発売と同時に即売り切れになったチケットだったが、何とか外野レフト指定席をつかみ取ることが出来た記念すべき試合。なのに、まさかこんな試合になろうとは、、、

タイガースナインには猛省してほしい。
よりによって今日という日に、ここ数年で最もひどい試合をしたのではないか。
打ったヒットは1本のみ。

1表、一死1、2塁の場面、岡本のセカンドゴロを小幡が見事にトンネル。おあつらえ向きのゲッツーコースの打球は一転して、先制点を献上するタイムリーエラーとなり、なおも一死1、3塁という大ピンチになった。
続く丸にタイムリーを打たれさらに2点目を献上、さらにさらに田中俊にもタイムリーを浴びて3点目もプレゼント。

今日は藤川球児引退試合
あれ? みんな知ってるんだよね?
なんで、こんなだらしないことになってるの?

打線さえ奮起してくれれば3点差はどうにかなる数字。
現に11/5は6点差を逆転し、勝利したではないか。
が、奮起しなかった。
なんと7回までノーヒットに封じられた。
日本シリーズへの調整登板でしかない畠、戸郷、桜井に。
しかも桜井は8表の打席に立ったのに、その裏に高橋に交代している。
巨人ベンチから完全に舐められた采配をされている。
その高橋から辛うじて中谷がセンター前に運んだのが、この日唯一灯された「H」ランプ。
半ばヤケになった虎党がここぞとばかりに盛り上がるのが、逆に切なかった。

試合前から球児を「9回に投げさせる」と明言していた矢野監督。
願わくば、セーブシチュエーションで、それでなくてもリードしている状況で球児をマウンドに迎えたい。
そんな中で『every little thing every precious thing』が場内に響き渡れば、号泣してしまう。
球児が引退発表して以来、幾度となくそんな情景を思い浮かべては涙があふれてきてしまうのをこらえる自分がいた。
だが、現実は4点ビハインドでの登場だった。
感動半減。半減どころか8割減。

調整登板の投手たちを打ち崩せず、イージーゴロきっかけの失点と押し出しの失点でリードを許した展開で藤川球児がマウンドに立っている。
敗戦処理
球児にもっとも似合わないシチュエーションだった。

坂本と中島の役者ぶりに感謝しよう。重信も後々のカルトクイズ的にはセカンドフライという幕切れも悪くなかったと思う。
球児自身が気持ちよく、目いっぱい腕を振れているのが救いだった。

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小幡は今日眠れないかもしれない。
大事な先輩の花道を思いっきり汚したのだから。
だが、球児も03年4月11日の東京ドームでの巨人戦で、9裏二死1、3塁で登板し、代打・後藤に同点3ランを浴びた。
打たれた時の呆然とした球児の顔をよく覚えている。
ドラ1で入団したピッチャーだけど、こんなもんか。
そんな印象だった。
だが、2年後にはJFKの一角としてチームを牽引する存在に生まれ変わっていた。
「必ず見返してやる」
その一心が球児を最強のピッチャーに育てたのだろう。
大切な試合で痛恨のエラーをした小幡にも、きっと「見返してやる」心があることだろう。
数年後に、激しいポジション争いを制し、不動のショート(セカンドでも良し)としてタイガースになくてはならない存在となっていること願う。
いや、むしろそうなっていなくては今日のエラーは取り戻せない。

全く打てなかった打撃陣も然り。
「矢野監督を日本一の監督にさせてあげましょう」
球児のラストメッセージを実現させないことには今日の不甲斐なさ、情けなさ、体たらくといった悔しさが晴れることはないだろう。

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偉大な選手が去っていくこと。
その選手をしょうもない試合で送り出したこと。
ただただ悲しかった。

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