沖縄キャンプの旅③
2月6日。
予報通り晴れた。
前日に恐れをなした駐車場争奪戦。負けられないので7時30分にホテルを出た。8時20分に着いた。練習開始1時間40分前。さすがに駐車数もまばらで難なく停めることができた。
それでも、宜野座ドーム前には熱心なファンが駆け付けている。
そう、読谷の宿舎からやってくる選手たちを観るためだ。
朝イチはテンションが低いので選手たちもサインには応じない。さもありなん。
ドームへ入っていく選手たちを眺めているのはそれほど楽しくないので、メイングラウンドへ。
お、阪神園芸の人たちが中心となり内野に敷かれていたシートを外す作業をしているではないか。
手際よく大きなシートが丸められていく作業をのんびり眺める。
これもたたまれてしまうと見るべきものが無くなってしまったので、周りを探索。
するとクラブハウス的な建物前に選手たちの手形パネルを発見。
メッセと新井貴浩の手が大きかった。
これ以外は特筆するべきものはなかったので、いずれメイングラウンドに出てくるであろう選手たちを間近で見るためにスタンドの席を確保することにする。
待つこと1時間くらいだろうか、10時30分に選手たちがやってきた。
去年までを知らないので何とも言えないが、よく声が出ていて活気があるように思えた。元気なのは良いことだ。
そしてシートノック。
シートノックは野手全員の動きが観られるので楽しい。
北條史也の声がよく出ていたように思う。
もはやコーチの風格がある福留の声も響いていた。
シートノックから守備練習に入ったところで席を立つ。
お腹がすいたからだ。
お腹が満たされたところで、晴天のキャンプ地をぶらぶら。
宜野座とタイガースは切っても切れない関係になっているようだ。
と、宜野座ドームからメッセンジャーが出てきたのが見えた。
これは追っかけねば。
何を隠そう、このキャンプ旅の大きな目的は彼の著書『すべてはタイガースのために』にサインをもらうためなのだ。
サブグラウンドへ歩いて行っている。
よし、今からメッセに密着だ。
サブグラウンドで50m走で身体を鍛えている。
先客でドリスもいる。
そのドリスは走り終えて、ファンの待ち受ける場所にやってきた。
サインしてくれる感じだ!
そして、
してくれたー
ドリス。良いやつ。さすがは虎のプレデター。
よし、ここで待っていればメッセもしてくれるに違いない。
隣のサインをもらい慣れてそうな強面のおじさんも「メッセは間違いなくするよ」と初心者っぽいおねえさんに豪語している。
そして、
メッセ キター
ドキドキしながら彼の本を差し出すと、サラサラと筆を走らせてくれた。
「サンキュー」
「ユア、ウェルカム」
もっと気の利いたことが言えなかったのかと自分の英語力の無さに情けなくなるが、凄く舞い上がっていたから仕方ない。
このあと、メッセは沢山のファンにサインをしていた。ホントに素晴らしい選手。
日本に来てからはや10年、今季から日本人選手扱いとなったメッセは「タイガースでキャリアを終える」と涙モノのコメントをしてくれている。
彼も、そしてファンも熱望する優勝という栄光。
なんだかんだで14年前の出来事になっている。
メッセと共にその喜びを分かち合いたい。
それからピアース・ジョンソンにもサインをもらうことができた。
活躍するかどうかもわからない新助っ人。サインの価値が上がることを切に願う。
半ば目的を果たし、心軽やかにメイングラウンドやブルペンをウロウロ。
宿舎に帰る矢野監督も宜野座ドーム前でサインをしてくれた。
ファンサービスを積極的に心がける指揮官。すてき。
こういう姿を見ると、サインを転売したり、右腕を引っ張ってケガさせちゃうというニュースは悲しい。
ただただファンのモラル向上を願うしかない。
15時過ぎになるとファンの最大の目的は帰りがけの選手からサインをもらうということになることがわかった。
帰りの車輛が待つ宜野座ドーム前は雨だった前日とは違い、大勢の人が待機している。
メッセのサインを手にした今、他に欲しい選手もいないので、この日はこれで宜野座を切り上げることにした。
せっかくの好天なので、タイガースの宿舎を拝んでから帰ろう。
ロイヤルホテル 沖縄残波岬。読谷村の海の近くにある大きなホテルである。
宜野座から約40分。結構遠いところから通っているのだな。
隣接する残波岬公園には残波大獅子というバカでかいシーサーがいた。
大きい銅像は見ていて飽きない。少しだけ特撮好きの心が騒いだ。
そして、夕焼け。
雲が湧き始めて絶景ということにはならなかったが、まずまずの画だった。
明日は紅白戦。
若手選手がどれくらい躍動してくれるのか楽しみだ。