス、安心のパーフェクトピッチで33セーブ目。
・柳は全然良くなかったのに打ち崩せなかった。
・小川、ボール先行の不安定ピッチングでピンチを招き、同点にされるきっかけを作る。若手は褒めるとすぐにボロをだす。。

9月27日の朝刊に岩田稔が来季の戦力構想外であることが伝えられた。
10月31日に38歳になる左腕。
今季は7月7日から13日にかけて中継ぎとして3試合に登板し、防御率0.00。だが、いずれの登板でも死球やヒットでランナーを出し、スムーズなリリーフが出来たとはとても言い難い内容であった。
特に7月7日の今季初となる一軍での登板は目前で観戦していたが、回の頭から投げていた齋藤がヒット、送りバント、タイムリーであっと言う間に失点し、なおも一死2塁というピンチで岩田稔が救援登板に上がるという展開だった。
今まで主に先発でやってきた男が再起を図って中継ぎで勝負する初めての一軍での登板。
あわよくば能見のようにうまいこと再生してはくれまいか...そんな思いで観ていたが、2ボール1ストライクからの4球目にワイルドピッチ。2塁走者は3塁へ進んだ。そして5球目に打者青木へデッドボール。
たった5球で呆れるほどピンチを広げて、岩田稔は石井大にマウンドを譲った。

「終わったな」
そう思った。
優勝争いをするチームにこんな状態の岩田稔を起用する余裕はそうそう訪れないだろう。
ファームではそれなりに結果を出していたが、一軍では力が通用しなくなったのだろう。
彼は昨年の10月1日に中日戦で勝利した際に「消えそうで消えないマジックが岩田稔」と自らをたとえた。私はそんなマジックを使うくらいなら新しいのを買うだろう、と思った。だが、首脳陣はペン先を除光液に10分浸すと再生するマジックのように、再びきちんとインクが出ないものかと中継ぎ起用を試した。
しかし、もうインクは残ってなかった。使い切ったのだろう。

16年間で60勝。
たくさん勝ったかと言われればそうでもない。二桁勝利も1度しかない。
それでもタイガースファンは岩田稔が糖尿病を抱えながらチームのために必死で腕を振っていたのを知っている。2010年代は岩田稔なくしてローテーションは回らなかった。
捉えられそうなのに捉えられない。巧みな投球術とスライダーで積み上げた60個の白星。そして、悔しくも敗れた82個の黒星もまた、投げ続けたことの勲章だ。

近日中に今後のことが球団と話し合われるという。
現役続行なのか、引退なのか。
いずれにせよ、タイガースのユニフォームは脱ぐことになる。
同じ日に伝えられた白鵬の引退も寂しいが、やはり岩田稔がいなくなることの方が寂しい。