イチロー
2019年のMLBが日本で開幕戦を迎えた。
アスレチックスvsマリナーズ。
注目はなんといってもイチロー。
昨年の5月3日に球団会長特別補佐という謎の役職に就き、その後のシーズンには出場せず、でもユニフォームは着て練習し続ける、という奇妙な形で「現役」を続行した。
個人的には、去年のこの出来事でイチローという選手の寿命は尽きたと思っているが、日本の報道は私の知る限り彼に好意的で、キャンプからオープン戦とほぼ結果の出ていない選手なのに「まだまだ夢を見させてくれる存在」として扱っている。
だが、廣済堂出版が毎年出版する【メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2019】ではイチローについて、極めてドライに、そして的確に評していた。
“ディポートGMは海外での公式戦は枠が通常の25人から28人に拡がるので、イチローを開幕戦のメンバーに入れるのは難しくないと判断したのだろう。その試合で、引退セレモニーがおこなわれて、日本のファンに別れを告げてユニフォームを脱ぐのか、東京での2試合が終わったあと、ロースターから外れて球団会長特別補佐に戻り、半分コーチで半分現役のような状態を続けるかは、本人次第だ”
スポーツ紙もこのくらいのことをバシッと書いてほしい。去年、結果を残せず解雇扱いだった選手が、オープン戦でも全く打てないのに開幕戦でスタメン起用であることを疑うべきである。
そして、今日の試合の4回裏の交代シーン。イチローは一度守備位置に就いたのに、交替を告げられ、各選手とハグし、アスレチックスベンチも拍手を送りながらダグアウトに去っていった。
ここまで終末感を漂わせているのに、スポーツニュースは「調子は上がって来ている」と報じていた。
なんだかイチローのことが嫌いみたいな論調になってしまった。別に好きでもないが。
もちろん彼の功績は偉大だし、この「もう終わった」という私の認識を覆してほしいとも思っているが、あまりに現実から目をそらしている報道に疑問を持ったのである。
藤浪のことは散々叩くのにさ。