阪神タイガース観戦記

このブログは阪神タイガースの試合を私見で振り返るものである。

第82戦 vs巨人11回戦【2019.7.8】

阪神甲子園球場
巨人 100 101 010 4
阪神 011 000 100 3
本 坂本2号 大城4号
○大竹2勝 ●ジョンソン2勝1敗 Sマシソン1S
巨人 菅野、田口、大竹、中川、マシソン
阪神 西、能見、ジョンソン、小野

12球団で一番嫌いな球団を選べ、と言われたらやはり巨人を選ぶ。
阪神ファンとして生きてきた以上、この選択は致し方ない。
物心ついた時から『猛虎伝』や『タイガースよ永遠に』などなど、数多くのタイガース礼賛VHSを繰り返し観て育ってきた。
その映像の中でいつもタイガースの前に立ちはだかるのは巨人だった。
戦前ならまだしも、実際のところはタイガースが弱いだけなのだが、構成はライバル巨人に立ち向かうようにビデオは作られていた。
こんなものをずーっと観てきたのだから『巨人憎し』で心が形成されていくのは仕方ない。
対戦相手が巨人でもないのに、外野スタンドからのメロディに「くたばれ読売!」と叫ぶことは無いが、心の奥底ではそういうふうに思っている。
何も大声で叫ぶことは無い、心の中で念ずれば奴らはおのずとくたばる―
そういう心情だ。

それゆえに、巨人にはより一層負けたくない。
まして、それが前半戦最後の3連戦でゲーム差こそあるものの1位、2位という立場での試合ならなおさらだ。
だが、負けた。
しかも1点差。
悔しい。あー悔しい。

先発は西。
前回の登板から【粘ったけど頑張った】というスタンスを取るのはやめた。
エースとしてFA移籍してきた以上、結果を出してもらわなければ困るのだ。
1表。
1、2番を抑えた後に二者連続四球。そして大城に先制タイムリーを浴びた。
こういう取られ方が多すぎる。
相手は菅野。絶対に先制点を与えてはならない試合で二死からフォアボールきっかけでタイムリーを打たれるなど最悪の立ち上がりだ。
それでも坂本誠志郎の活躍で逆転した4表。
二死1塁の場面で菅野にセンターオーバー二塁打を浴びて同点に追いつかれた。
確かに菅野はバッティングが良いが、投手にタイムリーを打たれるなんてことは言語道断。
そして6表。
先頭の大城にソロを浴びて勝ち越される。
不用意すぎる。エースにあるまじきピッチング。
6回100球6安打2四球5三振3失点。
これだけ見れば及第点だろう。だが、我々は及第点のより上を望んでいる。

打撃陣は菅野を相手に粘り強く得点を重ねた。
特に昨日の試合で手首を痛めた梅野に代わり、この日のマスクをかぶった坂本の奮闘は胸を熱くさせた。
だが、常にランナーを出す展開を生み出しておきながら3得点では寂しい。
12安打、5四球。残塁は実に16を数えた。
「あと1本」何度、当ブログで書いてきたであろう。
4番大山にあっては常にランナーを背負った場面で3三振。無念である。だが、大山に関しては「我慢」を決め込んだのだ。いちいち責めることはしない。

勝負の分かれ目は8表。
我らがジョンソンがドリスばりのミスをしでかしてしまい、決勝点を奪われた。
一塁への牽制悪送球からの失点。増田大の好走塁をもてはやすスポーツ紙だが、この牽制ミスが痛すぎた。
更に増田大は三盗を決め、一死3塁。
陽の当たりは前進守備の植田の元に。
全力で駆け込んで本塁タッチプレーに持ち込みたかった植田だが、その打球は植田のグローブを弾きレフトへ転がっていった。
守備のプレーヤーとしての起用なのだから捕ってほしかったが、矢野監督は責めなかった。
あそこはしゃあない。止まって止めてもしゃあないしさ。アウトにするためには攻めていってホームに投げるしかないから。全然、しゃあない。アウトにしようという気持ちだった。
矢野監督、植田のこと責めない。
6月5日の打ったらGOで外野フライゲームセットでもかばったし(

第57戦 vsロッテ2回戦【2019.6.5】 - 阪神タイガース観戦記

)、植田がヒットを打つ時が、どの選手が打った時よりも嬉しそうな顔をする。
そういえば掛布も「海くんはかわいい」みたいなことを言っていた気がする。
植田には年長者の心を掴む何かがあるのだろう。

この敗戦で巨人とのゲーム差は7.5。
厳しい数字になってきた。
この3連戦、3連敗するとセ・リーグの灯が消える。気がする。
少なくともタイガースの灯は風前の灯となろう。
明日、明後日、意地を見せ、勝利をつかんでもらいたい。