阪神タイガース観戦記

このブログは阪神タイガースの試合を私見で振り返るものである。

沖縄キャンプの旅④

2月7日。
宜野座キャンプ旅もこれが最終日。
キャンプ日程が確定する前にスケジュールを立てたのにも関わらず、1日目(沖縄入り)・休養日(根尾くん、村上宗隆観られた)、2、3日目(宜野座)・練習(サインもらえた)、4日目(宜野座)・紅白戦、翌日(帰京日)・休養日という形でハマったのは我ながら見事な勘であったと思う。

そう。この日は今キャンプ初の実戦。午後から雨予報という事もあり、本当は13時開始だったところを11時開始に繰り上げたらしい。球団、ナイス判断。

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毎日張り出される練習スケジュール

練習も観ていて楽しいが、やはり試合の方が盛り上がる。
この日も前日と同じ時刻に宜野座入りしたので難なくスタンドの席を確保。
グラウンド整備から選手が入ってくるまでののんびりした時間をスマホにダウンロードした『プロ野球バカ本』(著:長谷川晶一)で過ごす。
そして、選手たちがグラウンド入り。

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野手陣のキャッチボール

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同い年の藤本コーチとシートノックを見る福留

昨日までの練習とは違い若干の緊張感がグラウンドにも漂っている。
と、ここでグラウンド端に審判団を発見。
彼らもこの試合が今季初の実戦のはず。だが、楽し気に談笑している。
さすが職人集団。

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かなりボヤけているが、左から眞鍋、佐藤、森口、石山、土山(敬称略)

スターティングラインナップが発表される。

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ベテラン、助っ人勢は出場せず

捕手が4人スタメンに名を連ねている。原口の病気離脱により、タイガースの捕手は当座6人になった。そのうち一人は育成契約(片山雄哉)なので、実質5人。小宮山以外の4人が宜野座にいる。内外野の競争はよくピックアップされているが梅野以外の残り2枠を巡る捕手競争もかなり激しいのだ。

試合開始。
何と、審判が2人制ではないか。
昨年末のアンパイアスクールで教わった2人制をプロの審判員で観られるとは。
またとない復習の機会。
特に石山審判員と森口審判員はインストラクターとして直に教わったこともあり、思い入れは強い。また、眞鍋審判員もお手伝いとしてスクールに参加していて、連日数えきれないほどのボールをマウンドから投げていた姿が目に焼き付いている。

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球審は眞鍋審判員。塁審は佐藤審判員。走者無しなので一塁線に位置する佐藤審判員。

思いがけずタイガースとは関係のない所で見どころが増え、ひとり興奮する。

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走者一塁なので二塁と投手板の右後方に位置する佐藤審判員

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走者二塁なので二塁と投手板の左後方に位置する佐藤審判員

アンパイアスクールではプロの試合でも数回あるかないかのケースを数多く実践させられたが(投手ボークの後、捕手が打撃妨害とか)、この試合はそんなレアケースは発生せず、基本的な動きをプロの審判員が着実にこなすところを観ることができた。

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投手板での動作を確認している眞鍋球審と才木。眞鍋球審のマスクにはGoProカメラが装着されていた。

紅組才木はそこまで良いようには思えないながら2回を無失点で抑えたが、白組望月はポカスカ打たれて良いトコまるで無し。まあ、最初の実戦だし次回に修正すればその印象は逆に良くなるだろう。2月14日の今季初の対外試合である楽天戦の先発を任されたらしい。ここで本来の力を発揮してほしい。

選手たちが何回かで交代するように審判員たちも何回かで交代していた。
球審は眞鍋→石山→森口、塁審は佐藤→森口→土山→石山と代わっていた。
それぞれの審判の判定ポーズに違いがありそれを観察しているのも面白い。
まだ育成審判員である森口審判員は基本に忠実な構え。スクールに通っていた身分でおこがましいが初々しくて気持ちが良い。
実は森口審判員はこの日(2月7日)が24歳の誕生日であった。この事実を帰京してから知った。前々から分かっていれば「誕生日おめでとう」とスタンドから声を掛けたのに。無念である。

試合は今季初戦とは思えないほど両チームの打線が奮った。
中谷、坂本、長坂、木浪がホームラン。
中谷。ストレートを全く打てない弱点は改善されたのであろうか。まだまだ全然信用できない。
坂本。熾烈な捕手争いの中で良いアピール。
長坂。これまた捕手争いアピール。岡崎危うし。
木浪。あとで映像を見るとインコースをうまくスタンドへ運んでいた。守備も無難で評論家たちの評価もうなぎのぼり。対外試合でどこまで食らいついていけるか。

浜地も島本も打たれてしまった。
浜地はまだ一軍未登板なので期待しすぎるのは酷だが、中継ぎ左腕の枠を争わなくてはいけない島本がパッとしないのは気になる。能見、高橋聡のベテラン2人ではやや不安なのが現状。岩崎が先発に挑戦しているようなので、一軍キャンプに呼ばれた島本と飯田には頑張ってもらいたいのだが。

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乱打戦。楽しい試合ではあった。

紅白戦は打ち合い、審判2人制で大いに楽しめた。
キャンプ旅のシメとしては申し分ない。
この後の練習もぼんやり眺めていこうかと思っていたら、雲行きが怪しい。

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まさにスコール

屋根のあるバックネット後方にいても雨粒が飛んでくる。
これは収まるまでジッと待っているしかない。
20分ほどで小雨になったが、当然練習は室内のみになってしまった。
こうなると宜野座ドーム前サイン待ちしかファンに残されたイベントはない。
特段目当てのいない自分にとってもはや見るべきものはなくなった。
宿舎へ帰ろう。

翌日は帰るのみ。これにてキャンプ旅は終了。
初めてのキャンプ見学だったが、普段は観られない選手の様子を数多く観ることができとても充実したものとなった。
その選手の表情も明るく、監督は変わったがチームの雰囲気は良いように思えた。だが、まだキャンプは序盤。後半になるつれ実戦も加わり、競争も激しくなる。その時には明るい表情も消え、誰もが我こそが開幕一軍と意気込み引き締まった顔つきに変わっているだろう。
思えば、去年のオープン戦はサッパリ勝てなかった(2勝のみ)。「オープン戦の成績はシーズンに反映されない」などと高をくくっていたが、なんのことはない。結果は最下位だった。
今季はこの競争意識がオープン戦と言えども勝ちにつながっていく様を見たい。

今年はキャンプからナインを見守っていたんだ。と、秋には歓喜の美酒を飲みながら振り返っているようなシーズンになることを切に願う。